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「懲りないくん」2001年9月2日号(31)

バカンスでいろいろあったけど、
その影響が出始める号。

8月26日(日曜日)

バカンスの後片付けと、移動で終日終わり。

8月27日(月曜日)

終日、後片付けは続く。

8月28日(火曜日)

18時、「イゾラ」のピッザが食べたくなり、
同伴女性を探そうと、数人の女性に連絡するも、
すべて留守電。
バカンス前なら、それでも留守電にメッセージを残すなり、
他をあたるなり、それなりの努力をしていたのだが、
その行為をなぜか馬鹿馬鹿しく思う。
もちろんデートやお食事を馬鹿馬鹿しく思うのではなく、
必死にアポイントメントの努力をする自分の姿を、
馬鹿馬鹿しく思う。

19時、ならばと、たった一人で「イゾラ」。
2週間ぶりのピッザは、改めて「ヴォーノ!」

「一人の行動」は、話し相手が自分自身しか居ない。
だから、自然と周囲や社会や自分を客観視できる。
やってしまった事、楽しんでしまった事、
(ちなみに、「事」であって、「子と」ではない)
それが好奇心に支配された動機であればあるほど、
その後に残るのは、「経験」だけになる。
そして、その経験が、馬鹿な事とそうでない事を
区別させる大切な蓄積になる。。
人生のほどんどの時間は、馬鹿なことに費やされる。

経験主義の僕は、おのずと多くの馬鹿な事を経験し、
同時に、多くの失敗をする。
どんなに失敗しても、経験を買う。
会った事の無い人、
乗った事の無い車、
行ったこと無い国、
観た事無い映画、
の批評は、出来る限りしたくない。
自分の感性で感じ、自分の言葉で表現するということが、
自分が今ここに存在している、意味だと考える。

「ベンチャー企業支援」なんてコンサルティングが
流行っているが、僕から見れば、
「ドウテイ君が、その手のビデオを研究して、
セックスのアドバイスをする」ようにしか見えない。

8月29日(水曜日)

毎年、2月8月は、講演が無い。
良く、「2,8は、仕事が無い」と商人が言う。
実感する。
が、今日は久しぶりの講演。

11時、「大阪商工会議所」での講演のため、
羽田よりJL103にて、伊丹。
夏の東京~伊丹便は、「スキヤキ」を思い出させる。

僕は年間数十フライトする。
どれほど、乗っても、怖さは付きまとう。
が、それに慣れてしまうことは、
自分の身が置かれた状況に、恐怖を感じることより、
怖いことだと感じる。
経験は大切な財産だが、
同じ経験を恒常的にすることによって、
感性が麻痺するのも、避けたいと思う。

12時、2000年9月、シカゴ商工会議所での講演時、
僕をエスコートしてくれた、現大阪商工会議所の
堤 成光氏の出迎えを受け、昼食。
彼が紹介してくれたお店は、中央市場に位置する
鮨屋「ゑんどう」。
良質なネタに、なぜかシャリが温かい。
温かいシャリがこの店の特徴と聞く。
それがまた、新鮮な食感でおいしい。
きっと、店が繁盛して忙しく、
炊いたシャリを冷やす時間が無かったのが原因だろう。

思えば、料理というのは、必然から生まれたモノが多い。
鮨のわさびにしても、それはネタが腐ることを防ぐ道具であり、
漬物は、それを長期にわたり保存するための手法だった。
これらの必然は、それが必要なくなった現在においては、
食を楽しむためのアプリケーションになっているというわけだ。
必然が生み出すものは、大衆の支持を得て、長続きする。
そして、いつしか文化となる。

これまた、経験が必然を生んだわけだ。

一方、ネットバブルから現在に至る、
いわゆるWEBビジネスのほとんどは、
消費者が頼んでもいない複雑怪奇なポイントシステムだったり、
コンビニやレンタルAV店が充実するこの国での通販だったり、
誰も見ていない横長広告だったりと、
つまりは、一見消費者の利便性を考慮しているようだが、
実は、自身の金儲け(いや金集め)のために、
「無理やり」需要を創造する、机上ビジネスに思えてならない。
必然が生み出すもので無ければ、大衆に受け入れられないのに。

15時、堤氏の提案により、吉本新喜劇の観賞に向かうも、
夏休みとあって、会場は満席。
代わりといってはなんだが、大阪市の経営する
「大阪企業家ミュージアム」。
松下幸之助をはじめとする大阪商人、
いや大阪起業家の歴史を陳列するミュージアムは、
ガバメントが運営するこの手の施設の中では、結構面白い。
大阪からは、多くの日本を代表する企業が生まれたことを
あらためて知る。

ちなみに、松下幸之助の有名な商品「二股ソケット」は、
当時の電力料金がソケットあたりの月額で固定されていたので、
一つのソケットに二つの電球をつけられる点が、
大衆に受け入れられたわけだ。
これまた必然。
さらに、その後のVHS対ベータ対決のVHS勝因も、
ベータの録画時間では収録不可能な2時間以上の番組を、
松下電気産業が積極的にスポンサードする事によって、
成し得た、「必然を作り出す戦略」によるものだった。
顕在する必然、もしくは、消費者が必然と考える事を
ネットビジネスも生み出さないとね~後が無いよ。

16時、およそ百数十名の観衆を前に、
いつもの「失敗学」を振舞う。
楽しかった。

「社長失格」発売後、講演活動が始まった。
そして、ある人が言った。
「そりゃ、一年ぐらいは続くでしょう」と。
それから3年以上経った今でも、講演は入る。
なぜか?
僕は、勝手にこう思う。
「実際に、やった人の話しだから」だ。

20時、伊丹よりJL110にて、羽田。

22時、鳥取の名手、足立慶氏とビジネスミーティング。

23時、某有名私立大学学生のHO嬢とその女友達3人の来宅。
皆で、「アイズ・ワイド・シャッド」を鑑賞~解散。

27時、最近出会ったSM嬢(だから、そういう意味じゃなくてね)の
来宅~朝まで映画鑑賞。

A Hard Day's Night !

8月30日(木曜日)

SM嬢と共に、夕方までお昼寝。

8月31日(金曜日)

19時、久しぶりの「お食事会」のため、
六本木は、いつもの「花宴」。
が、バカンスの後遺症だろうか、全く雄になりきれず、
1時間ほどでさっさとお暇。
おいおい、俺は一体どうしたんだ?
っと思う一方で、バカンスによる変化が
自分に迫っている事を体現して、
ますます自分の今後の変化が楽しみになる。

9月1日(土曜日)

明日の「撮影」に備えて、
主役(?)の「雄太」のシャンプー。
9月28日放映の「社長失格」ドラマ部分にて、
本物の主役であるはずの僕は、
その道のプロである石橋保氏が演じるのだが、
犬はホンモノ雄太君。
彼のデビュー(?)とあって、親馬鹿な僕は、結構真剣。

自分の子を芸能人に仕立て上げようと、
必死な親の心が、手にとるようにわかる。

最初は、自分の著書がドラマになる・・・
その程度に考えていたのだが、
よくよく考えてみると、その著書の主人公は僕自身だ。
だから、2時間のスペシャルは、僕自身の話になる。
「知ってるつもり」より、1時間多い(笑)。
それでも、我が事という、実感が薄いのは、
「社長失格」というドラマが、一人歩きを始めたからだろう。
僕という現存する人間と、このドラマは、
少なくとも僕の中では、すでに別物になっている。

歴史は作られるのだ。

ということで、普段に戻りつつあるが、
どこか変化の兆しが見える今週でした。

<今週のニュース>

例の番組の、スタジオ部分の出演者が新たに決まりました。
格安旅行の提供で有名、
且つ「スカイマークエアラインズ」を傘下に持つ
HIS代表取締役澤田 秀雄氏。
ほとんどメディアに出ない彼が、引き受けてくれたことは、
大変うれしい。
言いたいことがたくさんあるのだろう。

そういえば、「クラブアジア」という渋谷のクラブをご存知だろうか?
あのクラブ、実は、僕らベンチャー企業家が
出資して作った店なのだ。
ハイパーネット、光通信、ソフマップ、
それぞれが1000万円ずつ出資して始まり、
その後、HISからの増資で、
やっとこさ開業に漕ぎ着けたという過去を思い出す。
多分今でも、HISは、このクラブの筆頭株主。

さらに、「ほぼ日」寄稿者の一人、清水みちこさん。
制作サイドに聞くところによると、彼女は、
「社長失格」の板倉と、「懲りないくん」の板倉が、
同一人物だとは知らなかったらしい。
感性豊かな彼女のトークに、僕は興味津々。

<余談編>

あのね、いいかげんにして欲しいのよ。
ケータイへのHメール。

はっきり言うけど、Hサイトの経営者って馬鹿。
だって、社会問題になるほど、
いいかげんに勧誘メールを送るって事は、
そのうちドコモだって、何らかの手を打つわけさ。
そうなれば、自らのビジネスの首をしめるって事、
わかってないのかしら。

何度勧誘メールを送っても、
一向に反応しない人には、それ以上送らないなんて事は、
今の技術を持ってすれば、いとも簡単なことなのだ。
自分の経営のために、さっさとやって欲しいのです。

「アホやなぁ~」

板倉 雄一郎
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