板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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「懲りないくん」2001年6月24日号(21)

なんだか体調悪いのに予定が多い週。

6月17日(日曜日)

午後からホテル日航東京の「スパ然」

16時、「クラブ一期一会」パーティーは、
今回から場所をVMXオフィスから移転。
というのも、某写真週刊誌の記者は来るわ、
「2ch」に募集要項は掲載されるわで、
マンションの防犯上、危険と判断したため。
今回は池袋のとあるマンションのビューラウンジ。

22時、MG嬢来宅。
二人で「GT3」。

6月18日(月曜日)

12時、MG嬢と共にランチのため、
青山は絵画館通りのフレンチレストラン「セラン」。
交通量の少ない銀杏並木に面したこの店は、
冬にも暖房設備を備えるオープンテラスが人気。
あいにく、テラスは満席ということで、屋内にて昼食。
感動するほどの美味しさとは思わないが、
周囲の景観と客層が与えるバイアスは、
美味しさを演出する。
ちなみにテラスはワンワン、ニャンニャンOK。

14時、MG嬢と別れ、雑誌「Time」の取材。
どうやら先々週のAP通信の記事がきっかけ。
「社長失格」と「彼氏失格」についてのインタビュー。
こんなのが世界的有名雑誌「Time」に載って良いの?
僕は大歓迎だけど。

18時、定例のジャパンオルタネーティブ会合。
今回は、田中康夫長野県知事のお話を伺う。
3時間に及ぶ彼の話は、田中康夫主義に満ちていた。
これをこの場で説明するのはスペースが足りないので、
彼の著書「田中康夫主義」を参考にされたい。
彼の「パブリックサーバントとして」という思想には、
納得させられる。
これを、わずかな取材時間しかないマスコミが、
伝えきれないのも仕方が無かろう。
どんな主義、思想が良いかなんてことは、
最終的に当事者(この場合長野県民)が決めることであって、
外野がとやかく言うことではない。
主義、思想がどうであれ、僕は大いに彼に感心した事がある。
それは「自らが、楽しんで県政にあたっている事」だ。

6月19日(火曜日)

7時、珍しく早起き。
「敗者復活の経済学」でご一緒させて頂いた、
一橋大学イノベーションセンター長米倉誠一郎氏の依頼による
彼の大学での講義のため国立へ。

首都高4号新宿線~中央高速~国立IC~一橋大学。
このところ、中央高速に縁がある。
そして、昨日の田中康夫氏にしても、今日の講義にしても、
一橋大学に縁があるようだ。

9時、200名程の一年生に「ベンチャー学」を振舞う。
中でもリスクについて、
「リスクとは、取るリスクと、
リスク回避をしつづける事による、
潜在的リスクの増大の二つがある」という僕の持論を、
「NINTENDO」と「SONY」のゲーム機戦略を例に取り、
講義の中心とした。
一橋大学で、この話しに力を入れた理由は、
一流国立大学生徒という、少なくとも僕の認識では、
リスクテイクよりリスク回避が得意な人種に対する、
新たな視点を提供する事にある。

12時、原宿に戻る。

14時、僕の自宅近所に住む、上智大学外国語学部在籍
MY嬢が突然来宅。
DVDで映画が見たいと言う彼女は、勝手に映画を選び、
くつろぎ姿勢。
さらに、MG嬢と彼女のICU時代の友人タイゾー君来宅。
ネット関連開発会社を営む彼は、早く楽したい起業家。
「そりゃぁ~、しばらくむりだよ」っとアドバイス。
20代のうちは、失敗恐れずチャレンジを続けましょう。
仮に失敗しても、経験という資産は残りますからね。

15時、以前「日経ビジネス」の取材でご一緒させて頂いた、
ディーシーエヌ 株式会社社長鎌倉忍氏来社。
彼は最近、車を新調したという。
聞くところによると、
ドイツ製、リアエンジンリアドライブ、インタークーラーターボ、
6速シーケンシャルシフト、2シーターという仕様のその車、
後日試乗させてもらうことに。
(この車の首都高での試乗記は、22号掲載予定、
なんだが、排気量が書いてないのがミソね)

17時、犬に会うために船橋へ

6月20日(水曜日)

このところ、エアコンの使いすぎと、「GT3」のやりすぎで、
体調優れないため、終日寝る。

22時、「ニュースステーション」
ITベンチャー企業で、日米同時株式公開を果たした、
「クレイフィッシュ」の経営不振による役員人事の話題。
問題そのものは松島社長の話も、
大株主の光通信の話も聞いて居ないので、差し控えるが、
清水建宇とかいうコメンテーターの発言におったまげ。
「赤字企業の株価が上昇するのはおかしい」だと。
この人、米ナスダックの大部分の企業と、
その株主が「おかしい」との断定を、
何千万人も見ているニュース番組にて発言するという、
極めて大胆(?)で、貴重な人。

たとえば、米アマゾンドットコム(世界最大の書店)は、
創業からずうっと赤字経営を続けている。
この会計上の赤字は、
戦略上では「本を買うならアマゾン」というイメージを
大衆に知らしめるという市場占有率確保のための、
「投資」であることに疑いは無い。
経営陣の勝手な戦略かと思いきや、
実際には、この企業の「持ち主」である株主の意向であった。
つまり、株主は投資先企業の価値を上げるため、
「ネット人口が拡大している最中に、利益など出すぐらいなら、
その利益をマーケティングに使いなさい~そして企業価値
すなわち株価を上げなさい」ということだ。
(ちなみに最近は、
いいかげん利益を出して頂戴ということらしいが)
「シェアーを確保すれば、いつでも利益など出せる」という、
ビルゲイツ会長も良く言う
「Get share first , Profit later」という経営手法。
実際、アマゾンはこの戦略によって大衆の認知度を確保し、
世界最大の書店になったばかりではなく、
そのアマゾンブランドという「インフラ」への投資のおかげで、
本に次いで、CD販売を開始すると、
それまでCD販売で最大手だった「CD NOW」をブッチぎり、
CD販売でもトップになったわけである。
(ただし、これから大きな利益が出るかどうかは、未知fである)

赤字企業の株価上昇がおかしいという理屈は、
黒字になってからの株価上昇が妥当だと言う意見に聞こえる。
しかし投資家は、株価上昇によるキャピタルゲインを
期待するから、投資リスクを取れるのであって、
株価が高騰してから買う人は理論的には居ないはずなのだ。
投資家は、投資先企業が赤字か黒字かではなく、
「将来の成長性の期待」に対して投資するわけだから、
結果として赤字の状態でも株価は上昇する(場合がある)。
これは極めて健全な事である。
健全という理由は、企業と株主の一対一の取引において、
企業は経営状態や戦略および投資リスクを
可能な限り情報公開し、投資家はこの情報に基づいて、
「自己リスク」によって投資を判断する。
その結果が株価を形成するわけだ。
よって、清水建宇とかいう部外者が、
視聴者という(基本的には)部外者に対して、
「ろくに知識も無い事」かつ「問題の本質ではない事」で
文句を言うこと自体は、
とてつもなく否健全だと思う次第である。

っと長くなったが、要するに言いたい事は、
赤字企業の株価上昇は、
「クレイフィッシュ」の本質的問題ではないということ。

「ニュースステーション」という番組は、
経済に対する基本的な理解が必要だと思う。
以前にも「ヤフーの株価が1億円を超えましたぁ~」と
やったのだが、その理屈については何も触れていなかった。
一億円の株価は、
確かにヤフーの企業価値の上昇がベースである。
しかしその影に、企業が企業価値上昇(つまり株価上昇)時に
一般的に行うはずの「株式分割(昔は無償増資)」を
積極的にしなかったことによる株価の絶対値上昇である
という話を同時にしなければならないと思う。

さらにさらに言えば、同テレビ局の「サンデープロジェクト」では、
メインコメンテーターの田原総一郎氏が1年程前、
トヨタと日産の企業比較で、
「トヨタの株価は4000円前後、それに対して日産は2000円前後
2倍も差がついている」とか言う始末。
時価総額の比較ならわかる。
実際、日産に比べてトヨタの時価総額の方が圧倒的に大きい。
しかし株価の絶対値など、企業価値に全く関係が無いという
大基本を、この人は知らないようだ。
そういえば、後ろに並んでいた大手証券会社のアナリスト達は、
この発言に「いや、そうじゃないんだけどなぁ~」という
顔をしていたよ、田原さん。

「ニュースステーション」WEBより、清水建宇とか言う人に
メールでクレームを入れ、寝る。

6月21日(木曜日)

16時、MG嬢と「スパ然」にてプールでデート。
「カラマ~リ」が突然食べたくなり、僕の起業家の弟子である
渡部篤史君に「カラマ~リが食べられる店を探せ」と指示。
1時間後、彼が見つけた店は「シャム」というインド料理店。

19時、「カラマ~リ」を食べる体の僕は、早速銀座のそのお店へ。
ところが、出てきたそれは、「カラマ~リ」ではなく、
単なる「イカのリング揚げ」。
がぁ~ん。 オマケに、どよぉ~ん。
僕は決断が早い。
「お会計お願いします」っと。

20時、「カラマ~リ」と言えばイタリアン。
と言う事で、先週発見した白金はピッゼリア「イゾラ」へ。
最近通っているこの店のオーナーは、
ナポリで修行した本物のピッザを食わせてくれる。
オマケに長身のがっちり体型でイイオトコ。
「カラマ~リ探してるんだけど」という僕に、
「大丈夫ですよ、任せてください」というオーナーは、
メニューにはない「カラマ~リ」を出してくれるという。
いでたる「からま~り」は、
小さな「やりイカ」をクリスピーに揚げた、
真っ白本物「からま~り」!
大き目のレモンをかけ、頂くと・・・・・。
そりゃぁもう、本物です。
読んでも美味しくないので、食べてみてくださいな。

MG嬢、渡部君とその彼女、そして僕は、
調子に乗って「からま~り」を3皿頂く。
レモンに飽きたら、トマトソースで頂くのがコツ。
さらに、ナポリの3大ピッザの一つ「マルガリータ」、
そして「カプリチョーザ」~デザート。
またも食いすぎで気分が悪くなり、
MG嬢と共に早々に自宅に引き上げる。

6月22日(金曜日)

14時、
先週に続き、またも福岡出張のため、羽田よりNHで福岡空港。

16時、キャナルシティー隣接のホテルグランドハイヤット。

19時、「ITマネージメント学院」という学校の
オープニングセレモニーでの基調講演と言う事で、
いつもの僕の勝手な言いたい放題ができない。
慣れないセレモニー的講演を40分。

21時、主催者で代表者の岡崎太郎氏他数名と打ち上げ。
この学校の年4回の講師の仕事を頂く。
やったぁ~!
食べ物うまい安い、女性は綺麗、男性もナイスガイ、
東京から(少なくとも大阪より)近い福岡に年4回も行ける。

ホテルに戻り、久々に「Hビデオ」を鑑賞して就寝。

6月23日(土曜日)

9時、起床~メールチェック

11時、チェックアウト。
食事を取ろうとロビーに行くも、どの店も行列。
福岡&時間が無い&腹が減った=ラーメン!
タクシーを捕まえ、「うまいラーメン屋お願いします」っと。
「だるま」がオススメというドライバーに任せ向かうも、
残念ながら開店前。
で結局何度も来ている「一蘭」に変更。

福岡市内に数件は展開している「一蘭」は、
カウンターが一人一人側板で仕切られ、
カウンター内で仕事する従業員との間にも、
ラーメンの薀蓄が書かれた赤い暖簾。
つまり、完全な「個室」を演出している。
おかげで、人目を全く気にせず、養鶏場の鶏のごとく、
食い入る事ができるというわけ。
ここのスープは、余分な油が無いせいか、
こくがあるのに、すっきりさっぱり。
150円の「替え玉」もしっかり頂く。

同じ1000円以下でも、どの店も同じ味の、
ハンバーガーや牛丼と違って、
限られた予算で、冒険が楽しめるというバリュー。
ラーメンがとことん好きな人は、金使わなくていいなぁ。

14時、福岡空港よりNHで羽田。

17時、「スパ然」

19時、実家の建築会社でOL(?)として働く
YU嬢とデートのため、またも「イゾラ」。

「からま~り」からスタートして、
今日はナポリの3大ピッザの一つ「カルツォーネ」。
後は「マリラーナ」を残すのみとなる。

21時、西麻布のイキツケバー「イ・ピゼリ」
彼女どうしても僕の話を聞こうとしない。
オマケに、僕の全てに否定的。
どうしたもんだか・・・。
「なんで会いに来たの?」という僕の質問に、
「わからなぁ~い」だって。

0時、彼女と別れ、原宿に戻り就寝

と言う事で、今週はいろいろあったもので、
先週のお約束である、
1、「懲りないくん」を書く理由
2、「社会的責任」について
は、来週以降に持ち越しです。
ごめんなさい。

板倉 雄一郎
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