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「懲りないくん」2001年11月18日号(42)

懲りないくんは、完全復活宣言で週。

11月11日(日曜日)

病院での診察結果を気にしながらも、
ホテル日航東京の「スパ然」で、
少しは健康の役に立つだろうということで水泳。

11月12日(月曜日)

船橋の自宅にて、
朝から連載モノの原稿、犬の散歩。

20時、再び「スパ然」

11月13日(火曜日)

朝から原稿。
でも、検査結果が気になる。

15時、再び「スパ然」

19時、「社長失格」TV特番の企画をしてくれた、
電通NB氏、ST氏のアレンジで、
エッセイストで車評論などを手がける甘糟りり子女史と
お食事のため、西麻布はフレンチレストラン「W」。

先週、僕は彼女との食事の準備として、
彼女執筆の「贅沢は敵か」(新潮社)を、
アマゾンドットコムにて購入し、読破。
結構まじめな僕なのです。

おまけに、車とワイン好きの面々のため、
数日前に仕入れたDRC LaTache‘87を、
これまた数日前に「W」に運んでいたのです。
ホント、まじめだよね。
でもね、テーブルに出されたワインは、
LaTache‘76!
実は僕、DRCを4本まとめて仕入れたので、
「W」に運ぶ時、‘87と’76を間違えて持っていってしまったの。
NB氏は自宅のワインコレクションに300本、
そして甘糟女史もこの手のことにうるさい。
つまり、わかる人と分かち合うのだから、まぁいっか。

メスセデスのNB氏、
最近ジャガーを購入したST氏、
そもそもアルフェスタの甘糟女史、
そして、いろいろ試した挙句、BMW-Mの僕、
車好きの集まるお食事会は、
食事の内容を覚えていないほど、会話が楽しい。
不思議と、車についての話は少ないのね。
で、映画、ワイン、そして恋愛についての会話。
それでも僕の「W」の印象は、VERY GOODでした。

なのだが、僕は心の中で、
「今日で、ワインともお別れだな」と、
最後のDRCを味わうのでした。

23時、場所を同じく西麻布は「エル」に移して、ダベリング。
隣のキャンティーから、わがままを言って、
エスプレッソダブルを出前注文。

26時、甘糟女史を自宅に送り、さようなら。
彼女、文章から想像するより、
きわめて良い意味で、「大人」だったのだ。
薀蓄をひけらかすわけでもなく、
人の話をさえぎってまで自己主張があるわけでもなく、
自分に無い情報は、積極的に聞く姿勢を持っていて、
かつ、ノーブルに振舞える人物であった。
そして、こちらがフランクに接すれば、
それに相対する余裕のある女性。
彼女の独特な視点による車評価を、
僕も応援したい思った夜。

11月14日(水曜日)

9時、先週の尿および血液検査の結果を聞くため、
実家近くの「船橋医療センター」。

まずは、肝臓、腎臓、胆のうのエコー検査。
そして、結果を聞くため、内科で診察の順番を待つ。

車で事故ル時、溺れて死ぬ時、
それまでの人生が走馬灯のように、
頭を駆け巡るというのは、良くある話だ。
直ちに死ぬわけではないのだろうが、
同じような感覚を得る。

「イタクラユウイチロウさん、内科2番へお入りください」
というアナウンスは、
懲りないくんが、始めて懲りる予告に聞こえる。
金が無くとも幸せを探し出すことはできる。
彼女が居なくても、次なる恋愛の夢を見ることはできる。
しかしながら、健康を失ったら、幸せを見つける時、
オプションはかなり限定されるだろう。

医師「具合はどうですか?」
何で、こんな質問するのよ、結果知ってるんでしょ。
僕「いぜん、調子悪いです」
医師「んん」
彼は深刻そうな顔をしてうなずく。
僕「で、どうなんですか?」
こんな時は、単刀直入な回答が欲しいものだ。
医師「あのねぇ」
僕「はい」
早く言えよという気持ちをこめて答えた。
医師「至って、健康体なんだよねぇ」
僕「はぁ?(トーンがおしり上がり)」
医師「いや、肝臓も腎臓も、どこも悪くないどころか、
健康そのものなんだよ」
僕「はぁ(トーンがおしり下がり)」
「・・・・・・」二人で沈黙。
僕「では、特に注意すべき点は?」
医師「いや、健康なんだから、あるわけ無いでしょ」
僕「はぁ(トーンがおしり下がり)」
二人はPCの画面を覗き込む。
確かにCRTに表示された血液検査の項目に、
γ-GTPを始めとする数値が、
「黄色」や「赤」で表示されていない。
医師「まあ、そういうことで、風邪なんでしょう」
おいおいちょっと待てよ、あんたが「風邪じゃない」と
先週断言したんじゃなかったのかぁ!
などと、心の中で、ちょっとだけ思ったのだけれど、
次の瞬間、外の太陽を見たくなった。
早く、太陽を見て、にっこりしたぁ~い。
病院から出てきた人が、にっこりするなんて、
ちょっと恥ずかしかったりするが、
早くそれをやってみたぁ~い。

会計を待っている時、
周囲の人と、自分の違いを認識する。
「自己破産」の時、東京地方裁判所の13階で、
他の人との違いを探して、見つけることができなかった時とは、
まるで違う。
僕は、幸い健康なのだ!

外に出た瞬間、僕は太陽を見るどころか、
早速、ケータイの電話番号を検索。
「女性」というカテゴリーに分類しているグループを開け、
次々に、デートのアポを入れる。
声が弾む、そして、不思議とその相手も、
次々に「OK」の返事。

何事も、うまく運ばなければ自己に原因がある。
うまく運ぶ時も、また、自己に起因する。
しかし、それを誰かに感謝しなければならない。
ということで、最初に診察結果を報告したのは、両親。
だって、毎日一人で一本のワインを飲み、
20本以上のたばこを吸い、
暴飲暴食暮交渉を続ける僕に、
これほど強靭な肉体を与えてくれた二人なのだから。

16時、時間外の犬の散歩。

20時、先週に引き続き、NK嬢とデートのため、
西麻布は、久々のおでん屋「六根」。
調子こいて、おでんのおつまみに、
「とらふぐ」の刺身、から揚げ、ちり鍋~おじや。
なに食べてもうまいぜ!
NK嬢、僕の健康に乾杯してくれた~うれしい。

何時だか覚えてないが、熟睡。

11月15日(木曜日)

15時、「スパ然」
泳ぐのが楽しくって仕方が無い。

18時、僕の古巣、「YEO(Young Entrepreneur Organization)」の
新規会員リクルーティングパーティーのため、「明治記念館」。
そもそも、この会、
堀 義人氏(グロービス代表取締役)、
鈴木 慶氏(現ドリームテクノロジー代表、当時ソフマップ代表)、
重田 康光氏(光通信代表)
折口 雅博氏(コムスンなどグッドウィルグループ代表)
佐々木 かをり女史(現、e-Woman代表)
川合 歩氏(ED-コントライブ代表)
などと一緒に作った会なのだ。

現在の会員数はわずか49名。
それを増やすためのリクルーティングパーティーには、
起業家およそ300名!
久々に、上記の彼ら以外にも、元気な顔を見る機会に恵まれた。
(重田氏は、当日欠席)

熊谷 正寿氏(GMO代表)、彼は特に久々ではないが。
藤田 晋氏(サイバーエージェント代表)、実は久しぶり。
高山 照夫氏(元ハイパーネット監査役、現ブレインズネットワーク
代表)、数年ぶり。
真田 哲弥氏(サイバード代表)、一月ぶり。
西山 裕之氏(まぐクリック代表)、2ヶ月ぶり。
平野 岳史氏(フルキャスト代表)、数ヶ月ぶり。
赤石 太郎氏(ナティックス代表)、数日ぶり。
尾崎 友俐女史(飲食店代表)、数ヶ月ぶり。
川崎 貴子女史(ジョヤンテ代表)初対面。
などなど、数十名の起業家友達と遭遇。

それは良いのだが・・・・・。
当日ゲストスピーチをした経済産業省に関係する、
ある著名政治家は、そのスピーチの締めくくりを、
「経済産業省は、皆様のような企業家の見方です、」
ここまではよい。
「不動産や有価証券ではなく、事業の将来性を担保とした
融資の支援を精力的に、うんぬかんぬん」と叫ぶ。
はぁ・・・・かなり「トンチンカン」な人だな。
そもそも、ここに集まるアントレプレナーの、
一体誰が、融資などという間接金融に期待しているというのだ。
彼らは、上記メンバーがそうであるように、
積極的に株式を上場させ、「直接金融」の世界に
入ろうとしているのだよ。
彼らが期待するとすれば、融資の支援ではなく、
投資優遇制度による国民資産の投資ポーションを増やすこと。
こんなスピーチは、「中小企業団体」、
できればジェネコンあたりでやってくれ。
こんなとんちんかん発言で、人気を得られるというのが、
この国の、哀れな姿そのものだ。
あきれた僕は、少し大きな声で、「それ間違いでしょ」と言うと、
周囲の企業家は、苦笑。
実際、彼を呼んだYEO事務局も、
まさかこんな発言だとは想像もしなかっただろう。

20時、僕はYEOのパーティーを後にして、
代官山のとある会場で開かれている、
「ミスユニバース2002」のパーティーに出席。

元パー前野欽也氏も選考委員に名を連ねる
(奴は立ち回りがうまいなぁ)パーティーには、
2001年ミスのMISAO ARAUCHI女史他、
2001年のミス候補数十名。
2001年の準ミス含む何人かと名刺交換とダベリング。
まあ、きっと何も無いでしょう。
彼女ら、今が旬の人たちは、間違っても、
問題のおきそうな板倉 雄一郎とは、電話もしません。

22時、YEOパーティーで偶然出合ったNZ嬢を
バックスピンしてピックアップ。
西麻布はバー「イ・ピゼリ」にて、
「Gevrey-Chambertin‘98」を開け、
自宅に戻り、久々の「映画鑑賞」。
なぜか、「時計仕掛けのオレンジ」
そして「ハンニバル」。
朝まで。

11月16日(金曜日)

(ごめんなさい、今週は、まだまだ続くの)

13時、NZ嬢と別れ、雑誌「週間SPA!」の取材。
「失敗を情報公開できない企業が多いのは何故」
というお題目。

14時、珍しくショッピングのため渋谷~青山。
ジャケット数着とニット類を物色。

15時、「コスモ石油」での講演のため、
東京駅サイドは八重洲のコスモ石油ビル。
いつもの「ベンチャー学」から、
「リスクヘッジとリスクテイク」について1時間しゃべる。

17時、「スパ然」

20時、植島カンクロウ君主催のパーティー「一期一会」。
初期の頃は僕が主催者で原宿の自宅が会場だったが、
現在は彼に主催権を譲り、場所も六本木「ベルファーレ」。
20分ほど顔を出し、電通NB氏と合流後、

20時30分、お食事会のため麻布十番は、
西麻布「FURUTOSHI」の二号店である
「Pacific Current」。
男女4名で楽しくお食事。
この店、「FURUTOSHI」以上に美味しい。
そして、ワインの種類も(カリフォルニアワインだけど)豊富。
今日は、カリフォルニアワインの定番、
「Robert Mondabi'98」を開ける。
カリフォルニア料理のせいか、ガイコツ人が目立つ。

23時、場所を同じく麻布十番は「鍵」に移し、歓談。
この店、その名の通り、カード式の「鍵」を持っていないと、
絶対に入れない構造になっている。
10年程前に購入した「鍵」はもはや手元に無く、
仕方なく再入会。

カードを差込、従業員の先導によってテーブルにつくのだが、
従業員のペンライトがなければ、絶対にケツマヅクほど、
暗いお店。
お酒混じりの男女歓談にはうってつけ。

夜はふけてゆく。(なんのこっちゃ)

11月17日(土曜日)

朝から、遅れ遅れの「懲りないくん」41号執筆。
編集の方、ごめんなさい。

13時、しつこく「スパ然」。

15時、「ニュースキン」コンベンションでの講演のため、
なんとなんと「東京ドーム」。
この日は、ニュースキンのディストリビュータ、
ななぁ~んと3万5000人の前で話すのだ。
楽しみぃ~!
17時過ぎ、J-Waveでおなじみのクリスペプラー氏の
紹介によって、僕登場!

米粒ほどにしか見えないはずの僕は、
600インチの超巨大プロジェクター3機によって、
大衆にさらされている。
ちょっとギコチナイ歩きで、数十メートルを歩き、
やっとこさ、演台に到着。

「さて行くぞぉ~」と思って息を吸い、
いつものように会場を見渡す。

がぁ~ん、何にも見えない!

実は僕の講演は、聴衆の誰か一人、
「うんうん」うなずいてくれる誰かを探して、
その人を意識しながら話すのだが、
さすが東京ドームとあって、
スポットライトの光以外、何も見えない。

まるで「夜の海」に向かって、話すようだわい。
それでも、いつものアドリブスピーチを展開。
幸いなのは、笑いを狙った話のとき、
3万5000人を感じることができたことだった。

それにしても、一生のうちこんな経験がどれほどできるだろう。
貴重な機会を与えてくれた、
東急エージャンシー、NSJ、そして制作会社の方々に感謝。

スピーチの最後には、しっかり「社長失格」の宣伝も
させていただきました。
日経BP社の販売の方、在庫切れにはご注意を!

21時、毎月恒例の「赤石太郎邸パーティー」に出席のため、
芝浦は赤石太郎邸。
いつものように、何人かの友人とコミュニケーションし、
適当にワインを飲み、
何人かの女性と電話番号を交換し、
早々に引き上げる。

23時、起業家友達浦上氏とその友人、
さらにオスカーインターナショナル所属のコンパニャー2名と、
10年ぶりのビリヤードは、国道246号沿いの「909」。
腕は、かなり鈍ったが、そこら辺の連中より遥かに上手。
「9ボール」では、しっかり全戦全勝。
さらに、女性陣の電話番号を入手して帰途につく。
明日は、久々のサーキットイベントで、「ツインリンクもてぎ」。
なので、早く寝なくちゃ(って、全然午前3時)。

ということで、先人の言うところの「病は気から」は、
本当の話です(笑)。
「健康体」という言葉は、僕をして「健康体」にさせてくれました。
でもね、「健康体」と「健康な行動」とは別だったりして(笑)。

来週も、盛りだくさんです。
ここまで付き合ってくれた読者の方々ありがとう。

<今週のお知らせ>
このところ、「2ch」で、僕を気取った人の発言を耳にします。
僕に近しい人までが、僕本人の発言だと思うほど、
リアリティーがあるそうです。
断っておきますが、僕は2001年9月28日に、
たった一度だけ、書き込みをしましたが、
それ以前にも、その後にも、書き込みどころか、
見に行ったこともありません。
あしからず。


板倉 雄一郎
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