板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

企業価値評価・経済・金融の仕組み・株式投資を分かりやすく解説。理解を促進するためのDVDや書籍も取り扱う板倉雄一郎事務所Webサイト

feed  RSS   feed  Atom
ホーム >  エッセイ >  懲りないくん  > 「懲りないくん」2002年5月11日号(65)

「懲りないくん」2002年5月11日号(65)

GW、実家引きこもりで週。

5月3日(金曜日)

18:00
日経BP社柳瀬博一氏との「単行本カンズメ」も
一段落し、
原宿~(山手線)~品川~(総武快速)~船橋と、
慣れない電車移動で実家へ。

で、GW中は原稿に集中しようというわけだが、
最近はまっているP2Pに時間を奪われることに。
P2Pといっても結局のところ音楽ファイルを
探してはダウンロードするという、
いわゆる著作権法違反になるのだが、
実はこれ、次なるネットビジネスの
可能性を探るのが目的。
P2P通信を基本にしたビジネスモデルは、
特許出願を含め、しばらく熟成を続けているが、
やはり「ユーザ」という立場が足りなかったと反省し、
違法と知りながらも、システムと利便性のチェック。
きっと、10年後には、「クライアント=サーバー型」の
ネットワークは事実上消滅し、ほぼこの「ピア=ピア」に
移行するでしょう。
WEB構築のためのホスティングサービスは、
ネット上のデータ倉庫サービスに取って代わるし、
個人のWEBは、HTMLをはじめとするファイルを、
個人のハードディスクなりのメディア上で
公開する方法に変化し、
コンピュータ資源の共同利用も本格化し、
そして、そこには経済価値の移動も実現することに
なるでしょう。

つまり、今までのネット文化過渡期では、
既存ビジネスの合理化のために、
ビジネスモデルはそのままに、
情報流通とサービスを
ネットに置き換える手法が主力であった。
たとえば、
銀行取引をケータイやWEBで実現するといった、
やってる側は「まったく新しい、21世紀型ビジネス」
とかなんとか、勘違いなことを言っているわけだが、
おかげで、ネットを前提にした概念のビジネスモデルは、
あまり多くが生み出されていない。
でもだから、そこが最大のチャンス。

なんだけどね、
僕が考える、未来のシステム、ネットワーク、
技術の方向性、マーケティングの方法、などは、
この20年、ことごとく「正解」だったのだが、
ちょいと、いつも早すぎるので、
これからは、自らはやらずに、
特許出願と、ベンチャー投資だけにするのです。
自分でやると、つい調子に乗って、
また、数年も早くやってしまったりするものだから。

そういえば、僕が1年以上前に出願した特許を、
大手検索エンジンサービスが現在、
派手に使っているのを、発見した。
この特許、申請後に、この会社にプレゼンに行ったのよ。
その後、先方からは何の連絡もないのに、
(僕が見た限りでは)そのまま使ってる。
偶然だったらいいけれど、権利侵害を承知の特許侵害は、
その賠償額も数倍になると知っているのだろうか?
知らないだろうな、一担当者は。
この辺、やっぱ(良くない意味で)アジアだな。
僕は、特許関係の事となると、
米での特許訴訟と勝利を経験しているので、
何月何日何時、どこで誰に会って、
どんな資料を渡し、どんな話をしたのかを
すべて詳細に記録しています。
まっ、いいけど~僕の収入が増えるだけだから。
訴訟が楽しみ。

適当に原稿を修正したり、加筆したりで夜が更ける。

5月4日(土曜日)

T嬢が友人の結婚式参加のため海外。
ということで、羽、いや、足を伸ばし、
久々に犬の散歩5Km.
雄太君の足も完治し、僕も大変うれしい。
自分で集めた情報に基づき、
自分で意思決定をした結果が、吉と出る。
こんな嬉しい事は、他にない。
やはり僕は、生活の隅々まで起業家なのだ。

原稿~を書くのだが、
あまりにも時間がありすぎると、
これが全然進まない。
一章書いては、ビールを飲み、
また一章書いては、買い物に行き、
さらに一章書いては、食っちゃ寝をする。
そういえば、小学生の頃、
夏休みの宿題は、かならず最終日にやってたな。
自分で言うのもなんだが、
僕は、あらゆる仕事、作業が速い。
すると、多くを処理できそうなものだが、
実際には、アイドリングが増えるだけなのね。

太陽と風を肴に、昼ビール!
これってやめられません。

仕方なく原稿。

5月5日(日曜日)

僕の弟君が、彼女との同棲を止め、
実家に戻ってきた。
そして、僕は、結婚して実家の時間が減る。
なぜか当家は、タイミングがうまく合っている。
思い起こせば、1997年11月。
僕は会社を倒産させ、実家に帰った。
その1ヵ月後、弟君は彼女と同棲するために、
東京に引っ越した。
それから早5年。
打ち合わせどころか、情報共有もなかったのに、
また、バトンタッチというわけだ。

この5年間、いろいろあったけど、その辺は、
メルマガ、GMOシリコンバレーエクスプレスの
来週からの連載「社長失格の幸福論」にて詳細に。
この連載は、文体を「クラシカル」にしてみましたよ。

5月6日(月曜日)

終日、原稿と昼ビール。
僕の結婚情報を入手した友人知人から、
「おめでとう」コール、メール。

披露宴にご招待するのは、自意識過剰か?
それとも、呼ばないことが失礼にあたるのか?
こんなこと考えなければならない距離の関係は、
非常に難しい。

他人の会社のパーティーに呼ばれることがある。
そんな時、代表者が自らの思い入れなんかを、
長々と感傷的に話されると、僕はうんざりする。
それも、小学生の作文のような文章を聞かされたら、
隣の知り合いに小声で
「So What?」って言いたくなる。
さらに、具体的なビジネスの発見がなければ、
取り返しのつかない時間ロスを招いた自分の決定
(ビジネスパーティーに出るという選択)に
いらだったりもする。

だから、自分の結婚式、披露宴も
本当は小さくやりたかった。
でも、
そうは行かないところが結婚だったりするんだな。
僕の中での結婚と、社会の結婚認識のギャップは、
僕が珍しく合わせようと思うのだ。
その理由は、結婚制度そのものが
社会によって決められたことだから。

話は、幸福論に変わるのだが・・・
僕は、僕自身を自虐的に考察するとこうなる。
「社会に迎合しないことによって生まれる先見性」を
持っているのだが、それが自らを追い詰める。
それを周囲が認知していても、
新しい概念や発想は、
常にその時点では周囲に受け入れられない。
だから、自分の思想領域を広げようと思うのだが、
そのためにはしばらくの間、
社会に迎合しなければならない。
で、行き詰まる。
しかし、失敗と試行錯誤を続けた結果、
今のようなビジネスのスタイルが出来上がった。
つまり、投資家、作家、講演やメディアでの活動と
現在の活動すべては、
「良かったら、買ってください、読んでください、
 聞いてください、使ってください」というスタイル。
いつも書いていることだが、
「価値を感じる人が、その分の対価を払ってください」
というニュートラル姿勢なのだ。
そして、この姿勢は僕をハッピーにさせる。
その姿勢をキープするために、
欲しいものが先にある生き方は止めにした。
自分の価値を経済価値に変換した結果に満足し、
その範囲で人生を楽しむ。
売れるときもあるが、売れないときもある。
それについて「もがく」ことはしない。
これって、僕の幸福論。

って、こんなことをアルコールが生み出す
ダウン系の心地よさに包まれながら考える。
おかげで、原稿は全然進まない。

5月7日(火曜日)

13:00
久々のホテル日航東京は「スパ然」

16:00
「板倉雄一郎のラブコン」収録のため文化放送。
今回の収録は、「現役レースクイーン3人組」。
オオイェイ!(懐かしい言葉です)
やっぱ、ええねえ。

19:00
で、調子こいて、収録後の打ち上げは、
南青山「ChaCha」。

あのね、僕、結婚してもしっかり
パーティー&合コン活動しますよ。
お持ち帰りはしないけどさ。

なんつーか「結婚したから~しない」なんてのは、
結局結婚生活が続かないような気がするわけね。

22:00
帰国したT嬢と早速「映画鑑賞」。

5月8日(水曜日)

12:00
GMO社定例ランチミーティングのため、
渋谷はセルリアンタワー内、陳さんの中華。
「社長失格の幸福論」の10回分の原稿チェック。

15:00
プロジェクトMの打ち合わせのため、
ホテル日航東京、ブライダルサロン。
具体化するごとに、恥ずかしさ倍増。

17:00
同ホテル「スパ然」

20:00
僕の恩師(といっても、年下の女性なのだが)
玉置真理女史、そして彼女のオフィスで勤務中の
僕の弟君と食事のため、T嬢を連れ、
渋谷は、
激安(?とまではいかないが)お寿司「壽楽」。
最近、食事といえば、結婚のご報告会が多いのね。
これはこれで、楽しいけどね。
まあつまり、「結婚ごっこ」な楽しさであって、
実際の結婚生活の
何かが左右されるわけではないのだろうけれど、
イベントとしての楽しさはあるよね。

23:00
自宅に戻って「映画鑑賞」
僕って、毎日「映画鑑賞」できる体質なんだよね。
我ながら、毎朝、昨晩を思い出して
驚くんだけどさ。

でもさぁ、最近全然映画観てないよぉー。

5月9日(木曜日)

15:00
とある南フランスの
ワインドメーヌとの提携プロジェクトミーティング。
つまり、ワインの生産とブランディングをやるわけ。
完成したらご報告します。

18:00
知人のビジネスパーティーに出席のため、
恵比寿は「ロビンズ・クラブ」。
とりあえず、顔を出し、早めに引き上げ、
慣れない電車で実家の船橋へ。
これで電車も最後~明日から免許復活!

5月10日(金曜日)

08:00
晴れの免停解除!
ということで、母上の車に送っていただき、
船橋警察署。
ちょっとした事務手続きで、免許が戻った。

が、週間天気予報を見ると、しばらく雨。
がっくぅ~ん。へこむ。

09:00
雄太君の術後の経過診断のため、
ちゃんと自分で運転して「かつまペットクリニック」。
しっかり、パーフェクトな健康状態。
よかった。

12:00
しばらくぶりの車の運転で、原宿の自宅へ。
と、いきなり渋滞で居眠りしそうになった僕は、
免停講習の効果など、まったくない模様。

17:00
最近多いのだけれど、
外資系ヘッドハンティング企業の面接。
僕、雇われるつもり、まったくないのだけれど、
話は聞きたくなるからね。

そうそう、外資ファンドによる、
日本企業の買収と再構築~流行だよ。
10年後には、
日本に所在する企業は、依然あるだろうけど、
日本の所有になる企業は、なくなるだろうな。

持ち上げられ、へこまされ、
底値で持っていかれる日本人の愚かさは、
いつになっても直らない。
だって、経済の基本すら
知らない人たちばかりだからね。

日本人が汗水流して作った、
電子機器や車によって稼いだお金を、
たとえば、フランスはブランドというマジック、
たとえば、米国はマネーゲームというマジックで、
持って行くわけね。

早く気がついて欲しいな、国民の皆さん。

20:00
T嬢所属某芸能プロダクション女性社長と会食。
なんでも、T嬢がこの社長に話したところ、
「おめでとう、でもそれ結婚詐欺じゃないよね」と、
とんでもない疑惑をかけられ面接状態。

もちろん先方の疑惑も晴れるが、
僕の疑惑(つまり、芸能事務所系列による、
業界の違った人たちとT嬢の関係)も晴れる。

で、いつもの「映画鑑賞」。

ということで、そろそろノロケは少なめにってね。
それでは、また来週。

板倉 雄一郎
Copyright c 2001-2002 Yuichiro ITAKURA
All rights reserved.





エッセイカテゴリ

懲りないくんインデックス