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「懲りないくん」2002年1月25日号(51)

また、懲りずに風邪引いたで週。
なので、今週は、TV鑑賞のみです。
ごめんなさい。

1月18日(金曜日)

10時、ホテル日航東京「スパ然」。
最近、マツモトキヨシで仕入れた
「アミノバイタル」というアミノ酸補助食品を
運動前に飲む。
言われているように、それまで以上に泳げる。
これは良いぞ。

12時、調子の悪いブレーキ修理のため、
高輪はBMW Tokyo。
地方出張が羽田からの場合、
羽田の高額駐車料金を払わなくて良いから、
車の調子が適度に悪いのは好都合。
車を預けたら、そのまま「泉岳寺」~「羽田」。

14時、
高知は「夜須町商工会青年部」での講演のため
NH565にて空路高知空港。

今日のお題目は「失敗からの復活」。
僕としては「復活」どころか、
復活に向けての準備期間なのだが、
とりあえず倒産からの経緯などの話。
話の最後は「所有とは社会共同幻想」という
倒産によってあらゆる経済価値を失った僕の
取って置きのお話で締めくくり。

基本的な社会活動をしているだけで、
復活と見られること自体、
この国での敗者復活の難しさを物語る。
経験に勝る学習など他にないというのに、
もったいないことです。

19時、懇親会。
高知の人は、大酒飲み。
僕も弱いほうではないが、さすがについてゆけず。
皆さん良い気分になった頃、
しずかぁ~に、抜け出し部屋にて就寝。
ごめんなさい。

1月19日(土曜日)

10時、高知空港よりNHで復路。

13時、「スパ然」

16時、BMW Tokyoにて車受け取り。
そのまま実家の船橋へ。

っと、この辺で、体調がおかしくなる。
やばい風邪引いた。
喉が弱い僕、移動には「イソジン」を
予め水で薄めたペットボトルを携帯し、
暇があれば、うがいに精を出しているのだが、
ウィルス君に隙を突かれて「鼻」から来た。
「じゅるじゅるじゅぅ~」って感じ。

20時、熱が出始める。
なので、仕方なく今週のデートなど、
数件をキャンセル。
ああもったいない。

「風邪ぐらいで会社を休むな!」などと、
この国独特の精神論優先のしつけがあるが、
「風邪を引いたら出てくるな!」と言いたい。
なぜなら、周囲にウィルスばら撒いて、
結局組織の生産性が下がるからね。
これ、精神論に対して合理性。
でも、僕の場合、会社に行くわけじゃないけどさ。

母上から薬をいただき、さっさと寝る。

1月20日(日曜日)

10時、テレビ鑑賞第一弾は、
「サンデープロジェクト」

「ダイエー」の再建策。
再建策・・・・ねぇ?
要するに、大部分の借金を
無かったことにしてもらって、
一部資本として組み込むという、
巷では再建策と呼ぶらしいが、
僕的には「倒産」

僕も言ってみりゃよかったな、
「無かったことにしてくださぁ~い」って。
でも、僕が言ったら殴られたんだろうな、
「フェラーリ」乗って、
白金の一軒家に住んでいたから(笑)

いっそのこと、金融機関の不良債権処理として、
融資している金額全部を、
融資先の資本にしたらどうだい?
企業はぜぇ~んぶ
金融機関の所有するところになって、
万事うまく行くってば。(んなわけないな)

土曜日の「ブロードキャスター」でも、
この話題が出て、
ジョージフィールズ氏が、その原因を
「シェアー(市場占有率)を
追いかけた結果の失敗であり、
本来は、個々の顧客に合わせた商品が必要で・・・」
(以上は要約です)
などと言っていたが、
それでは「イトーヨーカドー」との対比を
説明できない。

シェアーは企業の大きな力であることは、
議論の余地がない。
「イトーヨーカドー」が、少なくとも
「ダイエー」と比べて優良企業で居られるのは、
シェアーへのこだわりではなく、
それを求める方法に違いがあったからなのだ。

すなわち、
「所有」を追ったか、追わなかったか。

東京タワーのふもとにある
「イトーヨーカドー」の本社ビルも、
各地のデパートも、セブンイレブンも、
大部分は「イトーヨーカドー」の
所有するところではないのです。
彼らが社会に提供する「商品」は、
「流通のシステム」であって、店舗ではない。
一方「ダイエー」は所有大好き企業。
土地や建物ばかりではなく、
「流通革命」と称して、問屋もはじき出し、
面倒な問屋業務も自らやるという始末。
つまり、問屋業務まで所有したのね。

「所有とは社会共同幻想」などと
メンドクサイ言い回しより、
「所有はリスクそのものだ」と
言ったほうが良いかな。

どーして、メジャー番組のキャスターが、
こんな簡単なこと、わからないのでしょ~か?
いや、違うな、
メジャー番組に出ているからといって
常にまともな発言をするという思い込みが
間違っているのだな。
でも、僕はフィールズ氏好きです。

昼から寝る。

18時、中目黒は激安イタリアン
「タントタベタリーナ」のオーナーの
ご子息から紹介された
ラーメン屋「一丁」(船橋)を試すべく、
風邪引きなのに、2匹の犬を連れ、
5Kmの散歩。

「うまい」
「チャーシュー」がスープに溶け込む味わい。
でも、麺が僕好みじゃないのね。

21時、TV鑑賞第二段は「知ってるつもり」。
今回は(故)中田正一氏の物語。

僕は、人を見て、「すごい」と
腹の底から感じることはめったに無い。
しかし、彼の生涯は、僕をして、
「すごい」と思わせるのに十分だった。

以前なら、成功した企業家を見て、
悔しさや憧れを感じ、
自分もそうなろうと、
つまり「経済価値の実現」を追い求めていたが、
経済価値をいくら実現しても、
そこには、所有と消費があるだけで、
腹の底からの満足や快楽は存在しない。
言い方を変えれば、
僕は経済価値の実現を追い求めていたと、
自分自身が錯覚していたが、倒産後、
それが僕の求めるところではないことに
気が付いたのだ。

経済価値の実現より「理念」の達成。
そこには、
腹の底から満足できる快楽があるように思う。
たとえ、企業家であっても。

そういえば、
(現)「ドリームテクノロジー」代表取締役、
(元)「ソフマップ」代表取締役の鈴木慶氏の
「夢」の話を思い出す。
彼曰く、
「僕は、大きな資産を作ったら、
『知ってるつもり』の
100年分のスポンサー料にするんだ」

それを彼が実現できるかどうかわからないが、
「夢」や「理念」が現実を動かすことは
間違いないのだ。
僕も「知ってるつもり」大好き。

1月21日(月曜日)~22日(火曜日)

この期間、実家の船橋にて、
風邪治療のため、トピックなし。
原稿書くぐらい。

1月23日(水曜日)

15時、日経BP社柳瀬博一氏と、
今春発売予定の単行本の打ち合わせ。

のはずが、なぜか結論は、
「金と女は天下の回り物」。
女性差別の話ではありません。
要するに「所有」に対する否定意見なのです。
あしからず。

18時、「ひょうご倶楽部」での講演のため、
永代通りは「三井住友銀行ビル」。
こんなビルに入ること自体、複雑な気分。
おまけにお題目は、
「僕が会社をつぶした理由」という
僕の著書「社長失格」の副題そのもの。
さらなるおまけは、聴衆のほとんどが
「○×△株式会社 代表取締役」とか
大手企業のお偉いさん。

でもね、話が始まれば、
たとえ合衆国大統領が聞いていようが、
経営学博士が聞いていようが、
僕にしかできない話を、不敵にやるのよ。
僕自身が楽しむためにね。
プレゼンテーションのでき不出来は、
やってる人間が楽しんでいるかどうかに
依存するのです。

23時、具合悪いので船橋に引き返し
TV鑑賞第三弾は「ニュースステーション」

やってくれるぜ「雪印乳業」
日本企業の従業員に対する
「暗黙の信頼」が、なせる業。

リスクは、身近に潜んでいる。
そんな意識が大切ね。

と言うことで、「動き」が無くて、
ごめんなさい。
来週は、ちゃんと動き回ります。
です。
はい。

板倉 雄一郎
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