板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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「懲りないくん」2001年8月12日号(28)

8月5日(日曜日)

夏のレジャーだよ!号。

13時、
「大前研一のビジネスブレークスルー」というCS局の
夏休み特別番組へ出演のため、千代田区六番町は、
「Ohmae@Work」ビル。

こじんまりとしたスタジオと、
CS局とはいえ機械オタクの心を奪う放送設備は、
2年経った今も変わらず。
その光景は、僕に当時を思い起こさせる。

98年から99年にかけて、僕はこの局で3つの番組の
レギュラーコメンテーターを勤めていた。
当時はハイパーネット倒産直後で、仕事もなく、
お金もなく、彼女もなく(今でも彼女と言うのは居ないが)、
元気もなかった時だから、
当時同局の取締役を勤めていた友人、金野索一氏からの
番組レギュラーの仕事は、
その後の社会復帰活動のきっかけとして、大いに役に立った。

「社長失格」の発売後は、講演、コンサルティング、執筆など、
多様の仕事を頂き、現在に至るのだが、
たった一つの仕事しかなかったあの頃は、
当然パーティーも、お食事会も、合コンも無く、
ゆったり過ごしていて、それはそれで、幸せだった。

それでも、同局の番組アシスタントの女性たちと、
交流(?)を深めていくうちに、
僕の中では、社会活動に対するエネルギーが復活し、
「よっしゃ、もう一度、やったるでぇ~」となったわけである。

そういえば「懲りないくん」18号で紹介した、
「小松ヒーリングサンクチュアリー」でも、
僕は、多くの女性と付き合い、
彼女たちの霊的エネルギーによって
自身の運気を高め、幸せを掴むと言われたのを思い出す。
付き合う女性に運気を支配されていると言うことだろうか。

今日の番組は、パネルディスカッションと言う事で、
司会は、一橋大学の助教授の楠木 建氏。
パネル陣は、
カフェグローブドットコムの矢野貴久子女史。
元橋本内閣秘書官でテレビのコメンテーターでおなじみの、
江田けんじ氏。
そして、僕。

お題目は「今、あなたの生き方を見直そう」ということ。
ちなみに、江田氏は、橋本内閣解散と同時に官僚を辞め、
一年間ハワイにて、執筆活動に勤しんだという過去を持つ。
僕は、彼のように積極的な「暇設定」ではなかったが、
結果として、同じような過去がある
会社の倒産後、実家に身を寄せ、「社長失格」の原稿を
書き上げたのだ。

人生の折り返し地点前後にて、それまでの自分を振り返り、
自分の過去や社会について、ゆっくり、じっくり時間をかけて、
義務感無しに考える時間は、
その後の人生に大きな良き影響を与えるのではないだろうか?
「走りながら考える」ということも必要だろう。
しかしそれは、ちょっとした軌道修正の場合であって、
根本から自分を見つめ直すためには、多くの時間が必要だ。
「時間が何かを解決する」とは、全く思って居ないが、
「時間が何かを気がつかせる」ことは、大いにありえる。

現在の日本人の平均寿命はおよそ70年。
だから、1年ぐらい、目的の無い時間を過ごして見るのも、
その後の人生の「濃さ」のためには良いことだろう。

「そんなの、できるわけねぇ~だろ!」という声が
聞こえてきそうだが、できないのは、
「できるわけない」と思っているからに過ぎない。

このところ、倒産後のストーリーを題材に執筆しているせいか、
倒産後を回顧する機会が多い。
僕は、この本を書き上げる事によって、
倒産からの一つの卒業を果たしたいのかもしれない。
本当の卒業は、法的返済義務の無くなった、
全ての過去の債務を返済した時ではあるが。

8月6日(月曜日)

昼夜逆転が、どうにもうまく行かず、
その逃げ場を「避暑」とした僕は、朝から原稿。

19時、プロジェクトSS(もうちょっと公表待ってください)の
首謀者である電通NB氏主催のお食事会のため、
西麻布は、元中国大使館をレストランに改装した
「カサ・デル・ハポン」。
青山は「ハウス・オブ・1999」と同様、
古い洋風建築屋敷のこの店には、
テーブルが並ぶ1階のレストランと、
いくつかの個室が利用できる2階がある。
今日は、2階の10人程度がソファーにて、
お食事や談話を楽しめる個室。

男性陣はいつもの夜遊びメンバー数名、
そして、女性陣は、過去の「ワンギャル」数名。
当時の「ワンダフル」は、世間を騒がせる事件があったが、
どうやら事件には関係の無い女性たち。

楽しいひと時を過ごした後、
某有名企業の来年度イメージガールに抜擢された、
MR嬢を「お行儀よく」自宅へ送る。

どうも、最近、お目当ての女性をクロージングする
意欲が減退している。
夏の暑さのせいか、それとも、歳のせいなのか?

8月7日(火曜日)

朝から原稿、ビジネスミーティング。

8月8日(水曜日)

プロジェクトSSの関係で、電通NB氏他2名と共に、
渋谷はセルリアンタワーにオフィスを構えるGMO。
熊谷正寿社長に、電通より直接プレゼン。
結果は、GO!

18時、伸びた髪を切るために、代官山は「リッツ」。
今回は、夏と言う事もあり、かなり短く行ってみましたぁ~。
でも、ちょっときりすぎで、顔がおデブな印象。

8月9日(木曜日)

19時、またも電通NB氏主催のお食事会のため、
代官山はオープンしたてのカリフォルニア料理店
「カーディナス・オーシャン・クラブ」。
歩道から階段を上り、2階のエントランスに入ると、
そこは両サイド赤いカーテンに覆われた、怪しい雰囲気。
エントランスを抜ければ、ブルーのカーテンに囲まれた
普通のテーブルが並ぶレストラン。
そして、その奥には、いくつかの個室。
この個室もまた、赤いカーテンに囲まれ、
上品な家具が置かれた、まさにプライベート空間。
お食事会には、最適とみたり。

今回の女性陣は、サントリーキャンペーンコンパニオン数名。
楽しい時間を過ごすが、前記の通り、オスになりきれない。
お相手の女性に不満があるわけでも、
体調が特に悪いわけでもないのだが・・・。

8月10日(金曜日)

広島のボークンK氏の
「花火なんかいつでも見れるジャン!」という
ゴーインな誘いによって、
せっかく手に入れたホテル日航東京花火鑑賞を
EM嬢とそのお友達に譲り、広島豪遊計画に参加のため、
13時、羽田よりJL173にて、広島空港。

18時、広島県は福山市に程近い瀬戸内海に面した
山の頂上にあるK氏のホテルにて、宴の開始。

集まったのは、小松ヒーリングの小松先生を初めとする東京組み、
それに、地元の経営者など、20歳~40歳までの男女40名。
カラオケ、ダンスと永遠深夜まで、酒びたり。
ここに書くほど、記憶が定かでないのでごめんなさい。

8月11日(土曜日)

10時、晴天、雲無し、気温高し。
昨日の酒が残ったまま、総勢50名に増えた参加者は、
4艇の20フィートから40フィートのクルーザーと
750ccのジェットスキーに乗り込み、
瀬戸内海の中央に位置する島へ向け出発!

僕が操るのはTOYOTA製「PONAM28」という、
4気筒ディーゼルエンジンを2機備えた28フィートクルーザー。
(もちろんライセンス持ってます)

ハーバーを出たら、アッパーデッキからスロットルをフルに開け、
ベタナギの瀬戸内海をぶっ飛ばす。
頬を切る風は、生ぬるいが、それでも速度を上げるに連れ、
ロワーデッキの女性陣が「きもちいぃ~」と叫ぶその声に、
僕も気持ちよくなる。

この船の速度が、速い事を良い事に、
ビール片手(違法ではありません)に縦横無尽に走りぬけ、
後続の遅くてデカイクルーザーに回り込んでは、
その引き波を、わざと利用して、揺れを楽しむ。
クルーザーが波を切ってバンプする姿は、
傍から見れば優雅そのものだが、
乗ってる方は、「どっかん」「ばったん」と
優雅さとはかけ離れた乗り心地なのです。
されど、それがまた楽しいと思う僕は、
海でも、中年暴走族だわい。

船上にはビキニ姿のお嬢様達、
周囲には、瀬戸内の小さな島々と平走する仲間のクルーザー。
それに、人の周りをはしゃいで回る犬のように走るジェットスキー。
空からは、額を容赦なく照りつける太陽。

夏だ、海だ、きもちいい!(これ以上の表現できません)

花火がいつでも見れるとは思わないが、
東京湾のイベントをドタキャンしての参加というトレードオフも、
これならOK!
むしろゴーインに誘ってくれたK氏に感謝だ。

昼、4艇を海上にて止め、地元漁師の漁船から、
新鮮な魚介類のサービス。

うまい!(これまた、これ以上の表現できません)

素材も鮮度も良いのだが、そうでなくても、
極端な話し「ビックマック」でも美味しいだろう。
夏はやっぱりアウトドアだよね。

昼食後、僕はジェットスキーにまたがり、
次々に参加女性をリアシートに乗せ、
全身潮まみれになりながら、
遠くまでぶっ飛ばしては「お行儀悪く」なり、
また、皆の所に「お行儀よく」戻るを繰り返す。
おかげで「このイタリアヤロー」とか言われる始末。
それって、僕にとっては誉め言葉以外の
何者でもありません。

昼食後、「アンカー」(イカリ)をあげるのを忘れて出船した船が、
アンカーをペラに絡ませるというアクシデントが発生!
この船のオーナーでもあるK氏曰く、
「そんなの、切っちまえばいいじゃん!」と言うではないか。
なんと太っ腹な、エエ男!
さすが、幼少の頃から帝王学を仕込まれた御曹司だけある。
セコイ僕が、オーナーなら、きっと心の中で、
「あららぁ~、ペラは大丈夫かなぁ~、保険利くかなぁ」
なぁ~んて考えながら、外ズラでは、
「いいよ、いいよ、大丈夫。」とか言うところだろうな。
K氏を見習おう。

ほとんど全員の男子がゴーグルをつけ、船底に潜り、
絡まった鎖のアンカーケーブルを外しにかかる。
一艇を預かる僕は、その場を眺めることしかできなかったが、
周囲より、その光景を見る女性陣から、
「海の男だねぇ~」という言葉を聞き、
活躍できない事を残念に思う。
小学生の頃、放課後の校庭でドッチボールをして、
ギャラリーの女の子にいいところを見せようとしていた自分を
振り返るようだ。
幾つになっても(この言葉最近多いが)、目立ちたがりやで
女性好きな僕は、変わらないようだ。

アクシデントは旅行にツキモノ。
いや、旅行にアクシデントはツキモノ。
と言うより、アクシデントが旅行を盛り上げるのだな。
海外旅行でパスポート無くしたら、
きっと心に残る思い出が作れると思うよ。

夕方、ハーバーに戻ると、全員の顔は、まっかっか。
そのまま、ハーバーにて、またも打ち上げ飲み会。
こうなれば、東京でのお食事会と大差ない・・・・はず。
筈なのだが、どうにも、お相手が見つからない。
お目当ての女性を夜のハーバーに連れ出し、
満天の夜空を眺めるも、
他にターゲットの男性が居るという話ばかり。
う~ん、東京のお食事会とは、ちと勝手が違うのね。
多分、僕の中の「アウェーだから何でもあり」的な
いいかげんさと、気の緩みが原因。
いつでも、どこでも、周囲に対して気を抜いちゃいかんのだ。

しばらく、減退していたオスが、この旅で目覚めたようだ。
どうやら、このところの減退は、マンネリ化して、
煮え切らない自分の生活が原因ではないか?
という、とりあえずの結論を見出す。

と言う事で、オスの減退から、少し復帰の今週の特徴は、
「乗り物」に一杯乗りました。
自分の車、電車、ボーイング777、リムジンタクシー、
ニューソアラ(K氏の新車)、クルーザー、ジェットスキー、
文明の利器を楽しむ週でした。

来週からは、いよいよ夏休み兼原稿書きのため、
バカンスだよん。

「おまえはいつでもバカンスだろ!」とか聞こえます。

板倉 雄一郎
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