どうやらこのところの相場は、「資産株」が旬なようです。
資産株とは、簿価に記載された資産に比べ、その資産の「時価」が相当に高く、よって、「時価」で計った資産価値と、企業時価(=時価総額+有利子負債)に大きな開きがある場合に「裁定による利益」を狙えるとわけですね。
しかぁ?し、DeepKISS第一号「ダブルカウント」をよーく読んでみてください。
何も、保有資産の価値を一切評価するべきではないと主張しているわけではないのです。
現在の事業を継続する前提である場合には、その事業用資産が、簿価に対して相当に高かろうが安かろうが、事業用資産は、その資産が生み出す「事業価値(=その事業が将来生み出すであろうキャッシュフローの割引現在価値)」に変換されて企業価値の一部になっていることを忘れてはならないということです。
本当に「事業価値」に加えてカウントすべき資産なのか?
については、当該企業の有価証券報告書をしつこく読み、その上で判断すべきことです。
ちなみに、僕個人的には、「資産株」を狙った裁定より、「製造業」による「事業価値」に強く興味があります。
なぜなら、なんだかんだ言ったところで、この国は「製造業」が支えているわけですし、この国の製造業は、世界のあらゆる産業の根底を「事実」支えているわけですから。
2005年11月1日 板倉雄一郎