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Deep KISS 第16号「帝国石油と国際石油開発合併」

表題の通りのニュースが、日本経済新聞の一面に載っていました。
キャァ!(←僕は、どちらも「ほんのちょっとだけ」保有しています。)

最近、過去に自分が書いたエッセイが、僕の手間を省いてくれます。

参考エッセイ:SMU第68号「裁定取引」

大切なことは、裁定より、両社の合併によって、
1、資本効率がアップするのか、ダウンするのか?
2、そもそも現時点での株価は、両社の価値に対して割高なのか割安なのか?
ということです。

参考資料はこちら

おそらく月曜日は、(一株辺りの)合併比率(国際石油開発株1に対し、帝国石油0.00144)への「サヤ寄せ=広義での裁定」が働きますが、裁定そのもので儲けようと思っても、多くの市場参加者が同じように考えていますから、あまり儲かりません(笑)
それより、「合併後の価値」を現在の両社の価値と比較することです。

仮に、合併前のA社の企業価値が100、B社の企業価値が20だった場合・・・
合併後の新会社の企業価値が、100になるようなら、関わらないようにしましょう。
合併後の新会社の企業価値が、120になるようなら、現時点での両社の株価が割安なのか、割高なのかを考えましょう。
合併後の新会社の企業価値が、120より大きくなるようで、かつ現時点での株価がフェアバリュー以下であれば、喜んで買いましょう。
ってことです。

しつこいようですが、裁定狙いなら、上記のどのパターンでも、合併比率と株価を比較し、「高いほうを売り、安い方を買い・・・裁定が働くことによって合併比率に株価が近づいたところで・・・反対売買による決済」を行えば、儲かるでしょう。
ケレド、市場参加者が、みな同じようなことを考えるので、「注文が約定した頃には、裁定余地は無し」ってことになるわけです。

ちなみに、1:0.00144 の合併比率は、「一株あたりの合併比率=つまり株価の比率」であって、企業と企業の合併比率ではありません。
11月4日(金曜日)の終値で比較した場合・・・
国際石油開発の時価総額・・・およそ1兆5700億円、
帝国石油の時価総額・・・およそ3600億円。
そして、両社の株価の差は、「ほぼ」1:0.00144のあたりなので、企業と企業の合併比率は、時価総額の比率から算出可能で・・・
帝国石油の株主価値=1とした場合、それに対して、
国際石油開発の株主価値=4.3程度の合併ということになります。

2005年11月5日 板倉雄一郎

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