板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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Deep KISS 第38号「投資の醍醐味」

日本海周辺の豪雪による被害が問題になっています。
現地の方々のご苦労は、其の他地域の方に比較して良くわかります。
何せ、僕の母は、新潟県「十日町」の出身で、彼女の実家は、「2階にも玄関がある」のですから。
小さい頃、何度かその家を訪問しました。

大変なご苦労だと思いますが、彼らは、さすが雪国暮らしの人たち。
豪雪、自然に頭にきても仕方が無いことを、体で良く知っています。
頭にきても、それをぶつける先が無いわけですから。
(多くのコストが人件費という「固定費」で占められている自衛隊を、全力で派遣すべきと僕は思います。雪に対する訓練がされていないとか、全く馬鹿げた議論がありますが、それじゃ、「いざという時」、「国防」を迫られた時、雪が積もっていたら自衛隊は行動できないわけ?????馬鹿すぎ。)

「今」起こる自然現象は、無条件に受け入れるしかないわけです。
しかし!
将来のことであれば、それがたとえ自然現象であったとしても、それを変えることが出来る力を人間は、持っていると思うのです。
なぜなら、地球環境を、我々にとって相応しくない状態にしてしまったのは、他ならぬ人間ですから。

投資活動を通じて得られる変化とは、すなわち「将来に目を向けられるようになる」ということです。
投資活動とは、すなわち・・・
「現在の価格と将来のキャッシュフローの交換」
であることに気が付きます。
投資活動を通じて、
「将来に目を向ける癖」が得られます。
投資の醍醐味とは、
単なる資産増加だけではなく、
「未来に興味を持ち、未来を考えることの楽しさ」なのです。

価格変動にのみ没頭する短期トレーダーであったとしても、
価値変動に興味を示すバリュー投資であったとしても、
いずれにしても、未来がすべての答えを握っています。
過去は参考にはなります。
しかし、過去を延長すれば未来が見えるわけではありません。

未来を決定する力を、我々はある程度持っているわけです。
未来の予測の難しさは、未来の構築に、我々一人ひとりの言動が、必ず影響するからです。
渋滞を作っているのも、自分自身。未来を豊かにするのも、自分自身なのです。

未来に目を向けることが出来れば、今の言動がどのように作用するのかを、副次的に考えることが出来るようになるのです。

2006年1月11日 板倉雄一郎

PS:
昨日は、某女子大学にて、講義を行ってきました。
生徒は、若い女性ばっかり!(←あたりまえです)
正直、苦労した。
「馬鹿の壁」ではありませんが、そもそも「聞きたい!」と思っていない人、で且つ、社会に出ていない人に、「経済の仕組み」を伝えるのは至難の業です。
しかし、さすがボクチン(笑)、賃貸住宅の「引越し」という、彼女たちの身に迫るケースを即興で持ち出し、何とかクリアー。
わいわい騒いでいたバカヤロー学生(←ごめん)も、最後の方は、頷きながら聞いてくれました。
もちろん、わいわい騒いでいることを直接叱ったりはしていません。
彼女たちが、それでも興味を持つように、話し手が考える・・・これ当たり前です。
小学校のインチキ教師に最も欠けている点でしょう。
「懲りないくん」改め「懲りたくん」の僕は、一切デートの約束を取り付けていませんので、あしからず(笑)

PS:
今、巷で話題のMKタクシーで帰ってきました。
彼らのビジネスモデル、経営努力、運転手から聞いただけでも非常に納得です。
経済的教養の低い人から、経済価値を搾取することだけしか考えていない、バカヤロー金融機関とは、180度違った経営哲学を感じました。
経営努力によって、その企業の顧客を含めた、あらゆるステークホルダーに価値を提供する。
すばらしいと思いました。
顧客が、しっかり利用選別をすれば、全うな企業が残ります。
顧客が、「安けりゃなんでもいい」と価格の側面からしか価値を算定できない人ばかりになれば、インチキ企業が残るのです。
ちなみに、MKは、価格も安いのです。その根拠は、経営努力による「実車率の向上」にあります。
どこかの建築会社と違って、「何かをはしょる」結果、安くなっているわけではないのです。
顧客にも、ビジネスモデルを見抜く目が求められます。顧客自身のために。
MK、上場しないかしら(笑)

その運転手との会話の中で、「もしかしたら板倉さんですか?」といわれた。
45歳の彼は、その昔、ISP事業で失敗し、今はリベンジのためにタクシー運転手をしているとのこと。
後2年で「個人タクシー」に乗れるらしく、その後にリベンジ事業を開始するということらしい。
なるほど、合理的な考え方だと思いました。
「社長失格」も読んでいただいたらしく、また、当日のAMラジオで「おりおば」の紹介を聞いたらしく、恐ろしく僕のことを知っている運転手でした。
びっくり。

PS^3:
僕は、東京が嫌い。
その理由がわかった。
東京は、僕にとって刺激が多すぎ。
雑音も、悲鳴も、喜びも、悦楽も、聞こえすぎ。
船橋の自宅に帰ったとき、次の予定までの間時間が止まる。
その瞬間が、僕が一番、いい状態になっているとき。
東京を仕事のステージとは考えているが、僕にとっては住む場所では無いな。





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