板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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Deep KISS 臨時号「ホリエモンに強制捜査」

面白すぎます(笑)

(読者から、このエッセイに関して、「他人の不幸を面白がるな」という批判を受けたので、念のため説明します・・・僕が上記のように「面白い」と表現したのは、以下の本文文章の通り、「朝のニュースと夕方の事件の堀江君の陰陽に、一日の内に出くわした面白さ」のことを指しているわけであって、「強制捜査」を面白いと表現しているわけではありません。
また、そもそも強制捜査は、「ホリエモンにとっての不幸」だとは、思いません。
たとえば、窃盗を働いた人が、捕まることって、その人にとっての「不幸」なのでしょうか?
窃盗であれば、不幸なのは、窃盗された人なのですから、お間違えの無いように。)

今朝、「ホリエモンに成りたい学生が増え、経済学部志望者が増えた」
というニュースを聞き、
「学生はアホやなぁ?、いや、アホだから勉強するわけね」
なんて思っていました。
きっと、経済やファイナンスを学べば、ホリエモンの経営オペレーションそれぞれの「本質的な意味(=早い話、インチキってことです)」が、わかることでしょう。(本とかなぁ・・・大学の経済学部の先生って、本当にわかっているのかなぁ???)

大幅な株式分割による一時的な流通株式数の不足と、そのタイミングで適当なニュースを流すことによる「事実上の株価操作」と、その時の(実態経済価値より非常に高い)株価を利用した株式交換による企業買収を続け、株式分割が限界に達したら、今度は、自社の株主を食い物にするMSCB(=(米)Death Spiral Convertible)による資金調達を、平気で実施する。
そして今度は、グループ内の証券会社で、他の会社のMSCBを引き受けようとする・・・
あきれ果てます。
(MSCBの発行そのものは違法ではありませんが、明らかに既存株主を毀損する最悪オペレーションです。)

と、そんなことを思っていたら、ホットなニュースが飛び込んできました。
詳細は知りませんし、詳しく調べようとも思いません。
しかし、「ツケは必ず払わされる」のが世の習いです。
自分の振る舞いは、回りまわって、自分に帰ってくるのが、世の習いです。
「バチが当たる」などと迷信めいたことを言っているのではありません。
経済の仕組みとして、そうなっているのです。

その後のニュースを楽しみにしています。
「違法じゃないからOKでしょ」ってのが、
「唯一の自己正当化根拠」だったのにねぇ・・・
(適法だったらなんでもありって考え方は、極めて下品な人間性です。)
あくまで、証券取引法違反「容疑」の段階ではありますけど。

「風説の流布」なんて、「入り口」に過ぎないと、僕は個人的に思います。

これも堀江君にとって「想定内」なのでしょうか?(笑)

今後、ライブドアに限らず、いろんな企業や監査法人が、パクられるでしょう。
公表資料を見るだけで、「明らかな粉飾」をしている上場企業、いくつか見当たりますから。
そんなことを通じて、日本の投資家も賢くなっていくのでしょう。

今回の件に関係ありそうなエッセイ:
KISS第28号「株式分割と株式交換」
およびその頃のライブドア=フジ騒動に関するエッセイが参考になるはずです。

2006年1月16日 板倉雄一郎

PS:
本題とは関係ありませんが、「おりおば」が本日4刷になりました!
発売から一ヶ月で、4刷・・・こんな経験は「社長失格」以来です。
(↑ つまり他の本が売れなかったってことですが(笑)・・・でも、「社長失格の幸福論」は、僕自身が最も気に入っている本なのです・・・是非読んでみてくださいね。)
読者の皆様、感謝です。





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