エンロン事件は、公認会計士(米CPA)がその知識利用して行った。
ライブドア事件も、公認会計士が加担しているのは明らかだ。
しかし、日々企業の会計に真正面から取り組んでいる「真っ当なCPA」もたくさんいる。
株式分割そのものは、非常に大切な制度だ。
しかし、それを素人投資家を騙すために使うべきではない。
投資信託(ファンド)そのものは非常に大切な制度だ。
しかし、それをインチキの実現のため、インチキ手口がバレない手段として利用すべきではない。
MSCB(Moving Strike Convertible Bond)は、明らかに既存株主を毀損する。
しかし、「にっちもさっちも行かない企業」がその株式が「紙切れ」になりそうな場合なら、株主に事情を説明した上で利用するのは仕方がない。
(吉野家D&Cが2004年末に実施したMSCBは、ある意味仕方ないが、このところのIT関連企業が乱発するMSCBは、MSCBの複雑な仕組みを理解できない既存株主を“だますオペレーション”であることを断言する)
ライブドアがMSCBという手段を経営者の自己実現のために利用した。
その時点で、それでも同社の株式を買ってしまった素人投資家は自業自得である。
MSCBによる、「一部の人間(=リーマン・ブラザース)」に対する、既存株主からの不当な経済価値移転に気が付く知識があれば、(しかも、リーマンに対する「貸し株」までしているのだ)同社の株主は、MSCBを発行した時点で同社の株式を売却しただろう。
違法かどうか?
そんなことは、上場企業の経営者を評価する上で低次元な話だ。
そもそも、違法かどうかが取りざたされる経営者など少なくとも投資対象になりはしない。
仮に違法でなかったとしても、ライブドアの経営手法が明らかに「インチキ」であることなど、少しでもファイナンスに理解のある者が、彼らの有価証券報告書などを見れば「簡単に」わかるはずだ。
一部の「政治家」、一部の「経済学者」は、それらを見抜けなかったようだが。
(そもそも、現場を知らない経済学者など、「AVをたくさん鑑賞しただけの童貞」に過ぎない)
知識や技術は、それ自体に価値がある。
しかし、知識や技術という「武器」は、モラルの無い人間に与えるべきではない。
そのような人間が独自で知識を吸収したとしても、そのような人間を要職に付かせなければ良い。
法律や制度をいくら厳格化しても、根本的な解決にはならない。
「闇金融」を封じれば、「ふりこめ詐欺」が起こるだけだ。
根本的な対策は、「インチキを見抜く知識」を多くの国民が得ること。
そして、自らの「心」に問い合わせ、自らの素直な心の叫びに耳を傾けることを忘れないことだ。
本当に心が傷つき、涙が溢れた時に、自らわざわざ、「涙が出てきました」と表現する人なんて居るだろうか?
同社の素人株主は、その言葉に「拍手」を送っていたようだが。
もし、多くの個人投資家が、「価値と価格の違い」に注意を払い、「価値に対して相当に高い価格」に手を出さなければ、ライブドアのインチキは、実現できなかったのではないだろうか?
株価を支払って手に入れるものが何であるかがわからないのならば、株式投資をするべきではない。
ライブドアのインチキを示す経営オペレーションは、(それがたとえ合法であったとしても)いくつもあった。
インチキを見抜くチャンスは、いくらでもあった。
僕は、昨年の「ライブドア=フジ」の頃から、このブログや昨年(4月1日)の「朝まで生テレビ!」などで、散々訴えていた。
堀江君が僕のブログを読んでいることも、
昨年の「朝まで生テレビ!」を観ていたことも僕は知っている。
堀江君が、僕の「忠告」に対し周囲にぼやいていたことも知っている。
僕の力が足りなかったのだろうと思う。
僕の忠告は、彼には伝わらなかった。
残念である。
2006年1月23日 板倉雄一郎 (堀江君の逮捕に添えて)
PS:
堀江君がもてはやされたのは、彼が32歳のとき。
僕がもてはやされたのも、32歳のとき。
僕が倒産し自己破産したのは、33歳のとき。
今堀江君は、33歳。
昨年の騒動のとき、オヤジが僕に言った・・・
「堀江は、あのときのお前と似てるな。」
いや、似て非なることがある。
僕は、僕自身を応援してくれる人を毀損することを承知で毀損したことは無い。
結果として、株主や債権者に損害を与えたという意味では同じだが。
PS^2:
「外国人(=特に米国人金融マン)」に言いたい。
堀江君のやり方を、この期に及んで「肯定」するのは、
彼の活動そのものが日本の大切な経済価値を、
日本人から搾取するのに都合が良いからではないか。
ここは、日本である。
日本人が働いて、価値を生み出しているのです。
「日本的」の、一体どこが悪いと言うのか、、
少なくとも理論的には理解不能です。