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SMU 第114号「何をしない人?」

SMU109号への読者からのコメントで、
「板倉さんは、何をしない人なのでしょう? それがわかれば、何をしたい人なのかがわかる」
というのを頂きました。
元は、僕が『ミイラ取りはミイラになるようなことはしない』と書いたことがきっかけでして、109号の最後の方を読んでいただければ意味がわかると思うのですが、要するに『それ』をビジネス上の商材として扱う人は、『それ』の顧客になることはしないという類のことです。(たとえば、酒を商材にしている人は、酒を飲まないということです)
「ならば、僕は、何をしない人なのか?」に対する答えが、僕が「何を商材にしてビジネスをするのか(しようとしているのか)の答えになるというのが、このコメントの真意と理解します。

さて、僕は、何をしないのか?
確かに誰かの講演を聴きに行くことは無いですね。
この10年間で覚えているのは、当時当社の株主だったJAFCO(日本合同ファイナンス)の勧めで、ある上場企業社長の講演を聴きに行ったこと、それと「僕に会いたい」と打診のあった米マイクロソフト社(当時)CEO・ウイリアム・ゲイツ(ビルゲイツ)氏の講演を、彼との面会の数日前に聞きに行ったことぐらいです。
どちらも、「その講演を聴きたい」との動機ではなく、それ以外のビジネスの要件によって、聴きに言ったわけです。ですから、他人の講演には行きませんね。よって、上記の理論で言えば、自らの講演は、僕の一つの大切なビジネスなのでしょう。
あと僕が、しそうでしないのは、「起業」。
確かに「企業価値セミナー」に始まる、いくつかの模索は、広義での「起業」にあたるという考えもあるかと思いますが、少なくとも僕の起業におけるスケールには届かないものでして、僕の中では起業には当たりません。すんごく正直に白状すれば、「誰かが、僕の話などの価値提供によって、「いい思い」をしてくれたら、僕自身が楽しいなぁ」という程度の動機でやっているわけですから、とてもとても起業という範囲ではありません。
ですから、ベンチャーキャピタルなどを細々とやりながら、起業したい人たちの支援というカタチで、それ自体を(つまり投資家として)ビジネスにしているわけです。
さらに僕がしそうでしないのは、「読書」です。
少なくとも、大量の本を買いあさり読む・・・なんてことはまずしません。週に2冊ほどの本を、タイトルと評判から選んで、アマゾンで注文します。ですが、最後まで読むのは、3冊に一冊ぐらいでしょうか。ほとんどの本は、最初の30ページぐらいで、「ああこれ、あの本のまねだね」などと切り捨ててしまいます。つまり、執筆ということは、僕にとっても重要なビジネスの一つだというわけですね。
と、ここまで書き進めて、あることを読者の皆様に報告していないことに気がつきました。
「おりこうさん と おばかさん」の出版についてですが、結論から言えば、延期です。
というのも、出版の声をかけてきていただいたある出版社の内部で、いろいろ(僕とは無縁な)問題が発生して、版元が変わるというわけです。実は、声をかけていただいた出版社より、おそらく一般的なマーケットでは、部数増が期待できる強力な出版社に変更予定です。また、逐次情報をこの場で公開しますので、よろしくです。

でもね、僕は、酒を飲むし、タバコも(止めようとは何度も思いましたけど)吸いますし、デイトレードをバカにしながらつい暇があるとやってしまいますし、宝くじも割りと継続的に買っていますし、昼寝も好きですし、合コンも好きです。だから、多くの側面で、「それをビジネスにする」といったビジネスとしての賢さより、「それにおぼれる(というと過剰ですが)」傾向がある人間です。
おそらく「おり・おば」で書いているような、「おりこうさん」とは程遠いかも知れません。かといって「おばかさん」ほど一般的でもなく、微妙です。つまりは、「おりこうさん」の賢さも、「おばかさん」の愚かさも、どちらも理屈としては理解できるが、常にその中間辺りを彷徨い、その「中間さ」が、僕のアイデンティティーだと理解しています。(なんだか良くわかりませんねぇ)

一つの可能性として考えれることは、「それ」に対して「金を払ってまで手に入れようとは思わない」と思う人が、「それ」を商材にしたビジネスで成功する・・・なんてことは、あるかもしれませんね。

PS、「起業価値評価セミナー」ですが、もうちょっと枠があるので、申し込み待ってますね。
よろしくお願いいたします。です。
でも、僕は「企業価値評価」そのものが、好きなんですけど。。。。

2004年9月30日 板倉雄一郎





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