板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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SMU 第117号「セミナーでの例題」

秋雨転じて秋晴れは、続かないですね。
女心と、板倉の集中力と、秋の空。

ちなみに・・・実は、6月~7月の梅雨より、9月~10月の秋雨の方が降雨量が多いのですよ。

ところで、当事務所主催の「企業価値評価セミナー」(2004年10月23日スタートグループ)ですが、ほぼ当初の見込み程度のお申し込みを頂き、内心ホッとしております。

ご参加いただいた方々の受講後の感想が「満足」という結果に(なるように努力しますが)なったら、今度は人数と回数を増やして、開催したいと思います。

それでは今回は、“チョットだけ”、セミナー最終回に実施する試験(?)について、披露したいと思います。

問題は二つだけです。セミナー終わる前から、問題出しすぎると、それこそ問題ですからね。(笑)

以下の問題は、セミナー受講後であれば、皆さん解ける「はず」です。

また、セミナー受講生以外の方も、チャレンジしてみてくださいね。
ちなみに、使ってよい道具や情報は、パソコン(+エクセルなど表計算ソフト)、あらゆるインターネット上に公開されている情報、あらゆる書籍などの情報ですが、誰か他人に答えを聞くのだけはNGですよ。

【簡単問題】

賃貸不動産が売りに出されています。価格は4,000万円です。この物件の予想される収益は、年間500万円の家賃収入が少なくとも10年間は維持できます。

また、この物件を維持するためのコストは、毎年50万円、さらに購入から3年毎にメンテナンス費用として100万円が必要です。また、購入から10年経った後、この物件を売却すると5,000万円程で売却できる予想です。

【設問1】

この物件を提示額で購入した場合のIRR(内部収益率)を求めなさい。

【設問2】

あなたは、この物件に対する投資で、年率15%の収益を得たいと考えています。あなたはこの物件をどれほどディスカウントした値段でこの物件を購入すれば、期待通りの収益を得ることができるでしょうか?

【中級問題1】(SMU118号による問題訂正済み)

ある企業A社の今期の営業利益は2,000万円でした。この企業の過去の業績を分析したところ、この企業は安定成長期にあり、毎年、営業利益の10%を新規投資とし、新規投資に対する収益はおよそ50%(SUM 第118号による問題修正前は25%)得られていることがわかりました。

今後もこの収益構造を長年維持することが可能だと考えられます。また同社の長期借入は3,000万円で、金利は3%。同社の経営方針として、この長期借り入れは永続的に維持され、金利も変動しないものとします。

また、同社の発行済み株式数は1,000株。現在の株価は、70,000円(SUM 第118号による問題修正前は50,000円)です。

【設問】

下記の文章中の「?」を埋めなさい。

あなたが、この企業への投資により、年率20%の収益を得るためには、現在の株価に対して、「?パーセント「以下・以上」の時点で投資をすればよい。

※注意1:有利子負債の現在価値は、有利子負債総額と同等とし、債権者の機会費用は金利と同等とする。
※注意2:限界税率を50%とする。
※注意3:この企業A社は、本業以外の事業は営んでないものとする。
※注意4:運転資金の増減、および減価償却に関しては無視します。

以上の例題は、試験問題ということで、条件をかなり限定的にしています。実際の企業を評価する場合には、もっと複雑な計算と裁量が必要になりますし、マクロ経済の変化やマーケットの競争条件など、たくさんの見地から判断しなくてはなりませんが、そもそも以上のように条件を限定した問題を解くことができなければ(つまり価値創造の基本的なメカニズムを理解していなければ)、それ以上複雑なことはできませんからね。

もし、答えがわかった人は、コチラまで、回答を送ってみてください。

ちゃんと、返答しますね。

それでは、今日はこの辺で。

2004年10月12日 板倉雄一郎





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