板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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SMU 第93号「スタッフ募集その後」

スタッフ募集のその後についてです。
僕の予想を遥かに超える応募を頂いております。
応募いただいた方の数より、それぞれの方の知識、経験などに驚いております。
昨日、面接会にいらしていただいた方々を(僕はあまり好きではない世間一般の表現を使って)表現すれば、コンサルティングファームで企業価値評価をされている方、ネット上でメジャーなWebzineにて主にIT系のコラム執筆をされていて、自身でも米国株を中心に投資実績をお持ちの方、外資大手証券会社でアナリストをされている方(は、まだ面接しておりません)、そして実際に実業家として経営経験のある方、などなどです。

以上のように企業価値評価を実践で積まれている方の応募動機には「将来の業績をどのように数値に落とし込むのか?に興味がある」という方が多いわけです。
正直にお断りしておきますが、所詮将来の業績ですから、きっちり「数値化」できるわけではありませんし、企業価値評価システムそのものに、板倉独自の手法があるわけではありません。
企業評価を行ううえでの情報は、当該企業が発表している情報に限定されますから、投下資本を割り出すにも、投下資本利益率を割り出すにも、将来キャッシュフローの割引率を算出するにも、定石を利用しています。さらに将来のことですから、ちょっとしたパラメーターの変動によって、企業価値は大きく変動します。
しかしながら大切なことは、当該企業の「将来のストーリー」を描くときに、理論専攻の(一般名称としての)アナリストが数字だけを頼りに企業評価を行うことより、実務経験のある人間による具体的な評価に価値があるという点です。
以上をご理解いただいた上で、スタッフ募集に応募いただければ幸いです。
企業価値評価というのは、つまるところ、当該企業の経営者になったつもりで、当該企業の実態を知り、事業計画を描き、その仮定の下に企業価値を数値に落としこむわけですから、論理的な「計算手法」より、将来を思い描く能力によって、その結果が左右されるわけです。
この点、実際に企業経営経験のあるなしが、大きく影響するというわけです。

次回の(面接兼)スタッフミーティングは、8月を予定しています。
既に、初回のスタッフ同士では、メーリングリストによる個別企業の評価が始まっています。
ワクワクします。
ナショナリストの僕としては、投機ではなく、投資に真剣に取り組もうとする若者がこの国にたくさん居ることは、なんだかうれしいし、頼もしいです。

2004年7月17日 板倉雄一郎





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