板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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SMU 第30号「BMW 」

僕の経営していた会社倒産から一年後、『社長失格』の印税と、同書がもたらした講演ブームによって小銭が出来た。

で、その一部の資金を使って、僕はBMW M-Roadsterというエストリルブルーの小型オープンスポーツカーを手に入れた。321馬力の出力で1,300Kgのボディーを動かすこの車は、ワインディングロードで僕のストレスを発散させてくれるばかりか、夜の東京で彼女達のスリルを掻き立て、僕に多くの恩恵をもたらしてくれた。

新車購入から2年。初めての車検を通す前に結婚した僕は、もう一台のVOLVO850 Turbo Estateにばかり乗るようになった。カミサンとの買い物、犬を連れてのバカンスにうってつけのこの車と新しい生活は、BMWに乗る機会を減らしていった。

BMW Mシリーズのこの車の新車価格はおよそ800万円。3年間でおよそ4万Kmの道のりを僕とともにしたが、車の構造とその整備に精通している僕の所有だったせいか、傷一つ無く、もちろんぶつけたことも無く、車内外ともとても綺麗に保たれている。

Fujituboの社長藤壺さん直々にワンオフで作ってもらったマフラーは快音を鳴らし、ビルシュタインとHammanのサスペンションは、小気味良い挙動を示す。

購入から3年、車検を通したこの車の魅力に変わりないものの、女性とのデートから遠ざかった僕には、今必要なくなった。そして、売る事を決めた。価格は298万円。(Sold Out!)絶対額は決して安いものではないが、その魅力との相対的な価格は断然安い。

正直、この値段で、この程度の良さの車を手に入れるセカンドオーナーには嫉妬すらする部分もあるが、仕方が無い。だって、乗らないから。 ということで、誰か購入希望者が居たら、連絡をください。ユーザ取引になるので、売買後の保証は一切無いが、少なくとも今のところ何の問題もありません。以上、増刊号でした。

2003年6月6日 板倉雄一郎





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