板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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SMU 第16号「所有とゆう幻想」

やってしまいました。
つい先週「最近風邪を引かなくなった?食べ物のせいだろう」などと書いたばかりだというのに、風邪を引いた。 2月2日、4日、5日と立て続けの地方講演にて、航空機と列車の中に居る時間が長かったせいだろうか、いつしか菌を吸入してしまったというわけです。 気が付くたびにイソジンうがいで菌を防御していたつもりでも、閉鎖空間に多くの人がいる環境に慣れていないので、ダメでした。 「お外は、ばい菌がいっぱい!」って「坊ぉ?」じゃないんだからねぇ。 病院で診察をした結果、インフルエンザではありませんでしたが、39度の熱と戦う羽目になりました。トホホ。

その後、出張時防菌GOODSとして、
1、National製携帯加湿器(口と鼻に当てて、20ミクロンの水噴を吸い込むやつ)
2、相変わらずイソジン
3、ヴィっクスドロップ(これは薬用なので、殺菌効果が高い)
4、マスク(インフルエンザ菌を99%除去できると書いてあるやつ)
などで防御しながら、というわけです。

おまけに(悪い事は重なります)、自宅のエアコンがぶっ壊れ、2月だというのに全く暖房の無い部屋にて、現在これを書いています。
でもまぁ、風邪は寒さから引くのではなくて、ヴィールスが原因だから、様態は徐々に良くなっております。以上、風邪のレポートでした。

ってなわけで、脳細胞が1000億個ぐらいは死滅したと思うので、エッセイは文章がまとまっておりません。 ごめんなさい。



<第16号>所有とゆう幻想

一日幸せで居たかったら、床屋に行きなさい。
さっぱりした気分で、一日楽しく過ごせます。

一週間幸せで居たかったら、車を買いなさい。
ドライブしたり、人に見せたり、人を乗せたり、洗車したり・・・楽しい楽しい。

一ヶ月幸せで居たかったら、家を買いなさい。
家具を揃えたり、人を招待したり、きっと楽しい一ヶ月。

一年幸せで居たかったら、結婚しなさい。
新婚旅行に新婚生活、楽しいと思いますよ。

一生幸せで居たかったら、この「ハンコ」を買いなさい。
そうすれば、もう何も心配する事はありません。

以上は、どこで聞いたか忘れたが、ハンコ営業の典型的なトークだそうだ。

人は幸せに成りたいと願っている。
そして、わかりやすい幸せの形を想像し、その象徴になるようなものを所有したがる。 車、家、恋人(配偶者)などなど。 それらの物質は、手に入れる過程と手に入れたその瞬間には確かに一時的な幸せを提供してくれる。 しかし、残念なことに、その後は所有し続けるための負担が現実となる。 車や家であれば、保険料負担にメンテナンス費用負担。 結婚であれば・・・・。

たとえば、マンションを購入したAさんと、同じマンションを賃貸しているBさんを比較してみましょう。 もし、雨漏りしたらどうなるか?

Bさんは、単純に管理会社に苦情を伝え、その後管理会社が補修を行い、コストは家主が負担する。Bさんは、ちょっとの間だけ、雨漏りを我慢すればそれよい。
ところが、Aさんの場合には、補修のコストを負担するばかりではなく、自分の大切な資産に傷が付いたと精神的な苦痛までも伴うというわけです。

どちらが良いか? もちろん人それぞれ、何に価値を感じるか? 何を生きがいにするかには差があるだろう。 しかし少なくとも僕の場合は、手段として所有する事(たとえば、車はレンタカーじゃ、いつでも利用できる利便性を失うし、そもそもコストが高い)はあっても、所有を目的にして幸せを感じたことが無い。 一度、一通りのものを所有した経験があるから、そう思えるのかもしれないが、所有を求め、今日を明日の所有のために消費する人生は、さびしいものになるだろう。

それでも所有した方が良いものがある。 たとえば、能力、経験、思い出などだ。 これらは、誰にも奪われない。 そんなものを求めていたいと思う次第である。

2003年2月14日 板倉雄一郎





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