板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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SMU 第13号「ヒトゲノムと組織論」

正月も終わり、知らず知らずのうちにビジネスモードへ突入。

僕の活動側面のどれもが順調にスタートして、今年はなんだか仕事にワクワク。幸先の良いスタートを切れたように思う。

がしかし、僕固有の性格的問題(場合によっては長所にも)の“せっかち”が顔を出さないように、仕事が盛り上がったところで、それ以上を行わず、たとえばおいしいものを食べに行くとか、実家に戻りワンワン・サービスをするというコントロールを実施中。

この傾向を良く評価すれば、着実に積み上げるようになったとなるが、悪く評価すれば自由に泳ぎまわるダイナミックさの欠如となる。が、とりあえず、数年間堅実に積み上げ、その後、また自由人に戻るというサイクルで行ってみようと思っている・・・のは建前で、ほんとは単に「今は積み上げたい」という欲求に素直に従っているということだ。

この一週間でのトピックは、なんといっても「鳥つね自然洞」。

鳥が大好きというカミサンを驚かせようと、数年前にデジカメベンチャー「デジプリ」の江端社長に紹介していただいたこのお店にてディナー。

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(例によって、ケータイのデジカメなので画質はごめん) 

「名古屋コーチン」、「秋田比内鳥」などを使った串焼きは、確かに安くは無いが美味。

コースの最後に登場する親子丼は、まあ行ってみてください「色」が違うんだよ。

もちろん自由にスクスク育った鳥肉の歯ごたえも良し。香りも良し。そして舌にしみこむこ~い味はもうサイコー!コースで6,000円からあるから、是非一度お試しを。

ランチはもっと安いよ。ちなみに地ビールも豊富で、こちらもGOODです。

食べてから数日経っても、舌が味と感動を覚えている店って少ないよね。僕は以前から、西麻布あたりのおしゃれなお店より、「一点モノ」の小さなお店が大好き。

そして、寿司なら新橋「第三春美」。

フレンチとワインなら西麻布「TSUBAKI」(ここは結構お高め)とそのジャンルで決まったお店を定めて、それ以上のチャレンジをしない割には、良いお店、おいしいお店を持っていると自負しているから、騙されたと思って行って見て下さいね。

おっと、でも「鳥つね自然洞」では、「第三春美」のように「板倉さんから紹介された」と言っても、数年間で2回しか行ったこと無いので、きっとお店の人はわからないですからあしからず。では、本日のエッセイです。


<第13号>ヒトゲノムと組織論

最近、ヒトゲノム(遺伝子解析)の研究が進んでいる。その詳細は専門外なので割愛するが、基本的なそのシステムにとても興味を持った。

僕が興味を持ったそのシステムとは「それぞれの専門的な役割を果たす細胞すべてが、同じ設計図を参照して活動している」という点だ。

たとえば、骨になる細胞には骨になるための「指示書」が渡されるのではなく、骨を含む体すべての設計書が存在し、皮膚になる細胞にも骨や他の組織と同様、体すべての設計書が存在するという事実。

同じ設計書を参照しながら、どういうわけか、それぞれの専門的な働きに分化し体を校正していくわけだが、そのシステムを解き明かせば、これはまさに国家や企業をはじめとするあらゆる組織の構築基本原理となりうるのではないかと思える。

企業で言えば、「経営戦略」「利益計画」「組織計画」それらに基づいた「商品企画」や「マーケティング」などなど企業を運営するために必要な「設計書(=この場合計画書)」をその企業に関わるあらゆる参加者(株主、得意先、取引先、社員、経営者など)が共有し、わざわざ指示されなくても、また監視しなくても、それぞれがそれぞれの役割を把握し活動するというシステムが構築できるのではないかと思う次第である。

この考えは、上記ヒトゲノムの仕組みが解明されれば、間違いなく組織論として応用されることとなるはずだ。

そうなれば、企業も国家もうまく行くはず・・・なんてことは無い。

なぜなら、そんなシステムが構築されても大切なことが残されているからだ。

それは「その設計書を誰が書く?」という、まさに「起業家」の不足にぶち当たるからだ。

だから今、出来ることとして、やはり自らリスクテイクをしながらムーブメントを起こそうとするエネルギーに支えられた起業家を育てなければならない。

2003年1月24日 板倉雄一郎





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