2002年10月03日
SMU 第5号「アジアビジネス」
最近、中国とか韓国とか香港とか、つまりアジアの話が多い。僕の本を 翻訳して中国で出版する契約をしたと思ったら、韓国からいわゆるIT関 連のビジネスが持ち込まれる。おまけに僕が顧問を務めるベンチャーキ ャピタルが節税のために本拠地を東京から香港に移し、ジェネラルマネ ージャはすでに香港に住んでいたりする。
テレビの特集では、朝鮮民主主義人民共和国と拉致事件報道と同じぐ らいの尺で、上海を中心とする中国経済特集が報道される。ちょっと前 なら、同程度のメディアのビジネス時間枠は、「アメリカ」の話題ではなか ったか。世界のお金は、その活路を求めて、利回り期待=経済成長期 待の比較的大きくなりそうなアジアへ向かっているということだろう。残念 ながら日本を除くアジアだったりするのだが。
NTTドコモの決算見通しが報道された。何でも1兆円に迫る連結経常赤 字の見通しだとか。「ああやっぱりね」というのが、僕の感想。ドコモがA T&Tワイアレスにおよそ1兆円の増資を行ったのは確か1年〜2年ほど前 。僕はその報道を聞いてすぐにこう思った。「ああ、またアメリカにだまさ れるな〜高いうちに売って、安くなってから買い戻すんだろう」つまり、AT &Tワイアレスの株価が高い時に、新株を発行してドコモに売りつける。ド コモが中高生〜ビジネスマンまでの消費者に提供したワイアレスサービ スからの利益を、さらにドコモの株式に魅力を感じた機関投資家、個人 投資家のお金を、ドコモは1兆円も投資してしまったというわけだ。そして 、今頃たぶんアメリカはその株を買い戻す。
たとえば1万円で株を売り、4000円ぐらいになったときに買い戻す。する と6000円分はもらったと同じなんです。もっとダイレクトに言うと、ドコモが 日本市場で稼いだ金=我々利用者が払った金をアメリカの投資家に持っ て行かれたというわけだ。日本は何度もだまされている。不動産バブルの 頃にもまったく同じ現象があった。
ニューヨークの象徴的なビルを日本企業が買い取り話題に上り〜その後地 価が下落してから再び米国企業が買い戻す。映画でも同じようなことがあっ た。アメリカに限った話ではない。たとえば最近自宅近くの表参道に「ルイ・ ヴィトン」の新店舗ができた。この店オープンから連日一山ができている。い ったいどこが不景気なのだろうと不思議な気分にさせられる。ルイ・ヴィトン に限らず、表参道には主にヨーロッパのブランド店舗がどんどん進出してい る。つまりアメリカのマネーゲームに変わって、ヨーロッパは「ブランド」という 価値によって、原価の数十倍のお金を日本人から巻き上げるというわけだ。
ちなみにヨーロッパでは、渋谷で見かけるように若い女の子がヴィトンやシャ ネルなんて身に着けていなかったりするわけだ。日本は、労働者が汗水た らして働いた金を、馬鹿なマネーゲーマーによって、いつも先進諸外国にだま されて持っていかれる。そしてウサギ小屋に住んで、週に50時間以上働い て、贅沢といえば年に2回ほどの長期(?)バカンスだけ。豊さの無い(=を 知らない)国民性。これじゃいつまで経ってもセコセコものづくりを続け続ける だけで、一向に豊かさなど手に入らないだろう。そして、この国民性こそが、 諸外国から馬鹿にされる原因なんだよね。日本人は金をいくら持っていて、ど のくらい使っているかだけが全体共通の人を評価する価値観だったりする。も うちょっと違った価値観で生きてみる〜いや世間のそんな安っぽい価値観か ら離れた自分自身の価値観を確立する。その辺から始めることが豊かさへの 近道だと思います。
ということで、今週はなぜかアジアビジネスの週でございました。
「社長失格」が果たして中国で売れるかどうか?
まずは、これって僕の中国進出(?)の調査にもなったりするから楽しみ。
それでは、また来週。
板倉雄一郎 2002年10月3日
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