カミサンがケータイを落として壊した。なので、彼女は『SO505i』を買ってきた。 これって、「カメラ付きケータイ」じゃなくて「ケータイ付きカメラ」だったのね。
だから、でかくて分厚い。だから、ケータイじゃない。 Flash対応のWEBを見てみた。すんげえディスプレイがキレイ。地図情報なんて、とっても細かくてキレイ。
だけど、『504is』で結局機能のほとんどを使わないで懲りたので、 僕には必要ない。必要というより、大きさと重さが不便。そもそも、ディスプレイがむき出しなので、落としたら壊れるはずだ。一体全体、ケータイってどこに行っちゃうんだろう。
少なくとも僕の欲しいケータイとはどんどんかけ離れてゆく。僕が欲しいケータイってのは、ウェアブルまで行かなくても、とにかく、
1、 忘れないケータイ・・・つまり財布だとか、自分の体だとかに入れたいくらいだ。
2、 充電が一ヶ月に一回程度でいいやつ・・・しょっちゅう電池切れで困る。アプリなんか使ったら一日持たない。
3、 文字入力を音声認識でできるやつ・・・テンキー入力はおっさんには無理だ。
4、 安いこと・・・通話もパケットも機種変更も安いやつ。
そして、最も重要なのはキャリア間の番号を持ち回りできる
「ナンバーポータビリティー」。
つまり、ドコモからAUに変えても、電話番号を引きずれるってこと。付加価値より、基本機能の充実ってことです。
これ、ケータイに限らず、あらゆるサービスや商品で、今最も求められていること。 IT分野でも、たくさんのお金と人材が流れ込んだ結果、アイデアやサービスや商品はもう十分にある。あるが、本当に必要なものを簡単に安価に利用できるものがあまりにも少ない。
今僕は、コンサルや投資事業で、このテーマで取り組んでいる。5年くらいで、この手の商品が主流になるんだよね。たとえば自動車がいい例だ。自動車それ自体にステータスや財産としての価値を市場が見出していた頃は、機能や動力性能に皆興味を持っていたし、実際大枚をはたいていた。しかし、そろそろ「ヴィッツ」や「フィット」など、「基本機能」が売れている。
ITなんかそもそも、それ自体にステータスも無ければ、財産価値も無い。市場は、「仕組みがどうなっているか」に興味が無くなり、 「いくらで何が出来るか」に興味が移り、 そして「それが自分には必要なのか?」を考えるようになったのだ。
2003年6月6日 板倉雄一郎