板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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SMU 第126号「中越地震などもろもろ」

僕の母の実家で、母の兄弟の長男(つまり僕の叔父)は、新潟県十日町市在住。
母の兄弟(つまり僕の叔父)の一家は同じく新潟県小千谷市在住なのです。
「中越地震」を体で知ったのは、板倉雄一郎事務所主催「企業価値評価シリーズ」セミナー第一グループ第一回目の終了後、当事務所スタッフと受講生とで懇親会をしている最中のちょっとした横揺れでした。その後、「横揺れなので、遠くで大きな地震があったんだろうなぁ」などと他人事のように思いつつ家路に付きました。帰宅して両親が騒いでいるので、事の重大さがようやく他人事ではないことがわかりました。翌日先方から電話連絡があり、全員無事が判明し、ほっとしたというわけです。怪我は無かったようですが、家の中はグチャグチャ、当然ライフラインは不完全。
僕の親戚に限らず、しばらく大変な日々が予想されます。

政治や行政の機能と対応については、書き始めたら終わらなくなりそうなので、割愛しますが、一言だけ「わかっている危機に対する対応が、これほど不完全な先進国も、あまり見受けられない」ということでしょうか。
それらとは別に、今回の地震で感じたことは、書くのも恥ずかしいぐらい当たり前のことなのですが、「一人の人間が如何に無力で弱く、しかし、その集合である地域社会は力強い」ということでした。
報道によると、地震のショックで亡くなられた方もいらっしゃるということですし、倒壊した自分の家を背景にインタビューに応じる住民が、インタビュー中になんとも悔しそうに涙を流すシーンなどを見ていると、個々の人間の弱さ、無力を感じざるを得ません。
しかしその一方で、地震から数日たった現在、一部の地域ではありますが、ライフラインや交通などが徐々に回復していると聞きます。人の集合の力を感じざるを得ません。一人仕事をベースにしている僕は、特にこの部分に関心があります。

ところで、当事務所主催「企業価値評価シリーズ」セミナーを10月23日(土曜日)に開催いたしました。
セミナー後のアンケート調査によると、概ね高い評価を頂き、ほとんどの方から、2回目以降6回目までの継続受講の申し込みを頂きました。
良かったです。うれしいです。
子供の頃、大切なお年玉を拠出して欲しかったモノを手に入れても、「なぁ?んだこれ、想像と全然違うじゃないか」とがっかりしたことが何度かあります。もう他のモノに取り替えることはできませんし、他のモノを新たに購入するには、翌年のお年玉まで待たなくてはなりません。その悔しさと落胆を忘れることはできません。
一方、僕が直接知っている、いわゆる「隠れた金持ち」の多くが扱っている商品を見るに付け、僕は「そんなので金になるんだ(馬鹿な消費者が居るものだ)」と思うことが多いのです。
その商品を見て「こんなのでも金にできるんだな、よしやろう!」と思えない僕は、商売人として資産を形成できないとも思うのです。この部分に関しては良い意味での「社長失格」だと思っています。
ですから、自分が売る側になって人に何かを売るとき、「なぁ?んだ、これ?」を売りたくないと強く思うわけです。
「なぁ?んだこれ?」ではないセミナー、今後も大変楽しみです。

そこでお調子者の僕は、当事務所主催第2グループの開催を早々と企画しているというわけです。
第一グループの参加者からも「予定を割くのが難しい」という意見があったり、今回、第一グループに参加できなかった受講希望者からは「予定が合わないから今回は止める」というメールをいくつも受け取りました。
なので、次回は(紙媒体やネットでの広告宣伝も実行し)人数も増やし、かつ週末2日間の合宿方式で集中講義を開催しようと企んでおります。どこか保養地がいいですねぇ。
企画がまとまりましたら、このWEBでもお知らせしますので、ご興味のある方は是非。

僕は人と話すのが、要するに最好の趣味なのです。
セミナー当日も、セミナー前の準備時間にスタッフと雑談1時間+セミナーでの講義3時間+セミナー後の懇親会でさらに4時間、ずうっとしゃべりっぱなし。(もしかしたら、聞き手にとってはえらい迷惑な話かもしれませんが(笑))
20代の頃、当時経営していたゲームソフト開発会社の社員に言われたことがあります。
「社長って、エネルギーが切れるまで、エネルギー使い続けるんですね」って。
なんとも、意味深い意見です。
で、そんな僕は40になっても変わらず、翌10月24日(日曜日)は、果てしなく疲れて、一日中家で寝ていたというわけです。
良く評価すれば、「集中力がある」ですが、悪く評価すれば「ムラがある」ということで、長い人生では、決して得する性格ではありませんね。少なくとも「商い(飽きない)」が上手だとは思いません。これまた「社長失格」のひとつの原因でもあります。
翌10月25日(月曜日)は、NTT東日本の講演のため、朝から空路札幌ということで、夜のうちに羽田に程近いホテル日航東京に移動。
ところが僕の老愛車が言うことを聞かなくなって動いてくれなかったので、修理工場に依頼して、とても久しぶりに電車でお台場です。慣れないせいか、とても遠いですね電車でのお台場は。
何しろ、あの「ゆりかもめ」が、お台場の(不動産などの)価値を低減させている最も大きな原因でしょう。「狭い・とろい・高い」がワンセットになったあの「新交通システム(だって、笑ってしまいますねぇ)ゆりかもめ」は、一体どこの誰がデザインして、誰が決済したのでしょうかねぇ?
「狭い」・・・車両が小さいくせに、座席のレイアウトは観光車両並みに対面式。しかしあの座席、大人が向かい合ったら、相互の膝がぶつかりますよ。座席なんか取ってしまえばいいのに。
「とろい」・・・走行速度が住宅地を走るバスより遅い。おまけに駅の距離間隔がこれまた住宅地のバス停の距離間隔ほど短いものだから、単位時間に移動する距離がなお小さい。
「高い」・・・新橋から台場駅まで310円!ですよ。JRで310円だったら、5倍ぐらいの距離移動できます。そもそも人件費削減のための無人運転のはずでは?
という文句でした。

「耐える」日本人の性格は、台風や地震などの自然災害に限らず、敗戦に始まる政治経済的な日本の特異な環境を生き抜くには「美徳」となりえますが、その「耐える美徳」が、別の側面では、我々自らを苦しめているわけでございます。特技は使い分けないといけませんね。

札幌での講演後、かの「ダイヤルQ2」の生みの親であるところのNTT幹部の方にに久しぶりにお会いしました。この方に最初にお会いしたのは、忘れもしない1989年、ダイヤルQ2の説明会でした。
当時、「これぞ一攫千金!」などと血気に溢れていた僕は、彼女を質問攻めにしたことを思い出します。
彼女のNTTでの業績は絶大です。なぜなら現在のNTTDoCoMoの主力商品であり、かつ他のキャリアに対して最も重要な差別化を果たしている(夏野剛氏が実質スタートアップしたとされる)「iモード」のビジネスモデルは、ダイヤルQ2そのものだからです。事実、iモードの事業戦略は「ダイヤルQ2」を参照しているのは動かしがたい事実です。
飛行機の時間まで、しばし昔話(だけで終わるわけは無いのですが)を楽しませていただきました。

話、全然変わりますが、ANAの夕刻便には(スーパーシートの場合)お弁当が出るんですよ。
このお弁当、丁寧に作られた和食が多いのですが、美味しいですよ。
僕は、お弁当といわれるものの中では、最も好きな一つです。
お勧めのお弁当ですが、このお弁当のためだけにプレミアム代金を払うのはお勧めしませんけどね。

今日は、こんなところで。

今日も「日経記事」関連のエッセイはお休みです。ごめんなさい。

2004年10月26日 板倉雄一郎





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