板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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SMU 第36号「続・田舎暮らし」

仕事=仕事=仕事と、人生を考える時や、スタートミーアップを考える時、自然と仕事を最優先にかつ最初に考える傾向がある。僕もそうだし、恐らくほとんどの人はそうだろう。しかし「田舎暮らしスタイル」的には、この考え方はどんなもんだろうか?仕事は、私生活の糧と考える方法もなくはない。いや、本来、そうなのだろう。

そして、仕事自体にも楽しさを望めればいいというわけだ。ところが、他人に作られた「幸せの形」に洗脳された我々日本人は、自らの価値観による判断より、周りが押し付けるところの価値観によって、ブランド物を買わされ、セレブな暮らしに憧れを持たされてきた。残念なことである。

最近、特に千葉の内房に物件探しに回っているが、地場の不動産屋の証言によれば、最近都心生活者の「脱出」が相次いでいるらしい。もちろん、別荘という利用もあるが、多くは生活のために「海つき」の不動産の人気があるという。確かに僕もその一人だ。つまり所有を目的にした人から、スタイルを目的にした人が増えてきたというわけだ。

僕が飛び込みで訪問したのは、内房は鋸南にある「鋸南不動産」。ここの寺元専務は、一見飛び込みの僕に、会社の車でいくつもの物件の見聞を手伝ってくれた。

まぁ、不動産屋が客を連れて動き回るのは、当たり前だが、彼は特に親切だったと思う。ところで、最近、千葉生まれなせいか、千葉に縁がある。昨日も顧問先のクルーザーで横浜から内房富浦までクルージングと相成った。運転好きの僕は、車に限らずクルーザーでもフルスロットルでぶっ飛ばす。

浦賀水道のフェリーや大型タンカーをすり抜け、およそ一時間ほどで横浜のハーバーから富浦漁港へ到着。

誘われた僕は、「この後BBQだよな」などと思っていたら、特に予定は無いという。がぁ~ん。海の家で「やきそば」と「サザエ丼」など。ということで、次回は僕お勧めの内房は「浮島」へのBBQクルーズとなった次第である。

この浮島、東京湾では結構大きな島で、ハーバーもあれば洞窟もある。そして驚く事は「個人所有」ということだ。その昔(30年ほど前)、力道山が「1億で売ってくれ」(1億といっても30年も前の一億だからね)と所有者に打診したが、売らなかったという逸話もある。

ファックスの交換によって予約しておけば、イセエビ、あわび、サザエなどのBBQを用意してくれるという親切な所有者によって、一般に開放されているところが最高。東京湾といっても、このあたりは潮流があり、海はとても綺麗。

8月後半がまた楽しみである。(そういえば、船舶免許の更新忘れで現在無免許なんだよね。だけど同乗者に免許を持っている人が居ればOKなんです。酒も飲んでいいのです。)

で、こんな遊びをやっていると、僕はつい「じゃあ、東京湾にクルーザー専用のレストランはどう?」なんて思ってしまう。たとえば、(貸してくれないと思うけど)東京湾第一海峯にハーバーを作って、メキシカンやイタリアンなどの創作料理とBBQ、そして簡単な宿泊設備を提供する。夏の間だけ営業して、東京湾クルージングフリークへのサービスとなるわけだか。こんなところがあったら、とても面白い。

ところが、ビジネスとして考えた場合、これはあまりおいしくない。良質なサービスのためのオペレーションも必要だし、サービスのためには設備投資も人件費もかかる。

で、クルーザー関係のビジネスは、ハーバーと停泊場の経営という方向に向かう。
で、ハーバーと停泊場は結構あるが「で、どこで何する?」って話になる。
で、はじめは「クルーザーでさぁ、東京湾をクルージングしてさぁ」なんてことに憧れて、小銭を掴んだ輩が船買って停泊場所を探す。
で、やたらとハーバーが出来るが、僕が知っている限り、これらの何千台というクルーザーはほとんど静かに眠っているというわけだ。

なんだかまるで、貯金ばかりで、投資も消費にも消極的な日本人を象徴している。

2003年8月9日 板倉雄一郎





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