板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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SMU 第39号「Let it be」

ザ・ビートルズの新しい(?)アルバムが発売されたから、ザ・ビートルズの話を書きたいわけではない。 もちろん、ザ・ビートルズは大好きだし、車のCDチェンジャーには必ずザ・ビートルズのCDが入っている。(ちなみに僕は、「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」がすき) 19歳から34歳のハイパーネットの倒産までの僕の会社経営の(決して褒められたものではない)経験をこのところ思い起こすことが多い。 その度に感じることは、事業の成否に「努力」だとか「投資額」だとか「使った時間」だとか「姿勢」などは、ほとんど無関係である・・・そんなことだ。少なくとも僕の事業の場合。 大志を抱き、日に16時間程度の仕事を続け、即断即決の経営、そして多くの優秀な社員や取引先を引っ張り続けた結果は大失敗だったのは周知の事実。 一方、「フェラーリが欲しい」だとか「クラブに毎日通っても経済的に苦労しない収入」だとかの邪な動機で始めた事業のいくつかは、その目的を達成しても有り余るほどの成功を収めたということもまた事実。 後者の場合、僕は昼過ぎに会社に向かって、16時過ぎごろからかかって来るクラブのおねーさまからの電話に誘われ、さっさと会社を後にしていた。 「こんなんじゃいかん!」などとそのときの成果、というよりは自分の態度に満足できずに、前者のような仕事のスタイルを始めたというわけだ。 能力のすべてを集中させ、できるかぎりの努力を実行し、広さと大きさを目指したハイパーネットの倒産後、「やることがないから」という積極的ではまったくない動機で書き上げた「社長失格」は自分の予想を一桁以上上回る売り上げを記録し、僕の予想を二桁以上上回るほど話題になり、僕の予想を5年以上上回る講演活動につながった。 倒産からの6年間、僕は自分の仕事に関して、積極的な「宣伝活動」や「プレゼンテーション」を一切していないのに、そこそこ売れてきた。 まったく、努力なんてしていないのにだ。 つまり、「売れるものは、放って置いても売れる」、「売れないものはどんなに努力しても売れない」ということなのだ。 事業の成功を収めた経営者なり、企業家なりが、自分の成功はいかにも「(広義での)努力の結果」のようにいいはばかるのは、おそらく「過去の自分の苦労があったからこそ、今の成功がある」と「苦労の対価をしっかりいただいたから、苦労はしてよかった」と「思いたい」からなのだろうと推測する。 そもそも、成否の原因の多くは「運」によるところが多いと思う。 ところが、そんな考えがまことしやかに社会に蔓延したら、社会が社会として成り立たなくなる。 だから、「努力=成果」と教える必要があるのだとさえ思えるのだ。 「運」というと、あんちょくにHowToを求める人は、こう考える「じゃぁ、運を掴むためにはどうすればいいのだ?」と。 そんなことを考えているあなた・・・「運」を掴もうとすること自体、「運」をわかっていない証拠なんだよ。 板倉雄一郎 2003年11月17日



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