板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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SMU 第17号「景気回復?」

読者の皆さん、大変失礼いたしました。

毎週必ず金曜日にアップすると宣言しておきながら、お休みしてしまいました。

理由は、単なる「風邪の悪化」でして、診療してもらった(1分診療の)医者が言うには「症状が違うから、インフルエンザではない」ということでしたが、その後ネットなどで今年のインフルエンザの症状などを見る限り、僕はインフルエンザだったように思います。とても辛かったのでした。

以上イイワケです。

17日の週は、前週に引き続き地方講演が二つ。

それだけならまだ良いのだけれど、自宅のエアコンが故障して、全く暖房なしの状態で、風邪と格闘というとても悲惨な状態でした。さらに19日の札幌講演の復路では、突然の雪のため千歳空港を出発したのが予定より3時間も遅れたのでした。

天候が悪化する中、空港では滑走路を除雪するわけだけど、除雪した後には又雪が積もる。天候の予測は100%正確に出来るわけではないし、生命のリスクをかけて「定時」にこだわるほど日本の航空会社は馬鹿ではない。

すると、飛行機内で待たされたり、降ろされたり、また乗せられたりと、迷惑である。であるが、これは完全に読みきれない天候と、それでも客を目的地に届けようとする航空会社の意思の現れであるからそれこそ「仕方が無い」と僕は思う。

でもね、いるんだよね。CAをとっ捕まえて怒鳴り散らす客が。

あまりにも気分が悪かったので、つい、ついですよ「いい加減にしろよ!天候のせいなんだぜ!」と僕はその客に怒鳴り始めることに。

大げさなことにはならなかったけど、僕の「助け舟(?)」にちょっとだけ安心したのか、つかまっていたCP(チーフパーサー)の女性は、僕の顔を見ながら「もぉ~大変ですよ」と泣きが入る始末。

その後、3時間遅れで離陸した飛行機は、一路羽田に向かう。

「弁当は?」 スーパーシートのこの時間、必ず弁当がでると踏んでいた僕は、いつまで経っても出てこない弁当をCAにリクエストすると、「あいにく、この時間はお菓子となっております」という返事。がぁ~ん。

実は僕、講演のキャスティング会社の社長がたまたま同じ飛行機だったので、いつも出される弁当を「おいしいですよ」などと宣伝していたのだ。

僕の宣伝のせいでこの社長は、普通席に5,000円近くも追加支払いして、スーパーシートにアップグレードしていたのだった。

もちろん、二人とも夕食を摂っていない。僕は責任を感じる「こりゃまずい」。

ところがどっこい、先ほどのCPが、なんと自分が食べるために用意していた「煮込みハンバーグ弁当(だったと思う)」を我々にプレゼントしてくれた。

なんだか嬉しい、でも、CPには申し訳ないし、この社長にも申し訳ない。と複雑。

体調もだいぶ良くなりましたが、今度は花粉。
毎年のことだからこれも「仕方ない」のですが。

という近況でした。 


<第17号>景気回復?

世の中景気が悪い。
マクロ経済的に言えばデフレなのだそうだ。 サラリーマンはいつ首にされるかわからないし、首になったら次の就職先を見つけるのが難しい。 学生は就職できないかもしれない。 企業経営者は、景気が良くなるまでじっと我慢ということだ。

確かにマクロ的には、あらゆる経済性が景気に左右される。 しかし本当に、景気が良くなれば、今までのように皆が経済的に豊かになるのだろうか? そんな疑問を僕は感じる。

「誰かが僕らの景気を良くしてくれる」という考えに疑問がある。 マクロ的な手段によって、マクロ的な数値が良くなったところで、すべての組織や個人にその恩恵があるわけではない。経済活動を積極的に行おうとする企業や個人の活動がしやすくなるだけだから、やらない人には益が無い。言うまでも無いことだが。

現在でも数は少ないが、増収増益を続けている企業もあれば、僕の自宅近く表参道の高級ブランド店には、連日人が並んでいる。 だからいずれ、積極的な経済活動を続けた結果の優良企業が、現在の株価指数を動かすようになり、株価指数などマクロ的な数値だけ見れば「景気が良くなった」ということも起こるだろう。
しかし、その時は、20世紀が概ねそうであったような「皆が豊か」な世界にはならないだろう。

就職できなければ起業すればよい。 組織を首になってもまた同じ。 自分の将来は、自分の能力だけが頼りだという、本来の姿に戻りつつあるその過程に私達は生きている事を認識できる人や組織だけが、数年後豊かになっていると思うのだ。

2003年2月28日 板倉雄一郎





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