板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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SMU 第162号「セミナーの抱負」

「実践・企業価値評価シリーズ」合宿セミナー(2005年1月15,16日)の募集は、締め切ったのです。
ところが、「締め切り」とアナウンスすると、追加募集を頂くのです。
(特に事務処理があるわけではありませんから、「案内を見落としていた。どうしても受講したい。」という方がいらっしゃいましたら、何とか調整しますので申込してみてください。とは言っても、会場の都合で、お断りせざるを得ないこともあります。)

ティザー広告をご存知だと思います。その広告をしっかり見ても、ぱっと見ても、結局何の商品の広告なのかさっぱりわからないが、少なくとも印象には残るという広告です。
しばらくの間、そんな広告を流し続けて、消費者が痺れを切らした頃に「これです!」って商品を出す広告手法です。つまり「じらし効果」というわけです。
最近では少なくなりましたが、昔々「コカコーラ」が日本に進出するときに、この手法を展開していたらしいです。(僕は生まれていませんから実際には見たことありません)
しかし、これ、それなりに効果があるわけです。
広告に限らず、いわゆる「飢餓感」や「枯渇感」を演出することによって、商品価値を高めるというマーケティング手法は多数存在します。
たとえば、音楽アーティストがこの方法を好んで採用します。戦略的な企業に所属する音楽アーティストのプロモーションの場合、これが非常に顕著に現れます。
「どうも美人らしいけど、チラッとしか見れない」とか、
「なんでちゃんと見せないんだよ」といったアーティストなんか、皆さんも心当たりがあると思います。
確かに効果があるわけです。
彼らが「コンサートを開く」ということになれば、TVなどで出すぎているアーティストより、そのチケットの売れ行きは盛況なわけです。

僕も昔ハイパーネットという会社で、間接的にマーケティングやプロモーションの仕事をしていましたから(ハイパーネットはIT企業ではなく、ITを使ったマーケティング支援企業でしたから)、この手の話は理論的にも、実践的(これは、実際の広告とそのレスポンスが売り上げになるビジネスモデルでしたからなおさらですが)にも、よーく知っています。

だからと言って、当事務所のセミナーのプロモーションのために、この手の手法を使っているつもりは、全く無いのです。無いのですが、「締め切り」となると、応募があるのです。
で、「次回の開催は、実施するかどうかも含めて未定」とご案内しているのですが、この表現も、「今申し込まないと、もうやらないかもよぉ?、しらないよぉ?」と脅かして(笑)、申込を誘っているわけではないのです。本当に「未定」なのです。
(ただし、ディスカウント・キャッシュフローであるわけですから、それを習得するのが早ければ早いほど、若ければ若いほど、効果は最大化するとは理論的にも断言できますが)

そもそも当事務所のセミナーは、数を集めて教えるには無理があるのです。ですから、一回最大30名(これは、経験的に限界人数です)としているわけです。
なぜなら、「はい、?ということですから、メモとって、後はゆっくり復習してください。おしまいです。」とやるのではなくて、「はい?ということです。では実際エクセルに展開してみましょう。画面と同じ結果が得られましたか? 出来ない人は近くのスタッフにサポートしてもらってください。」という感じで、受講生皆さんの知識吸収レベルを一定にする手法をとっているからなのです。
さらに、一つの事柄について、「?という意味でもあり、?という意味でもあります」とか、
「○○にとっては、?という意味であり、××にとっては同じことが△△という意味だということです」などと、その理解を「腹のそこに落としこめる程度」に高める方法を取っているからなのです。
(僕、学校の先生やったら、優秀な生徒が育つと、本気で思っています・・・が、やるつもりはありません(笑))

いろいろ書きましたが、少なくとも当事務所のセミナーに関しては、そのプロモーションを極めてストレートに行っているつもりです。
とは言っても、3,4人相手に、会場を借りて、スタッフを集めて実施するのは、ちょっと寂しいですし、収益もマイナスになってしまいます。
ですから、最小10名、最大30名で実施というわけです。
よって、次回のセミナーを実施するかどうかは、受講希望者が少なくとも10名に達した場合にのみ、適当な日程で開催するということになります。
「セミナー受けたい!」という方は、左フレームの「実践・企業価値評価シリーズ・セミナー個人申込」より「希望日程」をお知らせください。
次回の開催に際して参考にさせていただきます。

「ティザー広告」について書いているつもりが、募集を締め切ったはずのセミナープロモーションになってしまいましたね。ごめんなさい。

今年のセミナー関連の予定として、
「セミナー卒業生による、バリュエーション大会!」
を考えています。
卒業生同士で数人のグループを組み、評価対象企業を申告し、一定の期間後に会場を借りて、受講生グループによる個別企業バリュエーションのプレゼンテーション大会を実施するというわけです。
バリュエーション経験値の向上+
他人の評価方法の習得+
投資対象の発掘+
人的ネットワークの構築
と、様々な効能が考えられます。
が、何と言っても、楽しそうですよね。
共通言語を持った方々が一同に会し、現実の企業評価を通じて、(うまくすれば)金になる。
こんな楽しいこと、めったにないですよねぇ。僕はそう思うなぁ。

で、来年は、
「セミナー卒業生による、儲かった自慢大会!」
なるものが開催できればいいかなぁ?(鬼が笑っております)

2005年1月12日 板倉雄一郎





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