今回から始まる連載「スタート・ミー・アップ」。
テーマは読んで字のごとく、僕自身がこれから取り組もうとするビジネス、遊びなど様々なプロジェクトを気ままに書き記すことでございます。
え?と、その程度しか連載の意図は決まっておりません。
きっと、書き進めるうちなんらかしらのコンセプトというか、目的というか、つまり書く意味を見つけたいと思っています。
お暇な人、板倉を批評したい人、はたまたこの連載から何かを得られるのではないかと思う人、どんな方でも結構です。
アップデートは毎週金曜日を予定していますので、是非・・・いや少なくとも一月ぐらいは、僕の連載に付き合ってくださいませ。よろしく御願いいたします。
なお、お叱り、批判、励まし、間違い探しなど、何でも結構です、コメントはこのWEBの「読者の声」へ投稿願います。
「スタート・ミー・アップ」<第1号>
2002年6月、それまでおよそ1年半続けてきた糸井重里氏主催「ほぼ日刊イトイ新聞」での連載「懲りないくん」を自主的終了いたしました。
止めた理由は、一応「懲りないくん」の最終回に書きました。
が、本当の理由は、「ほぼ日」(糸井重里氏)と反りが合わなかったためでございます。2002年に入ってから、糸井重里氏はなぜだか理由の説明も無く、「ほぼ日」に寄稿する原稿に「★」(多分最大3つ)を付けて評価するようになりました。
僕はあれがとても気に入らなかったのです。寄稿者に対して何の説明もありませんでした。おまけに僕が見る限り、読者に対しても何の説明もありませんでした。
そのような手法に疑問を持ったのです。その手法が気に入らなかった理由はこうです。
彼の著書「ほぼ日刊イトイ新聞の本」という単行本の中で、彼は「経費を節約するために、寄稿者に『まかない飯』としての文章を御願いする」というコンセプトを書いていました。
僕が知っている限り、「まかない飯」とは、料理場の職人が腹を満たすために、対価なしにあまり物食材で料理する飯のことです。
あまり物といっても、この場合「=まずい」ということではなく、良く評価すれば、「客には出せないが、ヒミツのオイシイお料理」という意味も含まれます。
僕がこの本を読んだとき、すでに僕の意思で始めていた「懲りないくん」を書く価値を見つけた思いがしました。
「なぁーるほど、原稿料をもらって書く、いわゆる正式な文章、読者にカネを払わせる文章ではなく、自由気ままに書くことができる文章・・・そしてだからこそ本当のことが書ける文章を提供する場所なんだ」なぁ?んて、意気込んでいたわけです。
ところが「まかない飯」にいつしか「得点」が付けられ、それが多くの読者に告知されるようになり、がっくりきたわけでございます。
「まかない飯」だろうが「おごってもらった飯」だろうが、個人がそれに対して「オイシイ」、「まずい」を評価するのは個人の自由です。
しかし、それを頂いた本人が、多くの人に対して「今日のこのシェフのまかない飯はまずいぞぉー」などといったりすることは、僕の常識では考えられませんでした。
(ちなみに僕が知っている限り「ほぼ日」は「基本的に」原稿料はありません)だから書くのがつらくなったのです。(まあ、あちらにしてみれば、場違いな僕の文章は、邪魔だったのかも知れませんが)いずれにせよ、ぼくの決断は、「やぁ?めた」だったわけです。
不思議なことは、僕が止める決定をして、最後の原稿をアップしたその日から、突如として「★」の評価がなくなったことだった。
もちろん僕がクレームをしたわけではない。きっと、他の寄稿者に異を唱える人が居たのだろう。
そんなことより大切なことは、この最終回をリリースした直後、それまで沈黙していた「懲りないくん」読者より、たくさんのメールを頂きました。
そのほとんどは(実は僕もびっくりしたのですが)「毎週楽しみにしていた」というありがたい読者からの声でした。
そして僕は、その声にいつか答えようと考えていました。その結論が今回から始まる「スタート・ミー・アップ」ということです。
冒頭にも書きましたが、どのような文章のスタイルで書いていくかも決まっていません。だから多分、「むかついたこと」があれば乱暴な文章になるでしょうし、「幸せなこと」があれば、読者のほうが「かってにしやがれ」って思うような文章になるかもしれません。
が、これまで様々な文章を書いてきた僕にとって、この連載の一番の特徴は「勝手に書ける」ってことです。
つまり自分のWEBでの連載ですから、良い意味での「読者無視」の文章が書けるってことです。原稿料をもらうとね・・・読者対象は云々かんぬんん、この媒体のテーマは云々かんぬんと、余計なことが頭を掠めて、勝手にかけないのでございます。
「懲りないくん」では、日記スタイルを採用していましたが、今の僕は7月7日の結婚で独身ではなくなりました。それはつまりプライベートに僕以外の人間が居るということです。
だから、日記スタイルだと「勝手に書く」ができなくなっちゃうのです。なので、ここでは「カテゴリー」を適当に作って、思い立ったホットなことを書いていきたいと思います。
ちなみにカテゴリーは・・・政治、経済はもとより、僕の得意なネット、ベンチャー、さらにこれははずせない「食」や「旅」の遊びの部分、そして僕自身が取り組む様々なプロジェクトについてでございます。
ということで、今週は特別コンテンツも無く(実際には、書きたいことは山ほどあるのですが)とりあえず、開始のご挨拶でございます。
来週以降よろしく御願いいたします。
2002年8月2日 板倉雄一郎