板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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SMU 第71号「結果に対する合理性」

続・ハワイです。

せっかくだからとカラカウア通りのNIKEでゴルフシューズを新調。そしたら友人の一人が「僕も始めてみようかな」ということで、その場でシューズ購入。その後、アラ・ワイ・ゴルフ場で打ちっ放し。

「ちゃんと当たりますよぉ~僕」と喜ぶ友人・・・僕は心の中で「9番も、ドライバーも同じ飛距離ジャン」と思いながらも・・・「じゃあ、早速明日はコースに出ようか」などと調子のいいこと言ってしまった・・・月曜日のゴルフコンペの前に本日土曜日ハーフを回る。

結果は・・・一緒に回った他人(現地人)は怒ってコース途中で止めるわ、僕は神経張り詰めるわと最悪・・・初心者本人は「どうやら、僕がマズイようだ」と気がついてはいたようだが、何が悪いのかわかっていないほど、マナーもルールも知らなかったのでした・・・とほほ。マナーぐらい知っているものだと思いこんでいた僕が悪いのね。

「思い込み」・・・それは何事にも良い結果をもたらしません。皆様もご注意を。
僕のスコアは、「48.」かなりやばい精神状態の割には、まぁまぁ・・・でもここのコース、フラットでかつ短い。

日本は台風のようだけど、こちらの天気は上々。夕日が綺麗でございます。
しかぁ~し、ハワイのホテルは、どこもかしこもブロードバンド無し。

ピィ~ヒョロロォ~ガビィ~ガビィ~。久々のモデムの音を懐かしむわけですが、この音「こんなところで、仕事なんかするんじゃないよ」とハワイの人がいっているように思うのは、僕だけでしょうか?

アロハァ~~~~おえっ。

それでは、エッセイ本文です。

最近、覚せい剤取締法による4度目の逮捕となった芸能人がいる。彼は、刑務所に入ることになるわけだか、それで一体何が解決できるのかと、僕は合理主義の立場から思う。彼らは確かに法を犯した犯罪者である。それは間違いない。しかし同時に麻薬中毒(SMU 59号「恥ずかしかった話」の麻薬中毒はお笑い話ですが)という「病人」でもあるわけだ。この部分をしっかり分けて考えなくてはならない。

つまり、麻薬の取引で金を稼いでいるやつらは、あきらかに犯罪者であるが、その常習者は犯罪者以前に「病人」であるということだ。

では、犯罪より病気のほうが本人にとって楽なのかといえば、そうではない。
僕の亡くなった叔父は、東北の福島で精神病院を開業していた。その名も「板倉病院」。僕は高校生の頃、未婚で子供のいない叔父の病院の跡継ぎとして、福島にいた。おかげで喫茶店など人の集まる場所で、誰かが「おバカ」をやると、僕が「板倉病院」の跡継ぎだとも知らずに、「お前そんなこと言ってると、板倉病院行きだぞ!」などという暴言をよく耳にしたものだ。断っておくが、彼ら入院患者は病人なのであって、間違ってもキチガイ(放送禁止用語)ではないのだ。僕は小さい頃から、この病院の患者に接していたからよくわかる。

(院内で卓球をしたり、主に理系の勉強を教わったりした・・・その分野となるとかなりの優れ者が居るものなのです)

この叔父は開業前に福島県立医科大学を卒業後、福島刑務所にて(入所じゃないよ)刑務医としてその経験を積み、後に開業に至った人物である。開業後は、病院経営以外にも、いくつか刑事裁判にて、その手腕を発揮した。良くある「責任能力の有無」にかかわる裁判である。

この叔父が、生前、刑務所と精神病院を比較して、よく言っていた言葉がある。
「刑務所は、刑期が過ぎれば出て行けるが、精神病院はほとんど一生出ることができない。」

話を戻すが、麻薬の常習犯を刑務所に何度も送りつけても、実態として何も変わらないということを言いたいわけである。彼らを収容すべき先は、刑務所より厚生施設であり、ひどい場合には精神病院ということになる。幸い麻薬中毒は、中毒症状が解ければ、一生病院暮らしとはならない。

以上の例以外にも、この国の「問題に対する対処」は、お役所仕事=非合理的=非生産的=非国民的な処置が数々ある。つまり根本的な解決につながらない行政が多々ある。

これらは、たとえばその裏で誰かがたとえば経済的に得をしているという力学があればまだわかる。しかし、一部の誰かが得をするようなことでもないようなこともたくさんあるわけだから、さっさとわかるところから、手直ししていかないといけませんね。やっぱ政治が悪いですね。

政治が悪いついでに・・・
日本の国家財政は、「明らかに」破綻している。なのに個人向け国債などが新しく発行されては売れていく。僕は不思議でたまらない。
企業にたとえれば、40兆円の売上高に対して、有利子負債の返済や利払いおよびその他の固定費80兆円、有利子負債は各事業部門(=地方)も含めれば(推定)1,000兆円・・・さらにいきなり固定費を削るわけにも行かず、有利子負債を増やさなければならない状況。おまけにこの有利子負債の金利は現在のところ史上最低水準だから、今後間違いなく上昇する?国債費は間違い無く今後上昇する。。
それでこの企業(=国)のイイワケは、「今業績がよくなってきているから、もう少しで大丈夫」だって。

こんな企業があったら、あなたお金を貸しますか?

でも、貸すという人多いのですよね・・・個人向け国債が売れるわけですから。
以上の事情を承知の上で「愛国心」から国債を買うのなら、それはそれで価値ある行為だと思いますよ。でも不思議ですよね、「消費税反対」の一方で「国債は買う」・・・つまりその企業(=国)の売り上げ(=税収)には全く貢献したくないけれど、金なら貸すというわけです。この企業のほとんどの顧客は国民で、この企業が金を借りているのも同じ国民なんですけどねぇ。
「国債を買った覚えが無い」というあなた・・・あなたも、銀行預金、生命保険、郵便貯金などの契約ありますよね。あなたもしっかり間接的に買っている(=国にお金を貸している)んですよ。)

売り上げ(=税収)を増やさなければ、企業(=国家)は借金(=国債)を増やすしかないんですよ。倒産(=国家財政破綻)したら、債権者(=国債所有者=国民)が損をするんですよ。

まあ、国債の発行残高を増やすのも、税収を増やすのも、実態的にはさほど大きな違いは無いんですけれどね。

いろんな名目(国債やら特別会計上のさまざまなキャッシュフロー)で複雑な「吸い上げ」などせずに、たとえば消費税25%(数字は適当です)とかにして、他の税はなくしますなどとしてしまえばいいのに。(ヨーロッパでは、消費税25%という国ありますよ)と僕は思います。

それが駄目なら、強烈なインフレを作り出すしか有利子負債を解決する方法は無いわけですね。あら、誰ですか「インフレになるなら、今のうちに借金しよう」なんて言ってるのは・・・インフレになると確かに貨幣価値が下がりますよ。でも同時に金利も急上昇しますからね。インフレの前に金を借りるなら、長期の固定金利で借りなくてはいけませんよ。

以上、遠い島から日本を眺めてでした。

2004年6月21日 板倉雄一郎

今日の数字占い 3302 , 4680 , 4915 , 4751
しかるべきときになったら、文字占いも始めますね。たとえばAAPLとか。




 


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