板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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SMU 第90号「もろもろ」

昨日は、エッセイお休みしてしまいました。
夏ばてのせいでしょうか、体調が悪く、一日中寝込んでおりましたとさ。
無理が利かない歳を実感しております。

第89号に「企業価値評価シリーズ」名古屋塾の塾生からのコメントを頂いた(本人としては、僕個人にコメントを下さるつもりで、オープンになっちゃったみたいです)ので、ここでちょっとだけ、教えている側の僕の印象を書いてみたいと思います。
教えるのは、何が難しいかといえば、教わる側の知識や経験がどれほどなのか? ということを把握するのが難しいというわけです。
教わる側がわかりきっていることを話していれば、「あほくさ、金損した」と思われてしまいますし、全く知識圏外のことを話していれば、「わかんねぇ?よぉ?、金返せ」となってしまうわけですね。で、これら極端な場合は、様子を見ながら調整ができるわけですが、複数の塾生の知識と経験のレベルが違うと結構大変です。こういう場合は、わかっている人をエクセルシートの入力に進めて、理解が完璧で無い人に対して、別の角度から説明を加えるとなるわけですが、うまく行っているのかどうか・・・・。
それでも、今回の名古屋シリーズに関して、とてもうれしいことがあります。それは第一回目の後にも、彼ら塾生が塾生同士で補習を開催し、知識の平均化を自主的に行っているという点です。単に僕の教え方が悪いだけかもしれません。しかし、意外と数字や財務に詳しい人が少ない、わが国の経営者が、これを機会に「数字に強くなりたい」という意欲を感じることは、教える側の僕にとって教えがいがあるというものです。

話しは変わりますが、今回のスタッフ募集に応募してくれた「米国株を中心に投資をしている」ある方も、そして僕自身も、日米の株価の動きについて同様の意見を持っていました。
簡単に言えば「米国株は、セオリーどおりに動くが、日本株はよーわかん」ということです。
要するに、企業価値に影響を与える要素があれば、米国株はそれぞれそのように動きますし、また企業価値に直接影響を与えない要素(たとえば株式分割など、詳しくは第77号)の場合、日本株ほど、米国株は大きく動かないといった点です。
日本株投資の場合、企業価値やら、それに影響を与える要素、さらに自社株買いや配当などの及ぼす影響(詳しくは、第67号)など、本質的な株価構成のシステムについて、下手に理解があると、博打としての投資機会を逃してしまうとうことがあります。
先日、あるデイトレーダーのレコードについての話を聞きました。嘘か本当かは、彼の取引履歴をみなければわかりませんが、彼の自己申告による成果は、昨年(2003年)の年末に、わずか200万円でスタートしたデイトレで、現在1億ほどになったという話でした。取引銘柄はわずか4社。
確かにこの4社を上手に入れ替えながら、この期間投資を続けていれば、「ありえない成果」ではないことはわかります。あくまで「今」から「過去」を振り返ればの話ですが。
一方、僕は教えていただいたこの4社の業績や企業価値についてもちろん調べてみましたが、とても僕が企業価値に基づいて投資できる対象ではないというわけです。ところが、実際には当該企業の株価は、激しく上下しています。ある企業の場合、この2週間で株価が4倍!にもなっていたりします。
企業価値にとらわれずに、たとえば分割予想に基づいて「投機」に徹するというのも、正直、ありえるなと思ったりもします。ただし、その手法がこの先何年も続くわけでもありません。
結局は、企業価値評価を習得した上で、「需給に乗る投機」と「企業価値に基づいたバリュー投資」と使い分けられる必要があるというわけですね。
僕の次なるテーマは、この使い分け部分です。
きっとお勉強代をたくさん払わされることになるとは思いますが、素直に投機も楽しんでみたいと思います。ただし、総資産に占める割合は、ほどほどにいたしますが。

それでは、本題・・・っと書きたいところですが、本日は昼間の予定がたくさんありまして、ここまでで終わりです。すんまそん。

2004年7月14日 板倉雄一郎





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