板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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パートナーエッセイ 第5回 「だって、楽しいんだもの!!」

★板倉の休暇中、当事務所のパートナーによるエッセイをお送りしております★

自分と自分に関わる人たちのキャッシュフローならぬ、ベネフィットフローを高めたい。最近思うことです。もちろんキャッシュも含まれますよ(笑)。

ということで、はじめまして!板倉雄一郎事務所パートナーの大橋です。普段の仕事では会社の予算編成、中長期計画を作っています。板倉さんとの出会いは第一回の企業価値評価セミナーでした。それよりも前に板倉さんをテレビで見たときに、「この人と会う気がする」 そう思いました。結果的には自ら足を運んで会いに行ったわけですが(笑)。

第一回のセミナーは2004年の10月にスタート。現在の合宿形式とは違い、週に一度3時間のコマを6週間に渡って学ぶというものでした。受講生も7人と少人数だったいうこともあり毎回の講義後は懇親会、まあ、つまるところ飲み会です(笑)。板倉さんによる「生・社長失格」、「生・懲りないくん。」、それから相対性理論の話、男女の話(これがメイン!?)となんとも楽しい時間を過ごしたわけです。現在の合宿セミナー夜の部(懇親会とその後の雑談)の原型と言えるかもしれません。授業も懇親会も楽しくて楽しくて仕方が無かったので、2回目のセミナーもお手伝いさせてくださいとその時の受講生F夫妻とで申し出たのを覚えています。これは再受講制度の原型(!?)、、というのは思い込みかもしれません。

第二回からは現在の合宿セミナーの形になり受講生、再受講生とパートナーで週末の二日間を過ごすものとなりました。そんなこんなで毎回参加しているうちに、僕にも何か出来ることはないだろうかと考えるようになりました。「財務基礎講座」はそのうちのひとつですが、パートナーとして参加することになりました。そして前回の第13回セミナーまではパートナーになる前も含めてフル参加したことになります。

昨年の4月からはもっと多くの人にきっかけをということで、オープンセミナーが開かれるようになり、それまでよりも多くの人と出会うチャンスに恵まれています。懇親会では板倉さんから「セミナーの財務基礎講座を担当」と紹介されますから、それをもってよく受ける質問があります。

「財務や会計の知識はどれぐらいあればよいのでしょうか?」

実を言うと分からないというのが正直な答えです。もちろん、その人その人の話を聞きながらその人に合うであろう提案はしてみます。ところがValuationは資格試験ではないので、学ぶ上での知識の範囲を限定することが難しいのです。だから逆に聞いてしまうのです。

「ところで、今日は楽しかったですか?」

肯定的な答えが返ってきます。難しかったけど、という条件が付いていても肯定的な答えが返ってきます。

「じゃあ、大丈夫ですよ!」と答えます。又、こんな話も聞きます。

「財務会計についてはあまり自信がないのですが、セミナーは大丈夫でしょうか?」

こんな時は間髪いれずに答えます。

「あー、まったく問題無し!大丈夫ですよ!」

決して無責任に答えているわけではありません。どちらの質問にもその背景には「セミナーに参加したい」という意思があります。実は、知りたいという気持ちや、もっと学びたいという気概、それをもって参加したいという意思があれば、知識に関する問題はとっくに解決されている場合が多いのです。ですから、続けて、

「もう、是非参加してください!」と強く奨めちゃいます。

後は本人の意思決定に拠るところなのですが、僕が強く奨める理由。それは僕自身が受講生だったこと、受講したことにより素晴らしい刺激を沢山受けたからです。もっと簡単に言ってしまえば 「だって楽しいんだもん!」 ということになります。

冒頭に触れたベネフィット・フロー。ベネフィットは利益とか便益なんて訳されると思いますが、もっと広く捉えて楽しさ、喜び、満足なんて感情も含めていいと思います。僕自身がセミナーに参加してからたくさんのベネフィットを受けてきました。それを味わってもらいたいという思いから奨めるのです。ひょっとしたら押し付けがましいのかもしれません。ただ、僕にとっては友達にお気に入りのレストランを紹介する、興味深かった本を薦める、そんな感覚です。

せっかく自分が受けて蓄積されたベネフィットは次の誰かに配るというのが良いかもしれません。楽しかったこと、満足感、そして実際に得た知識などを伝えるということです。また、一緒に楽しい活動をするということでもいいかもしれません。もちろんこれらはセミナーに限ったものではありません。

水は貯めっぱなしにしておくと澱んでしまいますが、流れがあれば綺麗な状態が保たれます。父親に小さい頃から言われていたことがあります。「金とうんこは貯めんじゃねっ!」 良いお金の使い方をしなさいということだと思います。後者は説明不要ですね。体に良くありません。そして、今であれば「ベネフィットとうんこ(うんこはもういいですね(笑))は貯めんじゃねっ!」となります。

さて、ベネフィットがキャッシュと違うところはベネフィットの場合配った後もその蓄積は減らないということです。自分の周りがベネフィットに溢れてくれば、これ楽しいことこの上ないわけです。

ちょうど先日の板倉さんのエッセイに「企業」とは何かを説明する図が載りました。例えばあの図を「家族」とか仲の良い「仲間」に置き換えてみるといいかもしれません。小さなグループが社会を構成しているわけですから、小さなグループのベネフィットが大きくなることは、そのグループと隣り合うグループのベネフィットにも影響を及ぼすということです。

板倉雄一郎事務所は小さなグループです。 小さいがゆえにセミナーの募集人数は毎回30人までと限られます。しかしながら、企業が会計単独期の大きな利益よりも長期に渡って継続的に利益(キャッシュ及びベネフィット)を生み出すことが大切であることと同様に、30人というリミテーションはありながらも、志のある活動を長期に渡って続けることが大切であるということを毎回毎回感じます。

これまでのセミナーやそこで出会ったみなさんとの時間共有によって、相互に大なり小なりのベネフィットがもたらされていることを実感します。そこで出会った人たちは、自らの属するグループにいかにベネフィット(価値提供)をもたらすかを考えるようになった、また、実際に活動しているということも聞きます。素晴らしいことだと思います。

ベネフィット・フロー最大化。最大化なんて力まなくても、みなさんの周り、まずは近しい人のベネフィットをちょっと高めるように働きかける。毎日の生活が楽しくなるかもしれません。

2006年3月18日 N.Ohashi

ご意見ご感想、お待ちしています!

PS:
僕の文章は普段の僕と印象が違うという人がいます。プラススプレッドなのかマイナススプレッドなのかはよく分かりませんが(笑)。今日の文章を目にしてこれから出会う方、楽しみです。





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