板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

企業価値評価・経済・金融の仕組み・株式投資を分かりやすく解説。理解を促進するためのDVDや書籍も取り扱う板倉雄一郎事務所Webサイト

feed  RSS   feed  Atom
ホーム >  エッセイ >  ITAKURASTYLE  > ITAKURASTYLE「リハビリウィーク」

ITAKURASTYLE「リハビリウィーク」

読者の皆様、ゴールデンウィークはいかがでしたか?
今年のGWは、日割りも悪く、天候も地域によっては思わしく無かったですね。
でもその分、本を読んだり、くつろいだり、インドアでの時間を楽しむ良い機会だったのではないでしょうか。

僕のGWは、タイトルどおり「リハビリウィーク」でした。

思い返せば、2007年年初の愛犬の癌発病から看病、そして2007年6月1日の他界は、12年間ずっとそばにいた愛犬を失う辛さを経験し、その後今日に至るまでのおよそ1年間は、(普段意識はしていませんでしたが)彼の居ない毎日にどこか心が重い日々でした。

この期間、僕は、将来を見据え、希望を持ち、力強く前進する姿勢を失っていたと、今振り返れば思います。

そんな自分の不健康な精神状態は、様々な悪い変化をもたらしました。
しかし、このGWに、やっと改善することができました。
以下、その過程のご報告です。

1、メタボリック

それまでは、ほぼ毎日、朝5㎞、夕方5㎞のワンコの散歩、週に3日はお台場はホテル日航東京の「スパ然」にて水泳とサウナ、そして週に2日程度のお食事会(と、うまく行けばその後の「映画鑑賞」(笑))というエクササイズ(?)を行っていました。

当時の体重は62㎏前後、体脂肪率は12%前後でしたから、毎朝起きると姿見に自分の体を写しては、みょ-に納得していたりしました(笑)

けれど、このGW前では、1匹になった愛犬はあまり歩きたがらず、原宿の自宅を引き払った関係で、当時船橋の自宅との往復時に通っていた「スパ然」にも足を運ばなくなり、さらに愛犬を失ったストレスからなのか食べて飲んでは寝るを繰り返した結果、最も多いときで体重は72㎏とベスト体重から10㎏も増加し、体脂肪率は32%!にまで増加してしまいました。

しかし、「雄太を失ってからそろそろ1年だな」と思いはじめたGW前、僕はやっと、「自分にはまだ十分な人生の時間がある。こんなことじゃ雄太も喜ばない」
と思うようになり、雄太の命日にあたる6月1日に、彼の遺骨を彼が大好きだった九十九里海岸に散骨する計画を立てることによって、何かが吹っ切れ、一念発起したというわけです。

それからというもの、
毎朝30分程度、ストレッチを実行し、
たんぱく質と野菜を中心にした食事に切り替え、
毎日のように飲んでいたワインを、3日に一度に制限し、
食事のたびに飲んでいたビールを一切止め、
長期間サボっていた「スパ然」にほぼ毎日通い、
(↑ 「スパ然」は、本日より7月20日まで改装のために休止になることもあり、今のうちにと毎日通ったという事情もあります。「スパ然」の休止中には、お隣メリディアングランパシフィックのスポーツクラブが使えるのでエクササイズは継続できます。)
加齢による新陳代謝を補うために「L-カルニチン」を毎日摂取した結果・・・。

体重は、7kg減の65kg、体脂肪率は6%減の26%!にまで復帰しました。

この1年半の怠惰な生活で筋肉が減少したおかげで、当時と同じ体重に戻したとしても、体脂肪率は元には戻らないわけですから、今後はなお一層の食事制限とエクササイズが必要になるのはわかっています。もちろん加齢による新陳代謝の減少もあります。

一念発起し、リハビリを始めるということは、そういった「現実」を直視する辛さもありますが、一方で、わずかな期間の努力ではありますが、そのおかげで、会う人会う人に、「痩せましたねぇ!顔がすっきりになりましたよ」といわれるようになり、お調子者の僕の場合、その言葉だけでも今の健康管理を続けられそうです。
(加えて、「お食事会」での成果(?)が加われば、なお一層前向きな努力を継続できると(笑))

体が軽いと動きたくなる。
動けばさらに体が軽くなる。
ようやく、1年半の鬱な生活から抜け出し、「懲りないくん」の頃のような活動力を再び得られる気がします。

もちろん、再生したエネルギーは、「映画鑑賞」だけではなく、今の仕事に向けるつもりですが(笑)

以上のようなリハビリを続ける中で、精神的にも、肉体的にも、今と同じような健康状態だった時を思い出しました。

それは忘れもしない1998年。
1997年年末、僕の経営していた会社が倒産し、倒産までの過程でストレスによる過食と運動不足により、このGW前と同じような健康状態になっていました。

1998年は、そのどん底からの復帰として、「まずは健康管理」と、今回と同じような過程を辿り、なんとか復帰しました。

当時と違うのは、
一回320円の船橋運動公園のプールが、高額な入会金と会費の「スパ然」に、
2匹居た愛犬が、一匹に、
当時、34歳だった僕が、今は44歳に、
そんな違いはあるものの、最も異なっていることは、「今は明確な仕事がある」ということですし、復活したエネルギーを「懲りないくん」活動に注ぐのではなく、現在の仕事に注ごうという気持ちです。

自分の理想に近づけない方がいらっしゃったら、
「まずは健康管理から!」

と覚えてください。
健全な精神と肉体は、それを「維持しようとする気持ち」が仕事や遊びの原動力になるはずです。

2、インプットモード

肉体ばかりではなく、精神的にもこの1年半、僕は相当病んでいました。

それまでは、必要な情報や知識があれば、即座にネットで調べたり、アマゾンで該当する書籍を注文したり、とにかく学習と知識向上に貪欲でした。

しかし、愛犬の看病に没頭しているうちに、そんな意欲は減退し、「今持っている知識や経験だけでうまくやろう」という精神的怠惰が続きました。

幸い、過去の努力や経験のおかげで、何とか1年半をやり過ごすことができましたが、そんな怠惰なことを続けていると、株式市場、金融業界で起こる様々なことに対する「明確な解析と予測」ができなくなっている自分に気がつくことになります。

すると、
「自分の能力に限界を感じる」
ことになるわけです。

でも本当は、能力に限界があるのではなく、自分の能力を磨くこと(=つまり自分に対する投資)を怠っただけであることに気がつきました。

それからというもの、足りない知識を補い、市場の動きを分析し、さらに一つ一つの企業価値評価を以前のようにUFOを読み漁りながら行う「癖」を復帰させました。

GW中に読んだ本は・・・
行動ファイナンスに関する書籍数冊、
これまで積極的に知識吸収を抑えていた「投機術」に関する書籍も、自分とは違った価値観で動いている投機家の行動を探るために数冊、
(↑ もちろん、短期売買を僕自身が行うために読んだわけではありません。が、デイトレ指南書などは、ある意味面白かったです(笑))
マクロ経済と、市場原理に関する新しい概念に関する書籍数冊、
そして、「鈍感力」(笑)など、市場と離れた内容の書籍数冊などです。
これらの書籍は、新しい知識というより、自分と違った価値観や市場の捉え方を学ぶことに役立ちました。

読書による情報や知識の吸収という「自分への投資」は、それをやっているだけで、どこか心が落ち着く効能があります。

「リスクは、自分が何をやっているかわからないときに最大化する」
 by Warren E Buffett

僕は、せっかくの人生の時間を、すべてチャンスに変えたいと思います。

しかし、知識や情報なくして何でもかんでも手を出していたら、リスクが増大するだけです。
だから、低リスクで何にでも対応できるように、自分への投資を継続したいと思います。
わからないモノには手を出さない。
しかし、興味があるなら対応する知識を手に入れる。

死ぬまで勉強することこそ、生涯を楽しみ続けるための最も基礎的なことだと思います。

3、とはいえ楽しい時間も人生には必要・・・持つべきは友人

このGWは、以上のような極めてストイックな生活ばかりしていたわけではありません。
GWらしいイベントもありました。
当初は、「1人と1匹」で行く予定だった裏磐梯は桧原湖キャンプの前日のお食事会で意気投合した男性陣2名と共に、2泊3日のプチキャンプに出かけました。

まだ桜の咲いていない桧原湖では、スモールマウスバスは冬眠中らしく、釣りをするもマルボーズ。

しかし、裏磐梯の大自然のなかでの男同士の語らいは、とても刺激的でした。
ぼくより遥かに若い金融系のメンツとの語らいは、今彼らが何を考え、どんな価値観で行動していて、市場がどのように変化しているのかなどについて、新しい発見がいくつかありました。

「男同士」ってのも、なかなかいいなぁ、と思わせてくれる楽しいプチキャンプでした。(もちろん、男同士ですから、女性に関する話も大変刺激的でした(笑))

それにしても、夜は寒かった。

ってな感じのGWも明け、この期間にインプットした知識や情報を、今後はこのサイトを中心に再び発信していきたいと思います。
暫く休んでいたエッセイですが、本日のこのエッセイを手初めに、今後も「楽しみながら」続けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2008年5月7日 板倉雄一郎

PS:
要するに愛犬を失ったショックがおよそ1年続いていたというわけです。
幸い、彼の生前に最大限彼に接したおかげで、後悔は免れていますが、振り返れば彼を失ったショックがあらゆるところに悪い影響をもたらしていたと今では認識できます。

思えば、「長期間共に暮らした生物の死」は、それまで幸運だったのか、彼が最初でした。
未経験のことに対する適応力が無かったわけです。
これから歳を重ねるごとに、このような機会が増えると思いますが、こればかりは「順番」ですから、どのように受け入れ消化するか、という対策しかできません。

愛する生物を失うことは、悲しいですし、ショックです。
それを免れることは絶対にできないと思います。
しかし、「後悔」を免れることはできます。
相手が生きているうちに、可能な限り向き合い、接することです。
今は、もう1匹のワンコ(スタンダードダックスフント雄11歳半)が生きているうちに、可能な限り彼と向き合い、可能な限り接することを楽しんでいます。





エッセイカテゴリ

ITAKURASTYLEインデックス