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ITAKURASTYLE「自民惨敗」


表題の通り、参議院選挙の結果は、自民惨敗です。
僕は、政治家ではありませんし、政治評論家でもありませんが、政治の手段の「大部分」が、「お金の話」であることに疑いの余地がありませんから、簡単に表現させていただきます。
自民惨敗そのものについての考察は、それこそ政治評論家に譲るとして、与党が惨敗したことによって、あきらかな事は、「政策の先行きが読みづらくなった」ということでしょう。
消費税にしても、
年金にしても、
公共事業にしても、
農地改革にしても、
公務員の処遇にしても、
そして税制にしても、
とにかく「お金の話」なのですから、「政策が読みにくくなった」ということは、すなわち「経済の先行きも読みにくくなった」ということに他なりません。
確かに、足元の企業業績は、悪くありません。
しかし、資本市場は、「取引される価値が将来の経済価値を因数にしている」わけですから、将来の見通しが、より不安定になるということは、直ちに「現在価値の下落」につながります。
ファイナンス理論的には、取引される経済価値に対する「リスク認識(=投資家の期待収益率=将来キャッシュフローの割引率)」が増大することによって、現在価値が小さくなる減少と解釈されます。
資本市場は、与党が議席数を減らすことを、既に「折込済み」との見方がありますが、「織り込む」ことと、「それが現実になること」には、やはり違いがあります。
政策の見通しが読みづらくなることは、誰の目から見ても明らかですが、今後の政策がどのようになるかを明らかにすることは、誰にもできません。
しばらくの間、資本市場は、混沌とした状況が続くでしょう。
2007年7月30日 板倉雄一郎    





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