板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「己を知る」


最初に断っておきますが、僕はいわゆる短期トレードが苦手です(笑)。
ニュースフローを追いかけ、チャートを分析し、売買板の様子を見ながら売ったり買ったりすることの「面倒くささ」も好きではないし、そんなことをする時間があったら、もっと他に本質的な社会に対する価値提供に成り得る何かをしたほうが人生の時間を有効に使えると思う、という理由もありますが、実は、短期トレードで儲ける技を知らないというか知ろうとしないというか、まあ要するに短期トレードによって、過去にあまり儲けられた経験が無い、というのが本音です(笑)
だからこそ、価格変動より、投資対象の価値に根ざした中長期の投資に目覚め、勉強し、経験し、学習した結果を、自身の資産運用だけではなく、広く読者やセミナー受講生の方々にお伝えすることを一つの仕事にしています。
でも、中長期の価値に根ざした投資活動は、一度ポートフォリオができてしまうと・・・「暇」なのです。
で、たまぁ?に、(デイトレとまでは行かなくても)魔が差して短期トレードしてみたりすることがあります。
結果、数日間で結構儲けることがありますが、(僕自身の予測どおり)次の数日間で同じぐらいロスすることが多いわけです(笑)
つい先週も、2日間で一般的なサラリーマンの数か月分のギャンブルゲインを得たと思ったら、その後の2日間で同じぐらいのギャンブルロスを出してしまって、元に戻ってしまったりしました(笑)
この発作が起こっても、一通り、儲けては同じぐらい損したり、その逆に、損しては同じぐらい儲けたりして、「一巡」すると・・・
「やっぱ、僕には向いてない。
 やるべきじゃないという一貫性って大切だよな」って(笑)
こういう「発作」って、投資に限らずあらゆるところで起こります。
恋愛についても、車選びについても、食事にしても、広く仕事内容についても。
40年以上生きてくると、何が自分に向いていて、何が自分に向いていないかを、やる前に経験的に判断できるようになるわけです。
だから、歳を重ねるごとに、いわゆる「得意分野」に(時間や能力などの)集中投資をすることによって一貫性を高めることが望ましいと思います。
だって、自分自身をどれほど「特別な存在だ」と思ったところで、社会における一人の存在は、社会の一部でしかないわけですから。
どんなことについても、己を知り、相手を知る・・・これ大切だと思いますが、相手を知ることについては、少しずつでも積み上げることができると思いますが、己に関することは、己が最も知っているはずなのに、ふと忘れてしまったりします。
僕の場合、「周囲に流される活動」は向いていなく、「周囲の流れに逆らう活動」は良い結果が得られる傾向にあります。
でも、無理に「逆らおう」と思ってすることは、うまく行かず、自然に「逆らった」場合、良い結果が得られます。
そんな自分を知り、好きで居られることが大切なのだと思います。
己を知る・・・これ結構難しいことだと思うのです。
でも、己を知り、受け入れ、好きでいることは、ハッピーであるための必要条件だと思います。
2007年11月7日 板倉雄一郎
PS:
企業に置き換えれば、その企業の価値の源泉(=バリュードライバー)が何であるか、を知った上での経営が求められることと同じです。
バリュードライバーが何であるか、をしっかり認識していなかったことに起因する企業の失敗は、実は結構たくさんあります。
最近の僕の「お呼ばれ講演」のネタでもあります(笑)
PS^2:
民主党小沢代表(?)の場合、自ら掲げた目的のために周囲を巻き込む魅力がある一方で、道半ばで急に気が変わってしまう傾向があると思いますが、僕にも似たようなところがあると僕は感じています。
僕はそれを良く承知しているので、「かっちりした組織」の運営は、この10年封印してきました。
だって、巻き込んだ人を失望させたくないじゃないですか。
己を知ることは、周囲を失望させないためにも大切なことだと思います。





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