板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「金融の一人歩き、なら結構だが」


レバレッジ、デリバティブ、投機的為替取引、先物取引、超短期トレード、システムトレード・・・
金融が、実体経済のリスクを吸収するという補佐役で居る限りにおいては、その進化は歓迎すべきところですが、現在は、あたかも金融そのものが、何か価値を生み出しているかのような振る舞いをしています。
金融の一人歩き(=金融業界内部でのゼロサムゲーム)は結構ですが、金融システムに何か問題が発生したときに、その影響が広く実体経済に及ぶのだとしたら、「本末転倒」です。
金融業界は、「社会における本来の金融の役割」を忘れてしまっているかのようです。
今、サブプライムローン問題に起因する損失を、世界中の投資家が負担しています。
おそらく、このエッセイを読んでくださる皆さんも、(ショート組みを除けば)それなりの負担(価格変動の場合でも、価値変動の場合でも)を強いられているのではないでしょうか。
その額は、(ざっくり計算の範囲では)、既にサブプライムローンと認識される150兆円を上回っていると思います。
金融市場への参加者が広く一般にまで広がったことによって、金融ショックが実体経済ショックと直結する傾向が強くなってきました。
社会に対する影響力の強い人間ほど、そのモラルが問われるのだと思います。
そうでなければ、(サブプライムショックがそうであるように)、影響力の強い人間自身も損失を免れないわけですから。
どれほど金を持っているか、より、どうやってその金を稼いだのか、に人の価値を依存するような世の中にならないものでしょうか。
人の価値は、本来、「何をしようとしているのか」に依存すると思うのです。
こんなことを書くと、「資本主義システムが悪い」という結論を出してしまう場合がありますが、資本主義でも、共産主義でも、そのシステムを担うのは個々の「人間」であることに変わりはありません。
問題は、システムそのものではなく、システムを動かす「人間そのもの」にあるのだと思います。
システムに溺れるか、システムを上手に利用するか、それだけなのだと思います。
システムを上手に利用するためには、「広く長い視点」が必要なのだと思います。
2007年11月21日 板倉雄一郎
PS:
先日、亀戸で「火鍋」を食べました(笑)
この小さな店、各テーブルに、「ティッシュ」が置いてある。
そのわけは、実際に食べてみればわかります(笑)
ふぅ????
わずか数千円で、至福の時を味わうことができる・・・ああ美味かった。





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