板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「なんでそーなるの!」

前号ITAKURASTYLE「お金を大切に扱う」のような文章を書くと、御決まりのように一部の方から、たとえば以下のようなメールが来るんです・・・

「板倉さんの今回のエッセーには意見があります。紙幣をゾンザイに扱われ、渡された側の気持ちになってください。きっと良い気分ではないはずですよ。」
とか。

なんでそーなるの!(笑)

前号の文章のどこにも、「紙幣をゾンザイに扱うべきだ」とか、「紙幣そのものを大切にするべきではない」などと書いていません。

僕の前号の文章による主張は、
「紙幣そのものを大切に扱うことが、お金を大切に扱うと言うことではない」であり、
「紙幣そのものはゾンザイに扱っても良い」ということではありません。
また、僕自身、紙幣をゾンザイに扱っているつもりはありません。
ただ、「ことさら丁寧に扱っていない」だけのことです。
紙幣をぶん投げるわけでもなければ、
ポケットの中にグチャグチャに入れているわけでも、
床に落として、「ほら拾え!」と言うわけでもないのです。
しつこいようですが、ことさら丁寧に扱わないだけです。

その僕の振る舞いに対して、「ことさらうるさく注意する」一方で、収入や資産などに見合わないブランド持ち物をたくさん持っている彼女に対して幻滅したのです。

僕は、自分が書いた文章を、読み手にもしっかり読んで頂きたいとは思いますが、以上の主張は、そんな僕の身勝手なお願いのためだけに書いているわけではありません。
文章の本意を読み取れない読者自身が、その後の人生で損をする可能性があると危惧します。
人と人のコミュニケーションに「言葉」はとっても重要です。
言うまでもありません。
(もちろん、僕の言葉遣いが、完璧だ!などとは全く思っていません。むしろ下手だから、繰り返したり、注釈を入れたりと、それなりの努力をしているつもりです。)

で、中には「んなこと当たり前で、誰だってわかってるよ!」みたいなメールも来たりします。
確かに、「大切にすべきは、紙幣そのものより交換される価値だ」と書けば、「当たり前だ!」となるでしょう。
しかし、本当に誰でもそれを理解しているでしょうか?
本当に誰でも理解しているとしたら、「お金を大切に扱う=経済の仕組みについて理解する」がもっと起こってしかるべきでしょう。
しかし、そうはなっていません。
大切なお金を、上場企業の株式をパチンコ同様に考え、価値と価格の意識など全くないまま、売ったり買ったりしている人たくさん居ます。
お金をゾンザイに扱う人、結構たくさん居るのです。

2006年5月21日 板倉雄一郎





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