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ITAKURASTYLE「セールス・プレゼンテーション」

北朝鮮による核実験のニュースが飛び交い、
メディアでは、有識者によるコメントが盛んに行われています。

2006年10月10日の資本市場の相場は、「日本売り一色」だろうとか、
中国が北朝鮮に対する態度を硬化するだろうとか、
安倍政権は、危険な方向に傾斜するだろうとか、
様々な「将来予測」が報道されています。

将来予測はともかく、北朝鮮の核実験による明らかな効果は、
北朝鮮の核関連「商品」の「プレゼンテーション」が行われた、
ということでしょう。
最も懸念することは、このプレゼンテーションによって、
核関連ブラックマーケットにおける北朝鮮の「商品」の販売加速でしょう。
いわゆる「核拡散」のリスクです。

世界のバランスオブパワーが、「国家」という単位を基準に「取引」されるうちは、
それなりの「体裁」や、「経済的利害」などが、
それぞれの「国家」の行動を抑制できる可能性がありますが、
一旦ブラックマーケットに各関連商品が流出してしまえば、
「国家」という単位の牽制は働きにくくなるでしょう。

「経済がグローバル化すれば、戦争は抑制される」という、
ウィルソニアン的考えは、果たして、現実に即しているのでしょうか。
「中国の(北朝鮮に対する)影響力」は、
残念ながらブラックマーケットの取引には、大した影響を与えないと思います。

2006年10月10日 板倉雄一郎

PS:
9.11の時、NYSEやNASDAQは、割と冷静だったと記憶しています。
本日の東京市場は、どうなるでしょうか。
外国人が「売り逃げ」るのは、結構ですが、
私たちは、私たち自身の経済力(=価値提供)を信じたいと、僕は思います。
少なくとも、「安く譲ってくれてありがとう」と思いたいものです。





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