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ITAKURASTYLE「再チャレンジ可能な社会の実現」

表題が、安部晋三(予定)内閣の一つのテーマだそうです。
これに関しては、雑誌「VOICE 10月号」(PHP研究所)に、
僕の主張を文章にして寄稿しましたので、是非ご覧ください。
今、書店に並んでいるはずです。
(同紙には、2006年3月号同様、
 表紙にまで僕の名前を入れて頂き、感謝です。)
僕の2000文字だけに620円(税込み)を支払うのは割高ですが、
他にもたくさんの価値ある提言が盛り込まれていますから、是非。

要するに、
「制度」でやるべきこと、
「教育」によってやるべきこと、
そして、いずれにせよ、それを実行する「人」の調達が必要なこと、
これらを抜きにして、いくら理想を語っても意味がない、という内容です。


ところで、面白い話を一つ・・・
僕にとっては、どうでも良いことなのですが=どうにでも解決可能ですが、
僕のような過去に自己破産をした者は、
クレジットカードを持つことができません。
民間金融機関の「ブラックリスト」にその名前が載っているからです。
僕の自己破産は、1998年。つまり8年ほど前のことですが、
現在の僕の収入や、
純資産額(すくなくとも日本国民の上位1%以内に入ります)や、
職業などをもってしても、クレジットカードを作ることができません。
毎年、(半分冗談で)どこかのカードを申し込みますが、
つい先日も、ご丁寧な「お断り」をいただいたばかりです。
クレジットカード会社も、わざわざリスクを取ってまで、
過去に自己破産した数少ない人間に、
カードを渡そうとは思わないでしょうから、
僕は、国内のクレジットカードを、きっと一生持つことができないでしょう。

その代わり、しっかりデポジットを積んだ
オフショアバンクの発行するカードは所有しています。

欧米では、自己破産した者に、ゴールドカードが送られてきます。
なぜなら、一度自己破産すると、北米では(確か)3年、日本では10年間、
「次の自己破産ができない(=債権者は確実に回収できる)」と、
法律で定められているからです。
まあ、日本の金融機関と違って、賢く、合理的ですよね。

そんな僕でも、ちょっと困ることがあります・・・ETC。
ETCには、プリペイドカードなどありません。
ETCを利用するには、(国内の)クレジットカードを持つことが大前提です。
僕は、母親のクレジットカードの発行によるETCカードを、
仕方なく使っています。
もちろん、毎月ETC利用分は、母親に支払います。

ETCを使うと、首都高でも、一般高速道路でも、「割引」があります。
ETCを使わなければ、この割引の恩恵を受けることができません。
つまり、ETCが、クレジットカードの所有を前提にしている以上、
過去に経済的に失敗した者より、失敗したことのない者の方が、
(おそらく)一生で支払う交通費が少なくなる、わけで、
これは、要するに、格差の「固定化」という最悪の未来の一つの現れです。
(しつこいようですが、僕個人的にはどうでもいいことですが)

現在、いわゆる「グレーゾーン金利」が問題になっていますが、
問題の本質は、金利上限を20%にするとかしないとか、
そんな金利の絶対値水準の話ではなく、

「どうしてそんな金利の金に手を出さなければならない人が居るのか」

って事なのです。

その本質に目を向けなければ、
格差「固定化」社会から抜け出すことはできないでしょう。

そもそも、大失敗したことのない人、
そして、そこから這い上がったことない人が、
「再チャレンジ可能な社会の実現」と謡ったところで、ねぇ・・・(笑)
僕は、安部晋三が提案する「再チャレンジ可能な社会の実現」という資料を、
VOICEへの寄稿をきっかけに、すべて読みました。
あの内容では、何も実現できないでしょう。
「絵に描いた餅」です。
きっと、
「なんとかかんとかセンター」なる看板が役所に立ち並び、
その看板の下には、
自分自身がセンターに相談したいぐらいのおっさんなどが、
テキトーなアドバイスをするにとどまるでしょう。

そんなことは、VOICEの原稿には書いていませんが、
詳しくは、VOICE10月号にて。

2006年9月10日 板倉雄一郎

PS:
と、書いたところ、早速、
ETCパーソナルカード(コーポレートカードもあります)なるものがありまして
http://www.shutoko.jp/etc/service/p-card/index.html
と、情報をお寄せいただきました。
読者の皆様には、いつも本当に「ありがとうございます」です。
とはいえ、このルール、なんつーか、
「そんな意見にとりあえず答えています感」が漂っています。
けど、実際にあるシステムですから、参考にさせていただきます。
情報をお寄せいただいた読者の方に、感謝いたします。





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