板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「ミスターマーケットは気前がいい!」

ミスターマーケットは、このごろ気前が「良い」ようです。
腐った果実も、立派な果実も、まとめて叩き売り!してくれるようです。
この際、「2007年ショック!」として歴史に残るぐらい下げて欲しいと思うところです。

有利子負債のレバレッジのおかげで、ミスターマーケットの喜怒哀楽は、以前にも増して「増幅」されています。
(レバレッジ=株式投資においては信用取引のこと)
このところの高値圏で、価値の把握もせずに投資した株式の現在の「評価損益」は、きっと「大きなマイナス」でしょうから、人によっては証券会社から「追証」を求められる場合もあるでしょう。
で、そのような人は、自分の「評価損」に愕然として、保有株式の叩き売り!
で、その叩き売りのおかげで、株価が一層下げて、
さらに叩き売りに便乗する人も増加する。
かくして、どんどん株価は下がってゆきます。
レバレッジによる「デススパイラル」といったところでしょうか。

(もちろん、為替、金利、中国経済、北米経済などたくさんの要因が重なった結果であることを否定しているわけではありません。)

ウォーレンバフェット氏の言葉を2つほど・・・

世界中の株価が高騰し、株価に翻弄される連中が大喜びしている時、
ウォーレンバフェットがウォールストリートジャーナルのインタビューに答え・・・

「セックスがしたくてたまらないのに、無人島に居るような気分だ」
(↑ 記憶を頼りに書いているのでストレートに訳されていません)
と表現しました。

一方、ブラックマンデーで、株価に翻弄される連中が愕然としている時、
ウォーレンバフェットがウォールストリートジャーナルのインタビューに答え・・・

「セックスがしたくてたまらない時に、ハーレムに居るような気分だ」
(↑ 記憶を頼りに書いているのでストレートに訳されていません)
と表現しました。

僕もそんな「ワンフレーズ」で、強烈なメッセージを伝えられるようになりたいものです。

僕は、今頃慌てて「目をつけていた企業」の株価をスクリーニング中です。
もっと下げるかもしれませんし、今が底値かもしれません。
下げたらしばらく戻らないかもしれませんし、すぐに戻るかもしれません。
それは、僕には当然わかりません。
けれど、「一株あたりの価値 > 株価」の状態が形成される可能性は極めて高くなっているのも事実です。
しばらく様子を見て、落ち着いた頃に、バーゲンセールに行こうかと思います。

何度もしつこいようですが、「評価損益」とは、
「過去に投資した時点での株価と、現在の市場価格の差」に過ぎず、
「価値」の概念はありません。
したがって、投資対象の「価値」に大きな変動が無いと予測できれば、
慌てる必要は無いのです。

※ただし、レバって無ければの話です。

2007年3月5日 板倉雄一郎

PS:
図らずしも、ですが、新刊「真っ当な株式投資」が売れる土壌が整ってきたようでうれしいです。
「1年で●億円儲かる投資手法!」みたいな本やセミナーをやっていなくて良かったと、つくづく思います。

PS^2:
が、納税のために準備している(←普通預金口座にある)現金に手を出してしまいそうでまずいです(笑)
(船橋税務署の方々へ、↑は、嘘ですからね)





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