板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

企業価値評価・経済・金融の仕組み・株式投資を分かりやすく解説。理解を促進するためのDVDや書籍も取り扱う板倉雄一郎事務所Webサイト

feed  RSS   feed  Atom
ホーム >  エッセイ >  ITAKURASTYLE  > ITAKURASTYLE「セミナーランナップ~特別なお知らせ」

ITAKURASTYLE「セミナーランナップ~特別なお知らせ」

週末は、合宿セミナーでした。
いつものように、受講生+再受講生+当事務所スタッフによる、
非常にハードで、非常に価値ある2日間は無事終了した。
しかし、今回の合宿セミナー、僕にはたくさんの反省点があった。
その中の一つを書いてみたい。

合宿セミナーのすべての過程が終了し、
いつものように、いつものお店をほぼ貸切り、
自由参加の打ち上げが行われている時である。
ある受講生が、僕に話しかけてきた・・・

「板倉さん、車は快調ですか?」

しばし沈黙し、答えを探している僕の態度から、彼は想像を働かせたのであろう、彼は続けた・・・

「あっ、まだ納車されていないんですか?」

そのとき僕は、こんな答えをしてしまった。

「そりゃ、新車だから、納車されていれば、きっと快調だろうね。」

僕の答え方は、少し不機嫌だった(様に思う)。

彼の質問は、質問それ自体には、大した意味がなかったのだろうと思う。
彼は、せっかく参加した打ち上げの中で、単に「僕との会話の機会」を作るために、上記の言葉を発したに(おそらく)過ぎない。
それなのに僕は、頭の中で、
「新車なんだから(もし納車されていれば)快調に決まっているじゃないか!」などと、全くもって、くだらなく、馬鹿馬鹿しく、思いやりのない、つまり、どうしようもないことを考えていた。
僕の態度は、人として最低だな、と今更ながら思う。

当事務所のセミナーに参加いただく受講生の方々の目的は、もちろん、
ファイナンスの学習であり、
それを、投資活動や、日常の業務に生かしたのだろうと思う。
しかし、それだけではないはずだ。
自分で言うことではないかもしれないが、彼らの目的の中に、
「板倉雄一郎という人間と接してみたい」という目的がきっとあるはずだ。
そんなことわかりきっているはずなのに、僕はその気持ちを十分に汲み取れなかった。

上記の会話は、一例に過ぎない。
今回の合宿セミナーでは、些細なことも含めれば、
僕の至らなさを象徴するような会話や態度がたくさん思いあたる。
自分が気づく範囲で、反省すべき点がたくさんあるのだから、
実際に彼らが僕と接して感じた不甲斐なさは、
僕が気が付けないところで、もっとたくさんあったのではないかと、
今、猛烈に反省している。

具体的な苦情があったわけではない。
彼らの態度から、僕が、彼らの「不満足」を明確に感じ取ったわけでもない。
そして当然だが、ファイナンスに関する講義はいつも以上にしっかり実施した。
しかし、たくさんの大切な機会を損失した気分はぬぐえない。

原因は、明確だ。
このセミナーに望む前から、はっきりと認識していた。

根本的な原因は、明らかに僕という人間の未熟さにある。
しかしそれは、すぐに解決するものではないし、
そもそも「完璧な人」など、この世に存在しない。
大切なことは、
己の未熟さを常に意識し、
相手に対する思いやりを持ちながら相対することが出来るための、
時間的、精神的、肉体的な「余裕」。
ではないだろうか。


板倉雄一郎事務所のパートナーミーティングにおけるここ最近のテーマは、
「供給能力」である。
どれほど需要が拡大しても、それを満足する供給が伴わなければ、
世間の期待にこたえることも出来なければ、
我々自身のハッピーさえ得られない。
我々自身がハッピーでなければ、世間をハッピーにすることなどできない。

思い起こせば、1997年に倒産したハイパーネットの倒産原因の一つは、
「周囲の期待に答えよう」と、慌てて作り上げた未熟な社内体制にあったと思う。
現在の板倉雄一郎事務所は、けして慌てて作り上げた組織ではない。
しかし、「需要に答えよう」と、忙殺されれば、同じ結果になってしまう。

「急がば回れ」
この言葉を、今は、インチキベンチャーに向けて発信している場合ではない。
我々自身に言い聞かせる時期ではないか、と思う。


ということで、僕は本日より、およそ2週間、お休みを頂くことにした。
トップである僕がお休みを頂くことは、結果的にパートナーにおいても、少なくともこれまでよりはペースを落とすことが出来るはずである。
とは言っても、完全休業状態では、
この2年間積み上げてきた成果を失ってしまうリスクも考えられる。
だから、エンジンは切らず、しばしアイドリングという感じだろうか。

明日(3月14日)より、3月23日まで、僕はエッセー執筆をお休みする。
その期間、毎日代わる代わる、当事務所のパートナーが、
1、それぞれの専門分野に関するエッセーを、
2、それぞれの自己紹介を含め
3、僕の監修を全く受けずに、このサイトにアップする。

読者の皆様には、
僕以外のパートナーについて知って頂く機会になり、
セミナーの雰囲気について、
これまで以上にご理解いただけるのではないかと、思います。

当事務所は、「まんま」を最も重要視しています。
「株主様のために」と言いつつ、実態は株主を毀損するような人間、
「お客様のために」と言いつつ、インチキ商品を売るような人間は、
当事務所には、存在しません。
(だから、本当の自分ではない偽った文章を、後に僕が見つけたら、
パートナーと言えども、とことん、いじめてやります(笑))
また、
経験のない机上の理論だけで、他人に知識を売りつけるような人間も居ません。
当事務所のパートナーに、
「童貞君のアダルトビデオ評価」をする人間は居ません。
それぞれが、それぞれの専門分野にて、
知識と経験を持ち合わせた人間だけが、当事務所のパートナーです。
僕は、それがとても誇らしいのです。

読者の皆様にも、それを共有していただく機会になれば幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

以下、エッセーの予定です。

14日(火)・・・吉原  某上場企業IR担当公認会計士 UFO読み方講座担当
15日(水)・・・下田  某上場ベンチャー勤務、統計の専門家
16日(木)・・・石野  某(?)「道具としてのファイナンス」著者 MBA
17日(金)・・・国本  某WEB関連企業勤務、当事務所顧客サポート担当
18日(土)・・・高村  某外資系投資銀行勤務 証アナ 将来業績予測講座担当
19日(日)・・・大橋  某外資系製造業勤務 企業財務講座担当
20日(月)・・・坂本  なぞのバリュー投資家 しかし人間ではなく宇宙人
21日(火)・・・橋口  外資系コンサル~独立、MBA、セミナー全般担当

22日(水)から、通常通り、僕の執筆のエッセーに戻ります。

2006年3月13日 板倉雄一郎 & 板倉雄一郎事務所一同

PS:
とは言っても・・・
本日は、当事務所パートナー橋口寛の著作による新刊本に関する取材。
明日は、テレビ東京の特番の収録。
あさっては、TFM(FM東京)による新しいネットストリーミング番組の打ち合わせ。
(↑この番組は、僕がメインMCだったりします。)
19日は、内閣府主催の地方公演。
などなど、全然お休みには、なっていないのですが(笑・・・)

PS^2:
僕が忙しくなって、最も迷惑しているのが、2匹のワンコ。
彼らにしてみれば、朝から晩まで家に一緒に居るにもかかわらず、
全く相手にしてくれない僕に、相当不満がある・・・のでしょう。

「お父さんは、いつも机に向かってカチカチやってばっかり」って(笑)

最近は就寝時にも、彼らは母上の部屋で寝ていたりして・・・
この2週間、たくさんの時間を彼らと過ごそうと思う。
彼らがいずれ逝ってしまった時に、
悲しくなるのは仕方がないけれど、
「もっと遊んであげればよかった」などという後悔は、絶対にしたくないから。

PS^3:
今朝、父が言っていた・・・
「サンデープロジェクトで、田原さんがお前の名前を言っていたぞ」
僕、セミナーだったので、観ていないからなんのことだか・・・

 





エッセイカテゴリ

ITAKURASTYLEインデックス