板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「メディアの方々へ」

堀江君関連で、なんだかまた出演依頼を頂いております。
が、何度も書いている通り、僕は、

「編集を伴う取材は、一切お断りいたします。」

なのです。

どうかご理解ください。

2006年4月28日 板倉雄一郎

PS:
だってね、そもそも資本市場や企業、企業価値、そして企業家になんてさっぱり理解の無い編集者の手によって「価値ある発言」が削られるのでは、取材を受ける意味が無いですからね。
それでも、「視聴者の期待」を十分に理解しているならまだ話しがわかりますが、それも「?」ですからね。
最近は、視聴者の方が結構わかっていたりするものです。

生意気でごめんなさい。
でも、当事務所と僕自身の「事業目的」は、
「正しいファイナンスの知識を、たくさんの方に広める」
ですから、発言が曲げられるようでは、御話しにならないのです。

たとえば・・・
「資本コストを無視した『回収に●年』という表現など、何の意味も無い」
という発言を、編集が勝手に、
「『回収に●年』という表現など、何の意味も無い」と、
「資本コストを無視した」という部分をカットされてしまうと困るんですよ。

さらにたとえば・・・
「仮にライブドア発表の決算内容に粉飾が無かったとしても、
 一株あたり700円(=時価総額8000億円)は、
 ありえない(=価値に対して高すぎる)株価ですから、
 その価格で手を出した素人の損失は、自業自得であって、
 堀江君が考慮しなければならない相手は、
 『それでも株式を売却せずに残った現在の株主』なのです。」
と言ったところで、
「堀江君が考慮しなければならない相手は、
 『それでも株式を売却せずに残った現在の株主』なのです。」
と編集で省略されてしまうと・・・
「板倉は、損した株主のことを軽視している」とか、批判されるのよ(笑)
軽視どころか「自業自得」って言っているのにね。
だって、そもそも粉飾があろうが無かろうが、彼らは、「有価証券報告書」を読んだうえで買ったわけじゃないでしょ。
明らかに自業自得です。
(ちなみに粉飾された有価証券報告書」は、「有価証券ほうこクソ」です。)
価値算定が出来ないのなら、モノでも株式でも手を出すべきではありません。
そもそも、株価とは、ある時間経過の中で「価値に対して均衡」します。
よって、検察が入ろうが入らなかろうが、
ライブドアの株価が700より上がるなんてことは、まずありえません。
その点、
「検察のおかげで株価が下がった」とか、
「粉飾のおかげで損をした」とか、
見当違いもはなはだしいと思います。
価値に対して劇的に高い株価に手を出した瞬間に、
損が確定するリスクを背負うことになるのです。
検察の強制捜査による株価下落は、
「損失の顕在化」に過ぎないのです。

さらにさらにたとえば・・・
「上場企業経営者としての堀江君は全く無能だが、
 社会活動家としての彼のエネルギーは、
 その矛先を間違えなければ、
 社会のためになる可能性が無いとは言えない。」
と言ったとしましょう。
それを、
「社会活動家としての彼のエネルギーは、社会のためになる」
と編集することも出来ちゃうんですよ。
全然意味が違うでしょ。
だから、編集を伴う取材は一切お受けいたしません。

 





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