板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「週末の徒然(円天など(笑))」

<メディアの表現を鵜呑みにするな!>
環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks (024)) を読みました。
その昔、
「地球温暖化によって北極の氷が融け、海面が上昇する」という説をメディアで聞いたとき、
「んな馬鹿な!アルキメデスの原理からいって、水の上に浮かんでいる氷が融けたって水面が上昇するわけないじゃないかよ!(南極の場合は、土地の上の氷なので話は別ですが)」
と思ったのを、この本を読んで思い出しました。
この本にもまったく同じことが書かれていますが、地球温暖化に関することばかりではなく、ペットボトルリサイクルの非合理性、メディアがでっち上げた猛毒ダイオキシンなど、環境問題の「ウソ」を具体的且つ科学的(←著者は科学者)に説明しています。
さらに社会問題にも発展させています。
この書籍が、「環境問題の本」だと思うのは間違いです。
この書籍を通じて著者は、
「メディアの言うことを鵜呑みにするな!」
ということを環境問題のウソを通じて読者に訴えかけています。
僕が数々のエッセイや書籍を通じて訴えていることと非常に合致するので、かなり好感が持てました。
この本を読み、書かれている環境問題の個々について批判するのは的外れでしょう。
要するに、「環境問題」が社会問題となることが、「都合が良い人々(=金が儲かる人々)」が居るということに、是非気が付いていただきたいと思います。
だって、「フセイン」という個人を槍玉に挙げた活動根拠より、「地球環境を守ろう!」と謡った活動根拠のほうが、世界を納得させやすいですからね。
(もちろん、「環境に対する対策をする必要が無い」という訴えでは絶対にありません。)
株式投資においても、それがブームになることが、「都合が良い人々(=金が儲かる人々)」が居るということを僕が散々訴えていることに非常に良く似ています。
お勧めです。
続編:環境問題はなぜウソがまかり通るのか2 (Yosensha Paperbacks (029)) もあるようです。
僕はここでひとつ、この書籍には書いていない「環境問題が社会問題化することの弊害」について書いてみたいと思います。
それは、「活動意欲の低下」です。
本当に環境にやさしくしたいのなら、あらゆる活動をやめることが最も良いわけです。
誤解を恐れず書けば、死んでしまうのが最も環境にやさしいのです。
あまりに環境、環境といわれるトレンドの先には、「だったら何もしないのが一番いい」という思考が植えつけられてしまうのではないかと思います。
その「環境対策」が、本当に環境にやさしいのであれば、まだ許せますが、そうでないとするなら・・・
<円天で昇天!>
久しぶりにテレビを見たら、「円天」なる集金システムの問題が取り上げられていた。
同社の提供する商品を、同社の提供する「円天」プリペイドポイントで買えるとか、
その円天ポイントを使っても使っても、翌年にはまた最初の年に振り込んだ金額と同額の円天が支給されるとか(笑)、
円天ポイントとは別に、「協力金」なる年利36%!!&元金保証!!の運用手段だとか(笑)
これ以上ないというぐらい「馬鹿でもわかるインチキ」のオンパレード!と思ったが、それに引っかかってしまう「強欲で知性の無い人(多くはオバハン)」が、およそ5万人!!!
集めたお金は、およそ1000億円!
これにはたまげた。
その昔、豊田商事や、最近ではGOグループなるインチキもあったが、学習能力というのがまったく無いオバハンが結構居るものだと関心すらした。
被害者(?)が5万人・・・実際こういうインチキに引っかかる予備軍は、軽く10倍は居るのではないかと思う。
この事件の容疑者をとっ捕まえたところで、また数年も経てば、まったく同じような手口のインチキが摘発されることでしょう。
円天ほどひどくなくても、一株辺りせいぜい100円程度しか価値の無いライブドアの株式に、株式投資などさっぱりわかっていない方々が800円もの株価をつけることによって、堀江君らのインチキを「後押しした」ことも、円天事件と本質的には「同じ」。
程度の差があるだけ。
事件が起きてから対処療法として容疑者を捕まえ懲らしめることが必要ないとは言いませんが、国民に対する「お金と経済の教育」という源流対策が無ければ、いつまで経っても同じことの繰り返しです。
どうしてこれがわからないのでしょうか?
わからないことが、僕にはわからない。
それとも、
「国民が馬鹿であること」が、誰かの利得になっているのでしょうか?(笑)
<楽して儲ける!かよホントか?!>
働かないで年収5160万円稼ぐ方法 を冷やかし半分で読みました。
(もちろん、書店でしっかり価格を支払って購入して読みました)
ネットオークションでの転売だとか、アフェリエイトだとかのテクニックが書いてあるわけですが、そのとおりにやれば、「結局、結構働く事になる」(笑)。
まあ、書籍の「販促」として、この表現は良いかもしれませんが、アフェリエイトで月に100万稼ぐためには、それなりのページビューと信頼が無ければ長期的には実現不可能なわけです。
この本では、ブログやメルマガ、そしてアフェリエイトサービスプロバイダーへの登録など、「一通りの手続き」が記されたあと、
「後は人を集めればいい!」って書いてある(笑)
そりゃ確かにそうだ。
けれど、それが一番大切なことだし、アフェリエイトで稼ぐための最も重要な資産でもある。
この本では、「人が欲しがる商品を選んで紹介する」というテクニックというかなんというか、そんなことまで書いてある。
この本が売れれば売れるほど、アフェリエイトを信用しないネットユーザが増えるだろうし、そもそもアフェリエイトで稼ごうとする人のほうが、実際に通販を利用する人より増えたり・・・んなわけないな、円天にだまされる人がそれこそ「5万」と居るわけだからね(笑)
アフェリエイトなどの副業をやるなら、
「楽して儲ける」より、(字は同じだけれど)、「楽しく儲ける」が良いです。
自分が感じる本当のことを書くことは、足元の収入には時にネガティブに働く(←だって商品を批判すれば、買う人が居なくてアフェリエイト収入に結びつかない)わけですが、本当のことを書くことは「楽しい」のです。
その行為を積み上げることによって、「この人は信頼できる」という価値が生まれるわけです。
「信頼」は、経済理論においても、現実においても、「お金そのもの」なのですから。
この本、まるで昨年辺りまで人気のあった「デイトレで大儲け!」な本と同じ類ですね。
デイトレ本を読んだ読者の大多数が、長期にわたって株式「投機」で儲けられる「はずがありません」から、このところあまり人気がありませんし、新書も一時期ほど多くはありません。
しかし、株式「投機」から、ネット副業(まあ同じですが)に足場を移行して、同じような「うたい文句」で本を売っているというわけですね。
<ダイエットがうまく行かない人へ>
僕は現在自分の理想体重から7kgも太っています。
今春の「愛犬ホスピスキャンプ」で、食べること以外にやることがなかったことが直接の原因です。
でも、「大したことは無い」なんて思っていました。
けれど、この夏、セミナー卒業生を集め、那須高原で行われた当事務所主催「バリューズ・ブート・キャンプ」の模様を録画し、編集したストリーミングを観た時、
「こりゃかなりヤバイ!」
と気がついたわけです。
で、現在鋭意ダイエット中です。
現在までのところ、およそ1週間で1Kgのダイエットに成功しています。
実は、僕の43年間の人生で、今程度太ってしまったことが、過去に3回ありますが、その後しっかり理想体重まで3ヶ月以内に戻し、それから数年間、リバウンドも無く過ごすことができた経験があります。
その秘訣は、ビリーズ・ブート・キャンプでもなければ、特殊なサプリメントでもありません。
食事に関する「Before / After」の認識だけです。
運動によるダイエット、特に有酸素運動によるダイエットを否定するつもりはありませんし、有酸素運動はダイエット以上に健康のために必要だと思います。
しかし、「体重を減らす」ということを最も重要な目的にする場合、やはり「食事コントロール」が最も効果的です。
なぜなら、食事によって吸収したエネルギーを運動によって消費するには、結構な努力を必要とするからです。
健康を害さない程度の食事コントロール・・・当たり前ですよね。
でもなかなかできない。
できないのであれば、その原因を探る。
すると、食事の「Before / After」に行き着きます。
知人で、焼肉チェーンや、ロブスターチェーン、そして今ではコンビニチェーンを展開する企業の代表者が居ます(←誰だかわかりますよね(笑))
予断ですが、この会社、MBOによる株式非公開化を行いました。
彼とお食事会で会った時のことです、彼曰く・・・
「(焼肉を)食べた後には、『脂っこいね!』とか言うけれど、
 食べる前には、皆、脂っこさを求めているんだよね。」
この言葉、非常に印象に残りました。
要するに、ダイエットをしていない人でも、食事のBeforeでは、「たっくさん脂っこいモノが欲しい」と思うけれど、食事のAfterでは、「やめときゃよかった」と思う傾向があるわけです。
僕は、ダイエットをするとき、このことを思い出します。
「今は、食べたいけれど、食べた後、絶対に後悔する。
 すると、食事の後の『もっと楽しい映画鑑賞』とかが台無しになる」
と自分に言い聞かせます。
すると、本能は、食事より、食事の後のことに向けられる結果、「単なる我慢」より遥かに楽しくダイエットができるというわけです。
人間強欲です。だから自分をコントロールする最も合理的な方法は、「欲を捨てる」とか、「欲を抑える」のではなく、「欲の方向を変える」のが良いと思います。
<お金の欲>
続きになりますが・・・
「金が欲しい!」と金を直接求めるのではなく、「自分に価値を見出してくれる人が欲しい!」と欲の方向を変えることが結果的にお金につながると思います。
この方法は、一見、「遠回り」に見えるかもしれませんが、実は最短距離なのです。
稼いで増やしたお金を使って求めるのは、フェラーリを買うにせよ、豪邸を買うにせよ、投資家として有名になるにせよ、結局のところ「社会における自分の価値」ではないでしょうか。
だったら最初から、お金を経由せず、社会から自分自身の価値を認めてもらう努力をするべきだと思います。
ある意味、一石二鳥です。
2007年10月4日 板倉雄一郎
PS:  少し早いですが、皆様も良い週末を。





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