板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「セミナーランナップ」

お楽しみ様でした!
(↑ 僕たちは、「御疲れ様でした!」は絶対に言わないのです。)

週末の合宿セミナーは、いつもどおり、
多種多様な業種業態の企業から、
経営者、研究開発者、財務担当者、営業マン、個人投資家など、
多種多様な業務分野の方々に参加いただきました。
中でも、
著名なベンチャーキャピタリストの方や、
ファクタリング(←売掛債権担保融資)事業を行う方など、
いわゆる「金融部門」の方の比率が高かったことが、今回の特徴でした。
また今回も、はるばる米国はテネシー州からいらしていただいた方もいらっしゃいました。

すべてのセミナー課程が終了した後の「懇親会」にて、
ある「ファンキーな感じ(笑)」の受講生が話し始めました。

「板倉さん、2日間ありがとうございました。
 目から鱗の話をたくさん聞けました。
 で、ぶっちゃけ、本当の事を話します。
 僕、実は、『投資顧問業』をやっているんです。
 (↑彼は名刺もいただけなかったので僕は彼の業務を知りませんでした。)
 出身は大和証券なんです。
 トレーダーをしばらくやって、その後に独立したんです。
 今は、ファンド運営もしているんです。
 でも、上げ相場の中でインデックスに勝つのは難しいんです。
 今までは、チャート、需給バランス、FCFの大小などで、
 簡易にやっていたんです。
 で、もっと精度を上げたくて、セミナーに来たんです。」

過去にも、「今更セミナーなんて行けないよな」
という気持ちがわからなくも無い職業や資格の方々、
具体的には、
公認会計士、MBAホルダー、投資銀行マン、ファンドマネージャなど、
いわゆる「金融や投資のプロ」の方々が、
とりあえず申し込みの段階では所属企業や業務内容を伏せて、
セミナーにいらしていただいたことがあります。
気持ちがわからなくも無いです。
が、
「今更聴けない」という変なプライドを持つことに、
何の合理性もありません。
「すべてを知っている人」など、もちろん僕を含めて、この世に居ません。
学習することは、すべての人にとって、将来の可能性を高めます。
少しでも興味があり、何かを学べると感じ、
そして、
「セミナーで得られる価値」 > 「セミナー価格」
と予測される方は、躊躇なくいらしていただきたいと思います。

いわゆる「プロ」の方の場合、
セミナー開始直後は、割と「ふんぞり返って」聴いています。
が、
セミナー中盤以降、パソコンに張り付くようになります。
そして、
セミナー最終コマの僕の総括の時にもなると、
僕の言葉から、たくさんのメモを取る姿勢に変化します。
彼も僕も、大変な満足を得られます。

僕はセミナーを、「試合]だと思っています。
僕は、「ふんぞり返った姿勢」を見るたび、
「やったるでぇ! 勝ったるでぇ!」と気合が入ります(笑)
しかし、この試合は、受講生と僕たち講師陣の「WIN2WIN」の試合です。
受講生が「なるほどぉー」となれば、僕たちの勝ち。
「ふんぞり返った方」が、勢いメモをとる姿勢に変化すれば、僕たちの勝ち。
しかし、僕たちが勝つということは、同時に、受講生にとっても「勝ち」なのです。

基礎知識がなく、不慣れな言葉に惑わされ、
十分な価値を持ち帰っていただけない場合も、もちろんあります。
この場合、僕たちも、受講生も、「負け」です。
しかし、僕たちも、受講生も、「負け」のまま終わらせたくありません。
その場合、無料の「再受講」にて「再試合」が出来ます。
これまでには、
2日間の初受講で十分な知識を持ち帰っていただいた方もいらっしゃいますし、
10回以上再受講にいらしていただき、
毎回新たな発見をされる方もいらっしゃいます。
(楽しいからと、単に遊びに来る方もいらっしゃいます(笑))

再受講制度は、
基礎知識や学習効率の個々人の違いを吸収するためにあります。
僕たちは、「全くの素人」から「投資や金融のプロ」まで、
幅広く、基礎知識や業種に無関係に、たくさんの方々に対して、
僕たちの知識と経験を伝えたいと思っています。

ファイナンスの知識、バリュエーションの知識とは、
「知っているか、知らないか」の違いでしかありません。
高度な数学の知識が必要なわけでもなく、
英語の能力が必要なわけでもありません。
ただただ、「視点を変える」、「思い込みを捨てる」だけのことなのです。
慣れない間は、難しそうに感じるでしょう。
しかし、一度「壁」を越えてしまえば、プロ・アマという枠を超えて、
何てこと無い「言われて見ればそうだよな」となるわけです。

だって、企業にも経済にも、
私たちは、普段、当たり前のように接しているわけですから。
「全くわからない」なんてことは、あるわけ無いのです。


今回の講義用評価企業は、話題の「阪神電鉄」。
そして、ワークショップ用評価企業は、「トヨタ自動車」。
毎回、評価対象企業を変え、再受講生にも楽しんでいただいています。

まだ受講されていない読者の方々にも、
この知識、このコミュニティー、この楽しみを、
是非味わっていただきたいと思います。

今回も、体力的には、ドッと疲れました。
例によって、懇親会は、フェードアウトさせていただきました。
が、今朝は、この2日間を振り返り、再び興奮しています(笑)
もっともっとたくさんの方々に伝えてゆきたいと、
そんな気持ちで一杯です。

明日からもまた、
様々なご都合でセミナーにしらっしゃれない方々のために、
そして、セミナー受講後の復習のために、
エッセーを書いてゆきたいと思います。

2006年6月12日 板倉雄一郎

PS:
受講生を居住地域別に見ると、どういうわけか「名古屋周辺」が多いです。
このセミナーを2年前に始めたきっかけも名古屋。
一般論ではありますが、
「名古屋で受け入れられることは全国で受け入れられる」
と言われます。
そうであれば、うれしいです。

PS^2:
この期に及んで、
「検察のおかげでライブドア株で損をした!国策捜査だ!」
などと、自らの失敗を他人のせいにする発言をする人がたくさん居るという話を聴きました。
捜査というトリガーによって、
本来の「一株辺りの価値に対して価格が均衡しただけ」の話しです。
「価値 < 価格」で手を出した自業自得に過ぎないのです。
自らの失敗を、他人のせいにしていたのでは、
いつまで経っても「同じ失敗」を繰り返すだけです。
自らが変える事ができるのは、他人ではなく、自分自身です。
それが最も合理的で、効率的な手段です。

 





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