板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「クリパ2006」

先週末は、板倉雄一郎事務所2006年最後のイベントでした。

<第2回リアルバリュ大会>

「実践・企業価値評価シリーズ合宿セミナー」卒業生による
リアルバリュエーション大会の第2回目の結果は、
「前回優勝チームのチャンピオン防衛!」

今回の評価対象企業は、訪販化粧品の「エイボンプロダクツ」。
同社の株式を75%保有する米国「エイボン」との関係を中心に、
同社への投資に関する「リスク」を詳細に分析した発表が行われました。
有価証券報告書&ネット上の情報だけでのバリュエーションでしたが、
いずれのチームもなかなか鋭い評価を行っていました。
甲乙つけがたかったのですが、優勝チームによるバリュエーションでは、
「持ち株比率に応じた株主資本コストの算出」が行われていて、
僕自身も「なぁ~るほど」と思える評価結果に、このチームの優勝。
おめでとうございます!
次回は、2007年春。
次回も楽しみです。

リアルバリュ会の表彰式を、その後の「クリパ2006」に持ち越し、
17時過ぎ、クリパ会場となるお台場は僕の定宿「ホテル日航東京」へ。

<クリパ2006>

1次会の会場は、ホテル日航東京の「ペガサス」。
クリパ実行委員の嫌がらせなのか(笑)、この会場は、2002年の夏、
僕が後に失敗する結婚生活をスタートさせた場所だった。

リアルバリュ会の表彰式、
僕やパートナーが提供した商品の「チャリティーオークション」、
そして立食による懇談・・・
(なお、チャリティーの収益金は、ユニセフに寄付されます。)

一次会の最後に、僕のスピーチがあった。
何を話そうか・・・しばらく考えた後、そのテーマが決まった。
そのテーマは、「2006年の告白」。
これまで、エッセーでも書かなかった、
パートナーにも打ち明けていなかった、
「フツーの人間としての板倉」について、10分ほど、話させていただいた。
話の内容については後述。

21時過ぎ、同ホテル内の2次会会場「サンライズテラス」へ。
ここも、2002年の僕の結婚式で2次会に使用した場所だ(笑)

2次会では、なぜだか皆が、ボクシングやテニスに盛り上がる。
クリパ実行委員が用意したNintendo Wiiのゲーム大会だ。
僕も少しだけ、テニスを楽しませてもらった。
もちろん負けた。
でもこのWii、すごい!
欲しくなった。

23時過ぎ、同ホテル内の3次会会場「ロイヤルガーデンスイート」へ。
2次会までの参加申し込みだった参加者も、
「雑魚寝OK」の3次会へ飛び入り参加。

セミナー卒業生の生ピアノ演奏による「ボヘミアンラプソディー」。
ある者は、リビングのソファーで語り込み、
ある者は、寒空の屋外テラスでテキーラのボトルを片手に大はしゃぎ、
ある者は、小学生相手に、Wiiのテニスで夢中になり、
ある者は、ベッドルームとバスを行き来しながら、そのうち泥酔し、
ある者は、手当たり次第に口説いたり、
そして僕は、それぞれの話の輪に首を突っ込みながら、
皆が楽しんでいる様子に、満足していた。

卒業生の中から立候補していただいた総勢25名の実行委員によるクリパは、
昨年同様、ダラダラする無駄な時間もなく、
かといって、せわしなく進行するわけでもなく、
進行がスムーズで、すべての参加者が心地よい時空を過ごしているようだった。

当事務所を中心にしたコミュニティーのすばらしさは、
「で、事務所が何をしてくれるの」という受身の発想ではなく、
「さて、自分は何を提供できるのか」を皆が考え、実際に行動するところにある。
(企業であれ、国家であれ、そうあるべきだと思う。)
即興で集まった25名の実行委員すべてが、
たとえ、お遊びのクリパであっても、その哲学でクリパの準備を進めたのだと、
準備に参加していない僕でも、容易にに想像できる。
実行委員の皆さん、ありがとう!

<弱みを見せた告白>

人は、自分の弱みを他人に見せたがらない。
僕の場合、特にそうだ。
苦境の真っ只中に居れば居るほど、それを他人に暴露できない。
なぜか?
それは弱みに付け込むイヤラシイ連中が、
この世にはたくさん居ることを良く知っているからだ。

しかし、
上記1次会の最後のスピーチで、僕は今年の苦悩を皆の前でさらけ出した。
それができた理由は、
その苦境からいつの間にか脱出することができていた事。
そして、もうひとつの理由は、
その場に居る彼らがイヤラシイ連中ではないという確信を持てたからだ。
そして、なにより、
僕が苦境から脱出できたのは、この場に居る彼らのおかげだったからだ。

今年の僕は、(詳細は割愛するが)とにかく苦しかった。
夏休み前には、「もうやめちまおうか」と、毎日思っていた。
昔の僕なら、とっくに「やぁ~めた」だっただろうと思う。
けれど、そんな苦しさを隠し通し、現在の活動を継続できた。
そして、気が付いたら、その苦悩は昔の話になっていた。

現在の活動を継続できた理由は、ここに居る彼らのおかげだった。
セミナー卒業生から、具体的なセミナーの効能が知らされたり、
卒業生が友人をセミナーに勧誘してくれたり、
パートナーが僕の執筆を肩代わりしてくれたり、
僕をして、「やっていて良かった」と思わせてくれる彼らの言葉に、
僕は今年一年、支えられてきた。

「一人の天才のリーダーシップによる組織」が、
それを継続できない理由もここにあると思う。
(僕自身が天才だと言いたいわけではなく、わかりやすい比ゆです。)
天才であるがゆえに、他人に依存したくない。
天才であるがゆえに、自分で何でも解決しようとする。
しかし、そんなことは、天才であっても人間である以上不可能だ。
僕は、今年一年を通して、
「信頼できる他人なら依存しても良い」ということを学習した。

だからと言って、
「苦しいから助けてね」とは言いたくないし、言うべきでもないと思う。
自らの苦しさは、自らが解決するべきだと思う。
しかし、
それが解決したとき、「あなたのおかげだ」と、正直に言えることは、
信頼関係を作るうえで、非常に大切なことだと、今では思う。

オープンセミナーにいらしてくれた方々、
合宿セミナーで2日間を共に過ごしてくれた方々、
僕の活動を支えてくれたパートナーの方々、
そして、
まだお会いしたこともないけれど、
毎日このサイトを訪問してくれる読者の方々へ、
この場を借りてお礼を申し上げたい。

今年一年、皆様のおかげで、
僕の活動に何らかの価値があることを認識することができ、
現在の活動を継続することができました。
皆様、本当に、ありがとうございました。
「継続は力なり」・・・この言葉の真の意味をしっかり把握することができました。
2007年以降も、活動理念に沿って、しっかり継続したいと思います。


3次会も盛り上がったころ、
生ピアノと生ボイスによる「ハッピーバースデイ」が聞こえてきた。
すっかり忘れていたが、そろそろ僕の誕生日。
パートナー吉原氏の彼女の手作りによる特大ケーキが運ばれてくる。
すると、その場に居た何人かが、そのケーキに「顔ベタ」を要求する。
せっかくの手作りケーキを、僕の汚い顔で汚すことに躊躇したが、
「やるしかない!」(笑)
目に入った生クリームのおかげで、その後数時間、世界は白く曇っていた。

「終わりよければすべてよし」
今年も僕は、ナイスガイ&レイディースに囲まれ、ハッピーな年だった。

しつこいようだが、現在の僕の活動を支えていただいた方々へ、
ありがとう。
人間は、一人では生きてゆけないと、しみじみ思ったクリパ2006は、
午前3時を回る頃、静かに夜の闇に溶け込んでいった。

2006年12月19日 板倉雄一郎

PS:
2007年の板倉雄一郎事務所のテーマは、
「組織としての活動」。
僕が、組織を一人で引っ張るのではなく、
組織として、社会に価値を提供する。
僕の仕事は、皆の価値提供を効率よく社会に提供すべく、
合理的なディシジョンを行うこと。
乞うご期待!





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