板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「期待と期待収益率(再び)」

当事務所のセミナー卒業生でも、
この違いが良くわからない方がいらっしゃいます。
それほど、混同しやすい「表現」ですし、
また、この両者は、まるで逆の意味を持ちます。

投資対象に対する「期待」とは、
その投資対象の「成長を大きく見積もる」ということですが、
「期待収益率」とは、その成長に対する「リスク認識」です。
よって、
「期待」が高まれば投資対象の現在価値が増大(=株価上昇)し、
「期待収益率」が高まれば、投資対象の現在価値が減少(=株価下落)
します。
現在価値の算出においては、この両者はまるで逆の効果があります。
詳しくは、DeepKISS第11号「期待と期待収益率」を今一度お読みください。

また、先日、全国の「不動産価格」が発表されましたが、
不動産所有者の「期待収益率」と不動産価格の関係については、
(ちょっと難しい内容ですが)
DeepKISS第25号「所有と賃貸(収益不動産)」をお読みください。
誤字脱字および「注意事項」などを一部アップデートしていますので、
該当エッセーを表示後、「リロード(IEの場合[F5])」してからお読みください。

つまり、
不動産所有者の期待収益率が一定の場合、
金利上昇による資本コスト上昇分を賃貸料に転嫁できる「一部地域」では、
資本コスト上昇分を補って上昇する可能性がある、ということです。
収益に無関係に価格が上昇した80年代のバブルと違って、
現在の不動産価格は、収益性を基準としている関係で、
収益性によって(=地域によって)、不動産価格に格差が生じています。
ある意味、バブルに比べればはるかに健全な価格推移だと思います。

2006年9月20日 板倉雄一郎

PS:
本日は、予定がたくさんあるので、エッセーは以上で終わりです。
ごめんなさい。
でもね、すでに書いたこと、に関する説明や誤解は結構疲れます。
なので、是非、過去のエッセー(特にDeepKISSとKISS)は是非お読みください。
「新しい内容」を追いかけるのも結構ですが、
経済やファイナンスの仕組みの基本が、日々変わるわけではありません。
よって、
過去のエッセーで取り上げる「ケース」は古いことですが、
そのケースを利用して説明していることは、少なくとも今のところ普遍です。
是非、過去のケースから本質を掴み取ってください。
何しろ、このサイトの「エッセー」は、無料ですから。

過去のエッセーのエントリは以下のとおりです。
DeepKISS第1号「ダブルカウント」
KISS第1号「急がば回れ」
それぞれのエントリの最上部と最下部には、
同一エッセーを次々と閲覧できる「次へ」ボタンや「前へ」ボタン
が表示されていますので、効率的に読むことができるはずです。
それも面倒なら、多少のコストがかかりますが、
エッセーを書籍化したこちらをどうぞ。
単にエッセーをプリントアウトしただけじゃないですよ。
WEB上のエッセーでは、書ききれなかった「図解」が入っているし、
カテゴリーごとに再編集しています。

なお、連載が終了したDeepKISSは、現在書籍化に向けて編集中です。
SMUやKISSの書籍同様、「図解」と「カテゴリーごとの編集」がされています。
完成しましたら、この場でご案内いたしますので、
よろしくお願いいたします。

PS^2:
本日は、
1、当事務所のパートナーミーティング
2、WEBリニューアルに関する「撮影」
などたくさんの予定があるので、この辺で。
なお、WEBリニューアル後は、
定期的にストリーミング映像をご覧いただけることになります。
よろしくです。

PS^3:
10月開催「実践・企業価値評価シリーズ」第20回合宿セミナーは、
そろそろ満員御礼ですが、もう少し募集を行います。
ちなみに、10月開催合宿セミナーでは、
「ワークショップ」で取り上げる個別企業の代表取締役会長が
ゲストでいらっしゃいます。

どうせ受講するなら、早く受講したほうがいいです。
9月開催分の卒業生からの「セミナー感想」を続々いただいていますが、
これらを読んでいて思うことは、
「でしょ、受講の意思決定をして良かったでしょ」
って感じです。
これらの「卒業生の声」も、近々アップします。





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