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ITAKURASTYLE「全く新しいビジネスモデル(改)」


DeepKISS第74号「全く新しいビジネスモデル」にて、
全く新しくみえるビジネスモデルでも、その要素を分解すれば、過去のいずれかの割とよくあるビジネスモデルに似ている、という内容の表現をしました。
が、実は、身近に、全く新しいビジネスモデルがあるんじゃないか!
と思ったわけです。
「そのビジネスモデルとは、
他でもない「板倉雄一郎事務所」のビジネスモデルです。

過去に何度も書いてきたことがあります。
「経済的取引とは、誰かの価値と、他の誰かの価格の交換である。」
この原理を見ると、
一方は価値を提供し、
もう一方は価格を提供する「一方通行」に見えますが、
実際には、
「AがBに対して提供した価値」と、
「BがAに対して提供した価値」の差分を、
「どちらかがどちらかへ価格を支払うことによって調整する」
という現象であることに気がつきます。
たとえば、就職における意思決定において、
「A社の方が給与は高いが、
 B社の方が学べることがたくさんありそうだからB社に就職しよう」
といった意思決定が、それにあたります。
また、僕が「朝まで生テレビ!」に出演するときも、
「3時間も生番組に出演して、出演料はわずか*万円。
 しかし、視聴者に知識を伝えることができるし、
 セミナーの宣伝にもなるかもしれないからOKか」
といった意思決定も、それに当たります。
この例のような、価値と価格の交換における両者の立場を契約時点で「規定」し、その後、割りと長期に渡って、その規定が(両者の満足が得られる限り)継続することは、割とよくあります。
しかし、
イベント毎に、(提供する価値に応じて)価値と価格の交換規定を柔軟に変化させることによって、
あるイベントでは、AがBに対して提供する価値が高く、よって、BがAに対してその差分の価格を支払うが、また別のイベントでは、その関係が逆になる、といったことが煩雑に起こる「一定の組織」は、結構珍しいと思うのです。

と、前置きが長くなりましたが、まずは、こちらをご覧ください。
(右フレームのリンクからいつでもご覧いただけます。)
企業価値評価の知識を得ると、早速その知識を試してみたくなります。
しかし、いくら知識を得たところで、個別企業の過去業績などの「具体的な数値」がなければ、企業価値評価を行うことができません。
個別企業の財務データを、セミナーで作った企業価値評価エクセルシートに取り込むには、
(1)当該企業のウェッブサイトからダウンロードして加工
(企業によっては、CSVフォーマットのデータを提供している場合もあります)
?EDINET(https://info.edinet.go.jp/EdiHtml/main.htm)からエクセルへコピペして加工
など、結構面倒な作業を必要とします。
その上、得られたデータをグラフ化したり、企業価値評価フォームの財務費目を合わせたりと、これまた面倒な作業が必要になります。
で、本当は「しっかり分析」をしたいのに、面倒だからと「ざっくり分析」に逃げ、その結果、算定された理論株価に本当の自信を持つことができず、結局投資に至らない、なんてことも多々あるわけです。
(実際、3年ほど前に、僕がスタッフ募集を行ったときの最も大きな理由は、以上の「作業」を誰かにやってもらおうという動機でした・・・実際には、「作業」をやっていただくにはもったいない知識と経験を持った方々が集まり、パートナーシップ制がスタートし、現在に至るわけです)
ところが、このツール、以上の面倒な「作業」を、エクセルのマクロとして「サクッ!」とやってくれちゃうわけです。
すごいでしょ!
で、話は「価値と価格の交換」に戻りますが・・・
このツール、誰が作ったのか?
実は、合宿セミナー卒業生で、損保会社で経理のお仕事をされているタニグチさんという方の作品なのです。
タニグチさんは、
「セミナー卒業生に対して、何か自分にできる価値提供をしたい」
という動機で、このツールを作ってくれました。
600名以上にもなる合宿セミナー卒業生も大満足のツールです。
で、当然ながら、タニグチさんは、提供された価値に応じた価格を受け取るべきだ、となり、板倉雄一郎事務所が彼の作品の価値を広く一般に伝える役目を果たし、結果・・・
「タニグチさんが一般に提供する価値」+
「板倉雄一郎事務所がそれを告知する価値」=
「一般の利用者が支払う価格」
という構図の合意が得られ、価格の流れは・・・
「一般の利用者」⇒「当事務所」⇒「タニグチさん」
となるわけです。
元は、
「当事務所が伝える価値」=「タニグチさんが受け取る価値」
であり、価格の流れは・・・
「タニグチさん」⇒「当事務所」
の一方通行だったのに、
「その組織構造を変えずに」キャッシュの流れが逆転したというわけです。
実はこの「タニグチツール」は、
当事務所の「合宿セミナー卒業生発コンテンツ事業」の第一弾です。
今後もこのような「価値と価格の柔軟な交換システム」をベースに、社会に対する価値提供をもっともっと増やして行きたいと思うわけです。
とは言え、当事務所が単なるトランザクションやアフェリエイトで稼いで行こうというわけではありません。
このサイト上で告知する以上、「リコメンドする価値(と責任)」があるわけですから、何でもかんでも扱うわけではありません。
その証拠に、「板倉さんのサイトに広告出しませんか?」という数多くのお申し出を、ほとんどお断りしています。
で、「そのツール早速使いたい!」って思われる方もいらっしゃるかと思いますが、以下の理由で、現時点では一般公開はしていません。
一般公開しない理由(1):データ取得に関する問題がある
現在はある商用ネットからデータを拝借するシステムになっていますが、2008年春にEDINETがXBRLに対応すれば、解決の予定。その後、有料化の予定。
一般公開しない理由(2):バリューションシートへの理解が必要
当事務所フォーマットのバリュエーションシートがタニグチツールには付属しているわけですが、このシートは、テキトーな数字を入れれば理論株価が算出できてしまうわけで、シートの各因数に関する「十分な知識」をお持ちでない方(=つまりセミナーを受講されていない方)が安易に使うと、「とんでも理論株価」が出てきてしまって、その結果、「とんでもマイナスリターン」な投資結果になってしまう可能性が十分に高いからです。
どうしても使いたい!という方は、(それだけが目的では28万円はかなり割高になってしまいますが)、合宿セミナーに是非いらしてください。
(おいおい、結局月曜日から宣伝かよ! はい。そうです。(笑))
以上の、
「一般読者」 2 「当事務所」 2 「セミナー卒業生」
の関係における柔軟な「価値と価格の交換システム」が、
「全く新しいビジネスモデル」であるかどうかは定かではありませんが、
僕達が、このモデルを進化させれば、一定のビジネスモデルとしての評価がされるのではないかと期待しています。
もちろん、この素晴らしい(と僕が思っている)ビジネスモデルを、「僕が創ったんだぞ!」なんていうつもりもありませんし、思っても居ません。
その「きっかけ」を作ったのは、確かに僕ですが、このシステムが継続し進化しているのは、このシステムに参加しているすべての方々の価値提供によるものです。
だからこそ素晴らしい!と思うのです。
「金儲け」が先にあるのではなく、
「価値と価格の妥当な(=継続可能な)交換」を基に、
「価値をたくさん提供した者」が、結果として「金が儲かる」
これが資本主義経済の「本当の姿」なのだと思います。
間違っても、「複雑な仕組みで上手に騙せば儲かるシステム」として資本主義経済があるのではありません。
以上、10行で済むところを、30行も40行も書いてしまいました(笑)
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
2007年7月9日 板倉雄一郎
PS:
もし、セミナー受講動機が「タニグチツールを使いたい」という事であれば、セミナー申込みフォームの「受講動機」にしっかり書いていただければ幸いです。
タニグチさんによる価値提供の「確認」になるわけです。





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