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ITAKURASTYLE「女性は産む機械」

食料不足や温暖化などの地球環境問題にしても、
石油価格に翻弄される世界経済にしても、
その根本的原因は「私達人間の数が多すぎる」からだ。

私達の国「日本」の場合、それが顕著だ。
食物自給率は、極端に低く、カロリーベースで30%ほどしかない。
エネルギーについは言うまでもない。
この狭い国の、ここ数十年の政策は、以上のような「自然環境の許容」を完全に無視し、「人口が拡大し続ける」という馬鹿げた前提に基づいて決定されてきた。

もし、この国の人口が5000万人前後だとしたらどうだろう。
寂しいだけの国になってしまうだろうか。
食物自給率も向上するだろうし、
エネルギーの海外への依存度も低下するだろうし、
今より広い家に暮らせるだろうし、
今ほどせせこましく働く必要がなくなるだろうし、その分自分自身や社会や世界に思いをめぐらせる時間も増えるだろう。
人口が「今より」少ないことは、何の問題も無いどころか、むしろ私たち自身にとって都合の良いことの方が多いはずである。

ただし、人口が少なくなる「過程」において、若年層による高齢者の社会保障費負担が大きくなるなどの問題がある。
しかし、人口増大(または現状維持)では、いつまで経っても本質的な問題解決にはならない。
「人口が増えることを前提にした問題先送り」という手法しか持たない化石のような「かなり頭の悪い政治屋」は、自分の頭が古いこと、間違っていること、を、やはり頭が悪いから気付けないらしい。

人間は、「生む機械」でもなければ、「働く機械」でもない。
そこで暮らす国民一人ひとりが豊かになる事を抜きに、国が豊かになるなんてことはありえない。

GDPを考えるなら、総量ではなく「一人当たりGDP」を論じるべき。
企業価値を考えるなら、時価総額ではなく、投資家一人当たりのリターンを論じるべき。
(たとえばいくら時価総額が大きくなっても、一方で投資家一人当たりが損をしているような経営・・・たとえば過去のライブドア・・・では、誰のための経営なのかわからない。)
宝くじの当たる販売店を探したければ、「何本当たったか」ではなく、「何枚販売したうち、何枚当たったのか」という分数が必要なことと同じ。

「生む機械」発言に女性が怒っているらしいが、女性が傷つくとか悲しむとか、そんな次元の話ではない。「すべての問題は人口増加が解決する」などと考える馬鹿を、「一体誰が選んだのか!」を確認すべきときではないだろうか。
政治家を選んでいるのは、常に私達有権者なのだから。

参考エッセー:
ITAKURASTYLE「多すぎる私達」

2007年2月5日 板倉雄一郎





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