板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「週末の徒然」

<金融機関の貸出金利>

短期金利上昇を受けて・・・
「1%程度しか銀行の貸出金利は高くなっていない」
なんていう表現を聞きました。

当然です。

彼らが、短期金利の上昇を貸出金利に「直ちに」転化できるのは、
1、変動金利の貸し出し
2、新規の貸し出し
なのであって、過去に契約した固定金利分については、その満期によってロールオーバーするときに反映されるわけですから、その効果は先々に現れます。
後々に現れますが、企業価値評価を行ううえでは、将来のキャッシュフローを担保にするわけですから、現時点での企業価値にも反映されて当然です。
昨日のエッセー:BTB第10回「調達コストと運用利回り」に対する反論かな?なんて思ったので、念のため記述しました。

<教育改革において、すぐにできて効果のあること>

教育改革にて、直ちにすべきことは、
「大学受験資格に、2年以上の就労経験をつける!」だと思います。
つまり、高校を卒業したら社会に出て働き、社会を肌で感じ、自分の進みたい方向を見つけ、そのために特別な知識が必要であれば、適当な大学へ進学する。
可能であれば、学費は自分で出す。
さらに、教員資格においても、2年以上の「一般企業などでの就労経験」を条件とすべきだと思います。
教育とは、それが社会で活動する上で役に立たなかったら、ほとんど何の意味も無いと思いますから、教える側も「実社会」を経験的に知っているべきでしょう。
(↑こんなのあたりまえだと思いますけど)

こんな提案をすると、すぐに「やらないための問題探し」をする連中が現れます。
「そんな制度を開始したら、最初の2年で大学の学生が減ってしまい、大学の財務状況が今以上に悪化する」とか、
「現在の教員についても、いまさら就労させるのか!」とか。

「んなこと、どうでもええ!」のです。
そんな短期の弊害など、長期的な国民の様々なリテラシー向上の恩恵に比べれば、どうでもええことです。
何かを差し出さずに、何かを得ることなどできないのですから。

「実践・企業価値評価シリーズ合宿セミナー」を足掛け4年続けて、既に700名ほどの卒業生が居ます。
彼らに共通することは、
1、自分の意思で参加した方ばかり(=仕方なく参加した方がいない)
2、(一部の学生受講者を除き)社会において就労経験のある方ばかり
3、セミナー価格(=学費)を自ら支払った方ばかり
4、そして、(ここが重要なのですが)、彼らに共通する卒業後の感想が・・・
「受験勉強のとき以上に集中して学習した。こんなに一生懸命に学習に望んだのは生まれて初めてだ」という感想です。
(詳しくは、卒業生が綴った「企業価値評価セミナーと私」をお読みください。)

つまり、自ら必要性を感じ、自ら探し、自らの貴重な人生の時間と価格を差し出した学習ほど、効果的な学習方法は他にない。ってことなのです。

「学校に行かなければならないから、仕方なく行く」のではなく、
「知りたいことがあるから、学びに行く」でなければ、国家予算も個人の教育費もドブに捨てているようなものです。
この点、教育改革において直ちに実施すべきだと思います。
(↑ そんなこと、今回の教育改革では実施されないでしょうけれど)

<赤ちゃんポスト>

育てきれない赤ちゃんを匿名で受け入れる仕組みを慈恵医大が始めるそうです。
政府の判断は、「違法とはいえない」だそうです。

ばかやろ!
法律で判断すべきことなのかぁ!
ついでに、「要介護者ポスト」もつくってみたらどうだ?
ばかやろ。

確かに救える命もあるだろうけれど、
弊害の方が大きいと、少なくとも僕は思います。
生活力が無いのに子供を作ってしまう馬鹿は、次も避妊なしでセックスするだろうし、きり無い。

<保障の金額>

交通事故などの被害者に対する保障料がたびたびニュースで流れます。
「保障料3億円!」とか。
でもね、そのお金、そのまま支払われるわけではありません。
実際に支払われるのは、その金額の「割引現在価値」。
オマケに、割引率は法律で「どういうわけか」年率5%と決まっています。
稀に裁判にて、5%が3%になったりするケースもあるらしいですが、弁護士や裁判官に「将来のリスクフリーレートの予測」なんてできるんでしょうか?
はなはだ疑問ではあります。
(もちろん、誰にも将来のリスクフリーレートの確実な予測なんてできません。)
これ、意外と知らない人が多いです。

以上、エッセー用にメモった内容で、ひとつのエッセーにするまでも無いことを徒然と書かせていただきました。

2007年2月24日 板倉雄一郎





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