僕は、よくセミナー受講生や読者の方から、
以下のような質問を受けます・・・
「板倉さんは、どのようにして今の知識を手に入れたのですか?」
僕の答えは明白です。
「社会から教えてもらった。」
だから、社会に対して知りえた知識をフィードバックしているのです。
ファイナンスや企業価値評価、そして株式投資の知識と経験は、
それを他人に伝えれば伝えるほど、
知識を持つ者の「稼ぎ」におけるアドバンテージは失われます。
簡単な話、他人に教えなければ一人で稼ぐことができるわけです。
けれど、僕の持つ知識は、
上記のように社会から教えていただいたのですから、
その知識を社会にフィードバックして当然だと思っています。
もちろん提供する価値に見合った価格はいただきます。
そうでなければ、私たちの活動を継続することができませんし、
それなりの価格をセミナーに支払っていただく姿勢のある方でなければ、
非常に濃い2日間のセミナーから価値を持ち帰っていただくことが、
不可能だからです。
ちなみに・・・
ONE for ALL and ALL for ONE
これは板倉雄一郎事務所の理念であり哲学です。
企業価値評価セミナーにおいても、
実際に伝える知識は、
ディスカウントキャッシュフロー法による企業価値評価です。
しかし、合宿セミナー第1コマにて、僕が最も強調するのは、
「企業とは何か」という点です。
企業とは、その利害関係者が価値を持ち寄り、
持ち寄った価値を利害関係者が膨らませ(=創造し)
再び利害関係者に再配分する「仕組み」です。
このように、
企業の社会における存在意義を伝えることなくして、
投資家から観た企業価値だけを伝えたところで、何の意味もありません。
もし、企業の存在意義を伝えずに、企業価値評価を伝えれば、
「企業は株主のものだ!」と思い込むバカ者を生み出すだけで、
まるで社会の役には立たないセミナーになってしまいます。
参考エッセー:
KISS第33号「お金の仕組みを教える理由」
DeepKISS第57号「永続性と企業価値」
DeepKISS第66号「企業価値(図解)」
など多数。
社会の役に立つ活動・・・これって理屈抜きに気持ちいいのです。
2006年9月24日 板倉雄一郎
PS:
安倍新政権の発足です。
彼自身が経済について「疎い」という大問題がありますが、
そこは「人事」にて。
いずれにしても、「人を育てる政治」を行うことが、
すなわち豊かな国家への道筋です。
私たちの国「日本」には、「人」以外の資源は存在しないのですから。
「知識や規則を押し付ける教育」ではなく、
「自ら考え、自ら探し、自ら行動する人を育てる教育」を、
是非教育改革にて、行っていただきたいと思う次第です。
今、教育しなければならないのは「子供」より、
子供を教育する立場の「親」や「教員」でしょう。
義務教育の現場での「人事」に関わる制度改革が必要です。