板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「週末の徒然」

特に「お知らせ」のない週末は、軽ぅ~く読める徒然にお付き合いください。

<世界的インフレ ⇒ 世界的金利上昇>

お金のバラマキ(←低金利、高レバレッジ)が続けば、お金のモノやサービスに対する価値が下落するわけですから、インフレになるのは当然ですよね。

ある国の国内の景気減速を回避するために、その国の中央銀行が低金利に誘導することは定石ですが、一方で経済、特に「お金」は、国境をまたいでグローバルに自由に移動すること(キャピタル・フライト)ができるわけですから、成長著しく、本来インフレ抑制のために金利を高く誘導すべき国にまで、低金利政策をとる国からの資本が流入するわけです。

いわゆる「円キャリートレード」も、その一例です。

また、企業の場合、どの国に「所在」していたとしても、グローバルにその商圏を拡大することができますし、グローバルに生産拠点を設備することができますし、そのために必要な資金もグローバルに調達することができるわけです。

いわゆるBRICs圏の経済成長が期待されれば、先進国の企業はこぞって出かけていきますし、いわゆる資源国の成長が期待されれば、同じように皆こぞって出かけてゆきます。

次はどこ?と行き場がなくなれば、アフリカだって、その対象になります。

それでも行き場がなくなれば、今度はCO2が投資の対象になります。

以上の一つの結果として、それぞれの地域、又は、投資対象単位で、バブルとその崩壊が繰り返され、さらにその結果として、賢い投資家はどんどん金を儲けることができ、一般の生活者は毎度バブル崩壊の煽りを受け、世界はどんどん貧富の差が激しくなっていくでしょう。

これらの大きな原因は、「利回りを求めるお金が余っている」ことにあります。

以上のいわゆるグローバリズムを前提にした場合、各国それぞれの金利政策が、どの程度、どの範囲に影響を及ぼすのか、その不確実性が高まってきているのだと思います。

とはいえ、バーナンキFRB議長の「もう利下げしないかもよ(又は、利上げするかもよ)」発言は、コモディティー価格をはじめ、様々な価格にインパクトがあると思いますけれど。


<ものすごく安いモノ、と、ものすごく高いモノが売れる時代>

昨日、ウォルマート(WAL-MART)の業績が発表されました。

売上高は、市場予測を上回ったようですが、そもそもウォルマートは、日本で言えばセブンアンドワイ(かな?)のような生活必需品を安く販売する店舗網ですから、ウォルマートの売上高を観て「米の景気は底堅い」と手放しで喜べるわけではないですよね。

「(生活必需品であれば)安いものが売れる」と言えると思います。

また、米の「新規失業保険申請件数の予想外の減少」というニュースもあります。
確かに失業者は予想以上に増えなかったと言えると思いますが、では平均賃金はどうだったのか、についてまで踏み込んだ結論は出せませんよね。

日本においても、失業者が増えているわけではありませんが、一人当たりの就労時間を考慮した賃金が期待インフレ率以上に上昇しているという情報はありません。

それでも皆、食べたり暮らしたりしなければなりませんから、やはり「安いものが売れる」ということになるのだろうと思います。

一方で、
欧州高級ブランドのルイヴィトングループ(LVMH)が(一部の新規事業の失敗を除き本業では)増収増益を発表しました。
(皆さんご存知のいわゆる欧州高級ブランドのかなり多くは、ルイヴィトングループ傘下です。)

フェラーリや、ベントレーなど、いわゆる「メルセデスより高価なブランド車(≒コーンズもの)」は、地域を限定すれば、結構売れているようです。


<世界がアメリカ的になってゆく>

日本においても、いわゆる「お食事会」や「パーティー」などを毎晩行っている方々は、どういうわけか金融系の方が多く、彼らの多くは、何とかヒルズや、何とかタウンにて、100万円に迫る家賃を平気で支払いながら優雅に暮らしています。

個人的な話で恐縮ですが、僕はふだん、千葉県船橋市の標準的な住宅街で暮らしています。
そして、週末ともなれば、何やら都心でのお食事会などにこのところ出かける機会が多いです。
そこで観る生活水準の「差」といったら、言葉も出ないぐらいです。

地域格差もまた、メディアが伝える内容から感じる以上に、現実を肌で感じる方が明らかに大きいです。
こういった、数値だけではなく、肌でも感じることができる「貧富の差の拡大」は、金余りの世界の中で、どんどん進行していくのだろうと思います。

世界がアメリカ的になってゆく。

それが良いことか悪いことか、というより、それが現実ですよね。


<株高、債券安(=金利上昇)>

インフレ期待を前提にすれば、固定利率の債券は間違いなく売られます。
(期待インフレ率以下の利率の債券なんて誰も欲しくないですからね)
売った資金は、比較的インフレに強い株式(←ただし価格転嫁ができる企業)に向かいます。

企業の業績が多少悪くても(投資家が自身の期待収益率を仕方なく下げることによって=株価が多少高くても)利率が固定されている債券より、株式に向かいます。

そして、そのうち「行き過ぎ」になるわけです。

なぜなら、いくら株式に資金が集まったところで、その株価を担保する事業業績が良くなるわけではないですからね。
あくまで、株式の価値の上昇があって初めて株価が上昇するわけですから。


<日本企業の株主になること>

言うまでもなく、輸出入中心のビジネスモデルを持つ日本企業の業績は、輸出先の国の経済状態、輸入先の(主に)資源国の経済状態、資源価格、為替などの影響を強く受けます。
しかし、そのリスクを受け入れることによって、企業の活動範囲(←資金調達、生産拠点、商圏)を世界に広げることができているわけです。
長期的な投資をするなら日本企業が良い、と僕は思います。


話ぜんぜん変わりますが・・・


<iPhone>

AppleのiPhoneが、ソフトバンクモバイルによって日本上陸しました。
これ、欲しぃ~~と思う人結構いると思います。
僕自身も、欲しいです(笑)

けれども、手に入れた後を想像すると、僕の場合、最初の三日ぐらいは、iPhoneをいじりながらホクホクするのかもしれませんし、知人が興味を示して喜んで見せびらかすこともあろうかと思いますが、そんな初期便益を過ぎ、実際の利用段階になると、誤タイプの不便さ、割と大きいサイズの不便さ、などに悩まされるような気もします。

でも、ケータイ端末が主なITインターフェイスである人にとっては、とてもいい商品ですよね。
ドコモからの発売の可能性もあるかもしれないので、そのときには検討してみたいと思います。
でも、フルキーボードに慣れた「おじさん」には、HPの小型PC+PCカード端末、の方が合っているような・・・。

それにしても、アップルの商法は、いつの間にか「強気」になりましたよね。
ケータイ端末を売るのに、販売先のキャリアから通信料の一部を徴収するんですから。

シェアの少ないソフトバンクモバイルには呑めても、過半数のシェアを持つドコモは、その条件をなかなか呑めないことが、ドコモとの契約が遅れている一つの原因ではないかと思います。

キャリアにとって、シェア拡大には「多少」貢献すると思いますが、決して「儲かる」商品ではないですからね。
(どこの会社とは書きませんが、
「価格破壊を武器にする者は、いずれ価格にしてやられる」
ことは、歴史的にも明らかですよね。
すでに、無理のある資金調達によって価格破壊を行っている企業の「資本コスト」は上昇しています。
結局、価格破壊による競争は、資本コストの勝負になるわけです。)

アップルって、いまや「ファッションブランド」になったのでしょうね。
いや、昔から(スカリーがCEOをやっていたとき以外は)そうでしたね。


<温暖化ガス排出権取引>

これ、今僕が最も興味のある分野です。
ビジネスチャンスがあると思います。
今後、ニュースを積極的に追いかけたいと思います。

以上、週末の徒然でした。

今週末は、天気もよさそうなので、読者の皆様も良い週末をお過ごしください。

2008年6月6日 板倉雄一郎

PS:
現在、6月29日(日曜日)開催の、オープンセミナーへの参加者を募集しています。
僕の講演テーマは、いまだ決定していないのですが、ご興味のある方は是非お申し込みください。

PS^2:
大変お待たせしている『財務オペレーションと企業価値』DVDですが、昨日ようやく最終版のチェックを終了し、量産の指示をすることができました。
遅くとも7月上旬にはリリースできると思います。
(現在、「納期短縮交渉」を進めているところです。)

これ、企業経営にも、株式投資にも、絶対必要な知識だと思います。
特に、「配当」「自社株買い」と企業価値の関係については必見です!
(↑って自分で言うの辛い(笑))

PS^3:
ダイエット通信・・・
この二年で、62㎏だった体重が、70㎏まで増加しました。
ワンコの看病とその後のぼーっとした生活が原因でしたが、この二か月間は、心機一転、様々な活動をするために、ダイエットに勤しんでおりました。
週に3~4回のジム通い(主に水泳)。
野菜とたんぱく質中心の食事。
アルコール摂取の制限。

そして、脂肪燃焼を助ける「L-カルニチン」摂取のおかげで、
70Kgもあった体重が、今は、62kgにまで減量できました。
その上、体調はすこぶる良いです。

ダイエットの成功の秘訣は、「インセンティブ」にあります。
世の中、ダイエットに限らず、あらゆることの成功の秘訣は、「インセンティブ」なのだと思います。
正義感や義務感だけで、成功できるほど人間は(少なくとも僕は)高尚な生き物ではないと思います。

ダイエットできると、衣類の選択肢が広がる⇒気に入った衣類を身に着けると出かけたくなる⇒出かけると様々な人(もちろん女性を含む)と出会うことができる⇒ビジネスや視野や交流が増える⇒人生楽しくなる⇒楽しくなるともっと活動したくなる⇒体脂肪率を維持できる。
ということで、この好循環が途絶えない限り、リバウンドはしないものです。

義務感や正義感に基づく行動は、よほどその使命に燃えていない限り、ある時期を過ぎ、それなりの成果が出たところで息切れしてしまうことが多いと思います。

あと2㎏落とし60㎏になったら、今度は「筋肉増加を伴う体重増」に移行しようと思います。
体脂肪率が高い状態で筋肉を付けると、なんだか変なムキムキ系になってしまうので(笑)、これまでマシントレーニングは控えていましたが、今後はたんぱく質を今以上に摂って、マシントレーニングによって筋肉を付けていこうと思います。

ぶっちゃけ・・・
東山紀之氏が、僕と二歳しか違わない!!!
ということに、かなりショックを受けたのがダイエットのきっかけだったのです。
かなりアホいきっかけなことは、十分承知していますが、まあきっかけはなんでもいいですよね。

以上、読者にとってほとんど役に立たないダイエット通信でした。
失礼しました。





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