板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「確定申告」

2007年3月15日、所得税を納税した。
この後、4月2日までに、消費税も納めなければならない。
で、普通預金口座残高は、限りなくゼロ。
金が無い。
おまけに、「予定納税」なる通知も来るだろうし、
所得に応じた住民税&県民税も収めなければならないし、
所得に応じた健康保険料も収めなければならない。
で、さらに金(=正確には運転資金)が無くなる。

そして、以上は「毎年」やってくる。
税を支払うのがいやだ!っと言っているわけではない。
年中*毎年、かなりの額を普通預金で眠らせることになるのがいやだ。
せっかくの「社会に対する議決権」であるところの金を、永遠に眠らせることになる。
何とかならないものだろうか。
きっとどうにもならないだろう。

支払いと、その便益が「直結」していない税は、誰も喜んで払わない。
けれど、支払いと、その便益が「直結」している「消費」の場合、
欲しいモノであれば、皆喜んで価格を支払う。
税制も、そうあるべきだと思う。

しかし、確定申告をすることを、すべての方に勧めたい。
確定申告によって、自ら納める税額についてしっかり知ることができる。
しっかり知ることができると、その使われ方について関心を持つようになる。
使われ方に関心を持つと、選挙に関心を持つようになる。
選挙に関心を持つ人間が増えれば、投票率も上がる。
立法や行政に対して関心を持つ者の投票率が上がって初めて、
民主主義が機能する。
だから、面倒でも確定申告をすることをお勧めする。
確定申告で、「税が戻ってくる!」などといった「ニンジン目当ての馬」になることを薦めているわけではありません。

話し変わりますが・・・
ウォーレンバフェットやビルゲイツは、納税より寄付を好む。
彼らこそ、「所得の再配分は政府に任せるのではなく、自分達でやる」といった、
本物のNGOなのだと思う。

納税によってその配分を政府に任せると、特にアメリカの場合、
その対価がはっきりとしない戦費などに使われてしまう。
しかし、
投資家にとって課税対象となる配当を行わず再投資に回し、
投資家自身が利益確定さえしなければ、投資額が100万倍になっても一切の税を支払う必要が無いキャピタルゲインを求め、
毎年の利益の幾分かは、株主の投票によって、しかるべき対象への寄付とする。
その結果形成された資産を、課税所得から控除される寄付に向ける。

彼らのやっていることは、本当の意味でのNGO。
政府に議決権を持たせるより、自分達で考え行動する。
それを、経済の側面で行っているというわけです。

彼らのやり方もひとつの合理的なやりかただし、
選挙権を慎重に使うこともまた合理的なやり方。
しかし、
選挙にも行かず、脱税もする、立法や行政は「お任せ民主主義」なんていう人間ばかりになってしまったら社会秩序は維持されない。
来年からでもいいから確定申告しましょ。

ちなみに、「源泉徴収制度」とは、「国民を馬鹿のままにさせておこう」という思惑から生まれていることを、最後に書いておきます。

2007年3月16日 板倉雄一郎

PS:
結構たくさん納税しているのだから、せめて、ワンコが塀におしっこしたぐらいで、「この極悪非道な奴め!」って感じの目つきでにらむのは止めて欲しいと、近所のオバハンに対して思ったりもします(笑)
でも、「わが財産」のお家の塀に、わんこのおしっこかけられたくないですよね。
わかります。納税額とは関係ない話ですもんね。

PS^2:
椎間板ヘルニアの症状が悪化。
寒いとなかなか治らない。
なんて思いながら窓から外を見たら雪が舞っている。
治らないはずだ。
座っているのが最も辛い。
なので、調査や分析そして執筆に時間のかかる個別企業評価やファイナンス理論に関する記事は、しばらくお休みします。ゴメンナサイ。





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