板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「第23回合宿セミナーランナップ」

先週末(2007年2月9日~10日)は、第23回合宿セミナーでした。

今回も受講された方のバックグラウンドは様々。
業種も、業界も、職種も、知識の専門性も、受講目的も、年齢も、性別も、
とにかく様々でした。

元ゴールドマンサックスのアナリストの方もいらっしゃれば、
子供を抱えシングルマザーになった方が、今後の家計のためにセミナーを受講された方もいらっしゃいましたし、昨年、ご自身の経営する企業を上場させた某ベンチャー企業のCEOの方もいらっしゃいました。
(このCEOの方は、「内緒で受講」なので、社名は明かせません・・・本当は、上場企業のCEOなのに、しっかりファイナンスを学ぼうとする姿勢は、その企業の信用をより高めるとは思うのですが)
年齢については、過去最年少17歳!の受講もありました。
(↑17歳での受講・・・正直うらやましいです。僕が17歳のとき、こんなセミナーを受講できていたなら・・・「タラレバ」はいけませんね(笑))

当事務所のセミナーの特徴は、
単にDCF法の「理論や計算式」を伝えるのではなく、
それらの考え方を、「自身の感覚に照らし合わせ伝える」点にあります。
したがって、
アナリスト試験に合格するために丸暗記した方にも、
お金と経済を真剣に考えたことのない方にも、
普段の業務で財務に接してる方も、そうでない方にも、
セミナーの価値に十分満足いただけるわけです。
我ながら、本当に価値あるセミナーを実施できていると自負しています。

今回取り上げた評価対象企業は、
講義用・・・大和工業(5444)
受講生によるワークショップ用・・・オリエンタルランド(4661)
オリエンタルランドについては、「投資循環」が非常にわかりやすく、且つ多くの受講生の方が「消費者として身近で、実感できる企業」ということで取り上げました。
また、大和工業を取り上げた理由は、「たまには割安銘柄もやらなくちゃね」って事だったのですが、評価対象として決定した時点では結構な割安だったのですが、その後セミナー当日までに、この企業の株式は結構買われて、「大幅な割安」ではなくなってしまっていました(笑)。
しかしながら、鉄鋼系ホールディングカンパニーの性格を持つ同社のバリュエーションは、初受講の方にとって極めて難しかったと反省しています。
いずれにしても、当事務所のセミナーでは、「投資すべき企業とはどんな企業か」を教えるのであって、「儲かる銘柄」を教えるのではありません。
「投資すべき儲かる企業」は、当事務所で伝える知識を元に、ご自身が探し、ご自身が評価し、ご自身が投資を実施し、ご自身が儲けるべきなのです。
それが投資というものです。

UFOを読み漁り、「これだ!」という企業を発掘し、
その企業が割安になるタイミングを待つ。
そんな投資姿勢がうまく伝わったのではないかと思う次第です。

貴重な人生の時間と、セミナー費用を差し出し、
その対価として、企業価値評価の知識を受け取りにいらした方々へ、
この場を借りてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

2007年2月14日(そういえばバレンタインデイ) 板倉雄一郎

PS:
実を言うと、今回のセミナーは、僕にとって、とても辛いセミナーでした。
肥満細胞腫という癌を6年ほど前から患っている愛犬の雄太(ゴールデンレトリーバー雄11歳)が、また別の癌を喉に発病し、食事や水を飲み込むのが辛いらしく、一ヶ月で30Kgだった体重が24Kgにまで激減している最中だったからです。
セミナー明けには、専門医を訪ねるため体調の優れない彼を車に乗せ、鎌倉まで行きました。
結果は、「手術はリスクが大きすぎる」ということで、放射線治療を行うことになりました。
「どうするのが最良の方法なのかわからない」は、僕にとって非常に辛いことです。
僕にできることは、信頼できる獣医師の言葉を信じるだけです。
経済的なことなら、ほとんどなんでも最良の解決策を具体的に提示できるのに・・・

出会ったすべての生物は、いつか死に絶えます。
犬であれ、人であれ、そして自分であれ。
そんなことは、出会ったときから明確にわかっていることです。
なのに、死期が近いと認識すると、普段以上に接しようとします。
本当は、誰であれ死期は常に近づいているわけですから、普段から可能な限り接するべきだし、またそうすることによって、誰かを失ったときの「後悔」を最小限にすることができます。
誰かを失ったとき、悲しみは仕方ないと思いますが、後悔はしたくない、と思います。

僕は、彼に可能な限り接してきました。
だから今は、彼の苦痛を取り除いて上げるために、可能な限りのことをしてあげたいと思います。
もちろん完治する可能性を信じながら。

不思議なことに、彼の患部と同じところが僕も痛い。
きっと現代の科学では解明できない「何か」があるのだと思う。
これまで以上に、僕の側を離れようとしない彼の態度に、
「お父さん痛いよぉ~、辛いよぉ~」という声なき声が聞こえるけれど、
一緒に居て、撫でてあげる以外に、僕にできることが無いことが辛い。





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