板倉雄一郎事務所 Yuichiro ITAKURA OFFICE

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ITAKURASTYLE「マーケット考察」


普段のエッセイとは一味違いで、
このところのマーケットについての考察を書いてみます。
<株価>
このところの相場を一言で言えば、
「何でもかんでも上げている」と感じます。
特に、時価総額の比較的小さい中小型株の株価上昇が目立ちます。
たとえば、
「トヨタといえども、これ以上の価格では買えないよね」
ってなことで、
時価総額1兆円以上の大型株への投資が一巡する一方で、
低金利、円安のおかげで、資金はジャブジャブ。
行き場を失った資金が、これまで割りと放って置かれた中小型株へ。
中小型株の場合、出来高も流通株式数も少ないですから、
比較的少ない金額の投資でも、株価はビビットに反応します。
かくして、何年も株価のボラティリティーの低かった企業の株価が、
このところ高騰を始めている、というわけです。
以上に加えて、このところの「短期トレードスタイル」が、
スティールの投資活動や、M&Aブームの影響を受け、
「TOB待ち投機」となっていることも、
株価ボラティリティーの低かった企業の株価を押し上げていると思います。
(まるでパチンコの「大当たり待ち」ですよね(笑))
僕の身の回りにも、「大当たり!(笑)」した方が結構いらっしゃいます。
当事務所のパートナーの一人も、
「プレミアム70%!のTOB」に、図らずしも「当選(?)」した者が居ます。
(この方のTOB体験記は、後にパートナーエッセイで発表されます)
「とは言え日経平均は、バブルの頃ほどあがってないじゃんかよ!」
という声が聞こえてきそうですが、
そもそも、中小型株は、日経平均の「因数」になっていないわけですから、
日経平均を見ていても、中小型株の動向についてはわからないわけです。
中小型株の「バブル」といえなくもありません。
以上の点、投資において注意すべきことだと思います。
<金利と為替>
円安です。
最も大きな原因は、諸外国との「金利差」です。
マーケット関係者の見方は、
「しばらくの間、日本と諸外国の金利差は解消されない」
ということで、
ユーロ/円相場も、170円は行くだろうといわれています。
彼らの言うところの「しばらくの間」とは、
一体どれほどの期間なのかさっぱりわかりませんが、
おそらく、彼ら市場関係者の予測より早く、金利が引き上げられると思います。
なぜなら、
「物価上昇」を肌で感じることが、ここ数ヶ月多くなってきたからです。
エネルギー資源は言うまでもなく、
労働賃金も上昇を始めています。
以上の点、投資において注意すべきことだと思います。
資金が逆転を始めたら、早いですから。
2007年6月22日 板倉雄一郎





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